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マイクデサルボという真摯な男のお話。

 
ビルディングモンスター。
 
これは決して悪く言っているのではなく、むしろ最高の褒め言葉。 DeSalvo Custom Cycles / デサルボ カスタム サイクルズ としてフレームビルディングに日々勤しむマイク・デサルボは、その傍らでUBIというアメリカのフレームビルダー養成学校においてTig溶接のクラスを持ち、後世への教育にも余念がありません。 さらにはOEMの依頼もしばしば受けているのです。 今では少なくなったNAHBSオリジナルメンバーの一人で、とにかく彼の正確かつ美しい溶接技術は多くの人から厚い信頼を得ており、SEVENやMOOTSといった名だたるビルダーに唯一対抗しうる個人ビルダーではないかと思います。
 
Photo By The Radavist
 
何を隠そう、サークルズで初めてオーダーを入れた個人事業主のビルダーこそマイクであり、お店を始めて10年を迎えた去年、ついに彼は日本、いやサークルズに足を運んでくれました。 実際に会って彼の人柄やものづくりに対する姿勢を直に感じた方の中には、やはりその本質というものに心を動かされ、カスタムオーダーを入れていただいている方も何名かいらっしゃいます。 その事実は、本当に我々の冥利に尽きる嬉しいことです。
 
現状、マイク自身なかなか忙しくしており、リードタイムとして少々長くお待ち頂いている状況ではあります。 けれどお客様のためにとにかく丁寧に切り取った時間の結果、出来上がるものだということをご理解して頂いていることに感謝すると同時に、待つという最大の辛抱ができる人こそが手に入れることのできる最上のバイクこそが、彼の作るバイクなのです。 果報は寝て待てとはよく言ったものですが、どうか引き続きお待ちください。
 
 
ただ、みんながみんな待てるわけでもないことは僕らもよーくわかっているので、時にはストックフレームをお願いすることもあります。 今回紹介するのはそんな1台。 去年のNAHBSのショーバイクとして製作した1台のスチールレーサーをコンプリートキットとしてご用意しました。
 

【DeSalvo Custom Cycles】 Steel Road Racer – NAHBS2016 Show Bike –
 

TopTube(Effective) : 540mm
SeatTube(C-T) : 540mm
HeadTube : 135mm
ChainStay : 408mm
Head Angle : 72.5°
Seat Angle : 73.5°
Price : ¥600,000(税抜)

 
速くても遅くても柔軟に自転車という道具を使いこなしてくれる人たちのことを想像し、我々サークルズとマイクが考えるロードバイクのあるべき姿というものと真摯に向き合い、魂を込めた1台。 しかもグッドサイズの54cm、気になる方はどうぞお気軽にこちらからお問合せ下さい。 もちろん店頭で実際に跨がって頂く事もできます。
 

 
イメージやルックスであったり、数値化されるスペックみたいな目先のこと以上に大切なのものがあるということは、自転車以外にも世の中のほとんどのものに当てはまると思いますが、マイクは一人のフレームビルダーとして真摯にもの作りと向き合い、真摯にモノと付き合っていきたいという考えを持つ人に対してちゃんと選択肢はあるんだよって言いうことを示してくれます。
 
最終的な見た目の部分であるペイントやロゴには結構無頓着だったりするのですが、見るとため息が出るほど美しい溶接痕を残したバイクは、組み付けて走らせれば誰もが納得する極めて鋭くそして気持ち良く進んで行ってしまうのだからさぁ大変。 自転車という乗り物は不思議だけど、素敵な乗り物です。
 
 
乗り手が持っている乗る事に対するイメージや、多くの人が気にするであろう色目やデザインといったもの、さらにはフレームビルダーそれぞれが独自に持つ自転車に対するイメージや感覚を丁寧に足し算する。 私たちはあくまでその素材を活かすコックのような存在だと思っています。
 
もっと知りたいと思い、そこに対する努力を惜しまないことこそが、最良のバイクと出会うための一番の方法です。 是非あなたの思いや感覚と同調できるバイクが必要となった際には、一度サークルズに足を運んで頂ければ幸いです。 自転車という「モノ」を通じて出来上がった人と人の繋がりは「性能」という概念を超越する存在になると思います。 自転車のみならず、何かが変わるきっかけの1つになれれば幸いです。
 

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Ikeyama Toyoshige
池山 豊繁

Circles / SimWorks / CWD 学生の頃のメッセンジャー・サークルズでのアルバイトを経て、今に至る。 サークルズスタッフ最年少を公言していたが、今ではニュージェネレーションも加わり古参の存在。 でも身長は最小です(#163cmですがなにか)。 CXレース経験もありますが、今はのんびり瀬戸のグラベルを走ったりするのが専らで、過去の面影はどこへやら。自転車で釣り場にアプローチするBikeToFishingのスタイル研究にも余念がない。
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