言わずと知れたSURLY / サーリーのバイクラインナップに、ロングホールトラッカーと呼ばれるバイクがあります。
長距離トラックの運転手という名を冠する通り、ツーリングを目的とした長めのホイールベースを持ち、前後にラック+パニアを取り付けても安定した走りをもたらすバイクは、アメリカで最も売れているツーリングバイクという事実があります。
26インチホイール(一部大きいサイズには700c設定もあり)+リムブレーキという設定で、その落ち着いたジオメトリー故に、デイリーバイクとしても、里山ツーリングやちょっとしたダートまでをこなすオールテラインバイクとしてもとても懐の深いバイクです。
さて、今日はその懐の深さという部分に焦点を合わせてみます。 元サーリーのピーターをはじめ、トレバーや他のスタッフが来日した時に言っていたことなのですが、サーリーのバイクにはAフィットとBフィットという考え方が存在するというのを聞いた事があります。
Aフィットというのは、いわゆるカタログスペック通りの組み方(完成車もそうですね)を指し、Bフィットとは、サーリーのバイク全般に言えるタイヤクリアランスの広さを活かし、カタログスペックとは違ったインチアップしたホイール・タイヤサイズを履かせる組み方を指します。
そんなBフィットの一例として、以前は完成車の状態で乗っていたロングホールトラッカーが、球体ペイントによる再塗装+リビルドで生まれ変わった好例をご紹介します。
まず最初に目につくのは、このタイヤでしょう。 シムワークスバイパナレーサー / オマージュ の650x43Bを装着しています。 26×2.3″ほどのタイヤは余裕で呑み込むクリアランスをもつロングホールトラッカーは、650x43Bのタイヤも呑み込んでしまうのです。
しかし、ディスクブレーキを装備したディスクトラッカーならまだしも、リムブレーキであるこのバイクでなぜホイール径を変えることができるのでしょうか?
答えはブレーキにあります。
ポールコンポーネントで古くからラインナップされている、モトライトというVブレーキ、こちらに装着しているのはシムワークスがオファーをして特別に作ってもらったカラーなのですが、このブレーキがもつ、ブレーキシューの取り付け位置をアジャストできる機能により、ホイール径の壁を取り払うことができます。
それにより、ロングホールトラッカーのインチアップを可能にし、650Bのオマージュを履かすことができるです。
ブレーキレバーも、ブレーキ本体と合わせてポールコンポーネント / ラブレバーを用い、シムワークスのゲットアラウンドバーとトムボーイステムでオールテラインバイクとして生まれ変わりました。
家の片隅で寝ていたバイクや26インチのバイクなど、旧型スペックながら通勤などで惜しみなく活躍する自転車たちに、このような形で新しい息を吹き込むことができれば、より長きに渡り使い続ける事ができます。 もしくは、小柄な方で、700cのフレームサイズを乗ることが難しい人にとっても良いアッセンブルを可能にします。
ひょっとしたらあなたのバイクもBフィットをうまく形にすることができるかもしれません。 どうぞお気軽にサークルズまでご相談ください。
Frame | Surly | Long Haul Trucker 26″Wheel |
HeadSet | Chris King | 1-1/8″ NTS |
Brake | Paul Component / SimWorks | Motolite |
Brake Lever | Paul Component / SimWorks | Love Lever |
Main Group | Shimano SLX | M-7000 |
Handle | SimWorks By Nittto | GetAround |
Stem | SimWorks By Nittto | Tomboy |
Rims | Velocity | Dyad 650B 32H |
Tire | SimWorks By Panaracer | The Homage 650x43B |
Rear Rack | Surly | Nice Rack |