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2017年を振り返って。

 
 
今年最後の営業だった本日、ありがたいことに以前からカスタムオーダーのご相談させていただいていた方にセブンのオーダーを頂きました。
 
人と自転車を適切に結びつけるのが我々自転車屋の仕事だと思いますが、それは時にマスプロダクションを通してだったり、もしくは作り手の顔が見えるような1点もののハンドメイドと呼ばれるものを通してだったります。 それ自体が大きなポイントではなく、何よりも大切なのは、ヒトとモノをいかに適切に繋げることができるかです。
 
もちろんそれは人それぞれによって様々な形となるのですが、今年一年を振り返る意味を込めて、サークルズテーラードでオーナー様と繋げさせていただいたバイクの中からいくつかご紹介させてください。
 

BREAD WINNER CYCLES / B-ROAD

 

 
新しいショップの立ち上げ、併設のカフェスペースがつい最近オープンしたばかりと、間違いなく飛躍の年だったオレゴンはポートランドのビルダーコミュニティーの大黒柱、BreadWinnerCycles / ブレッドウィナーサイクルズ。 リアルサイクリストであるトニーとアイラの二人を中心としたチームワークで日々生み出される素晴らしいバイクの数々に、海を超えてもそのチーム力の強さがよく伝わってきます。
 
ラインナップの中でも万能型のグラベルロードであるB-ROADには、そのタイヤクリアランスを活かし、オマージュ700x43cを履かせて、バーサタイルな一台に。 グラベルでの安定感の高さはさることながら、オンロードでも素直に進んでいく仕上がりは、アイラがオレゴンアウトバック(約580kmの道のりの8割がダートというオレゴン横断レース)を想定して作ったというのが納得できるもの。 その道を問わず、どこまでも!そんな一台です。
 

BLACK CAT BICYCLES / CUSTOM ROAD RACER

 

  
バックグラウンドに、世界チャンピオンを何人も排出し続けるサンタクルズ バイシクルで培った自転車製造の基礎と最新のマテリアルまでの知識と知恵を活かしながらも、極めてシンプルかつ丁寧にフレームビルディングを行う、Black Cat Bicycles / ブラックキャットバイシクルズ。 ビルダー・トッドが小物の制作から、フレームの溶接、そして仕上げのペイントに至るまでを全て自分自身の手で行うという生粋のサイクリスト的解釈で、自転車とヒトが一つになっていくことをしっかりと理解し生み出されるフレームの数々。
 
採寸をし、乗り方について話し合い、トッドにそれらの情報をまとめてオーダーを流したのが2年前。 ベースの色のイメージだけを伝え、あとはお任せと言って出来上がったフレームは、既成と自由を信じ、自転車というファンツールへの深い愛をもつ男が生み出す、待つという最大の辛抱ができる人のみが知り得ることのできるものです。 そして2年待っていただいたオーナーさんが、フレームとご対面した時の嬉しそうな顔を私はずっと忘れません。
 

SEVEN CYCLES / AXIOM SL

 

 
レースをするのか? ツーリングをするのか? または通勤をするためなのか? ライダーがもつ体型を通し、どのように自転車が年をとっていくのか? 順応性はあるのか? どのようにして一生乗ることのできる自転車を作ることができるのか? 素材と同じくらいデザインにも恒久性を持たせること、そしてライダーの願望を形にすることこそが、SEVEN CYCLES / セブンサイクルズにオーダーをするということなのです。
 
どうやって楽しむかということに真剣に向き合った先に出した答えは AXIOM SL。 自社でチタンチューブのバテッド加工ができる唯一のフレームメーカーだから作ることのできるバイクは、推進力や乗り心地といった要素を高次元で満たしてくれます。
 
一般的なカスタムという言葉以上をの要素を含めたフレームを、乗り手の欲する目線で正しく作り上げるという行為を、呼吸をするように当たり前にやり続けることこそが、年間約1700本のフレームを作る世界最大のカスタムフレームメーカーとして存在し続ける理由。
 
 
それぞれオーナーさんの想いが詰まった、どれ一つ同じものはなく、色んな自転車と、そして色んな人達と関わりながら毎日仕事ができる事に感謝! そして、軽さや走りの速さといったものは問わずに、とにかくありとあらゆる人が自転車に跨がって、みんなが笑顔になってくれたら良いと思います。 そのために、できる限りのお手伝いをさせていただきます!
 
新年の営業は5日から。 どうぞ皆様お身体にはお気を付けて、素敵な新年をお迎え下さい。
 

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Ikeyama Toyoshige
池山 豊繁

Circles / SimWorks / CWD 学生の頃のメッセンジャー・サークルズでのアルバイトを経て、今に至る。 サークルズスタッフ最年少を公言していたが、今ではニュージェネレーションも加わり古参の存在。 でも身長は最小です(#163cmですがなにか)。 CXレース経験もありますが、今はのんびり瀬戸のグラベルを走ったりするのが専らで、過去の面影はどこへやら。自転車で釣り場にアプローチするBikeToFishingのスタイル研究にも余念がない。
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