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My Sklarbikes CX / ALL ROAD

 
モンタナへのロードトリップから戻って2週間後、ポートランドのシムワークスUSAオフィスに1本のフレームが届いた。 何を隠そう、Sklarbikes / スカラーバイクスこと、アダム・スカラーにNAHBSが終わってからオーダーしていた自分のフレームである。
 
 
彼はCX/ALL ROAD、そしてMTBという土の上で乗るバイクが大好物だ。 小さな頃から生まれ故郷のコロラドや、今の拠点であるモンタナの荒野をたらふく走ってきた経験を元に、自分自身が得意とするスタイルを打ち出していこうというのが彼のやり方だ。 もちろんそれを実践するための最良の材料選択から、遊ぶことを考え抜いた設計思想があり、アダムなりの確固たるコンセプトを持っている。
 
なぜ彼にバイクをオーダーしたのか。 ここで私のライドスタイルについて少しお話しさせてもらう。
 
シクロクロスのレースに出るようになったことや、ラファジェントルマンズレースを経験したことで、自分自身のライドの価値観は大きく一変した。 舗装がされていようがされてなかろうが、その先に良い景色や素晴らしい瞬間が待っているんじゃないかという嗅覚を頼りに、ペダルを踏んでいる。 だから引き返すとか、回り道はせずに、ここだと思ったところへ入っていきたいのだ。
 
それでいて私は車を持っていないので、ライドとなれば家から舗装路を走り、近くの山の中へと分け入っていく。 ロードバイクでも不可能ではないが、少し心もとないし、無論マウンテンバイクでは距離を稼げない。 そうして1年のほとんどをクロスバイクに跨り、行く先々に応じてタイヤを履き替えることが多くなった。
 
そんな自分自身のライドスタイルには、彼の土臭いバイクが間違いなくフィットすると思ったのだ。 もし今持っている複数のバイクを1台に絞れと言われたら、間違いなくこの手のバイクを選ぶだろう。 だから私は彼にモンスタークロスをオーダーすることにしたのだ。 (もちろん、ショーで実際に彼の作ったバイクを見て完全に心を奪われたからだというのも言うまでもない。)
 
 
滞在中にコツコツと用意しておいたパーツを引っ張り出し、シムワークスUSAオフィスを構えるキング社内のサービス部門(製品のメンテナンスやワランティ対応、スタッフのバイクを整備する部門)のピットを借りて、アッセンブルをさせてもらった。
 
 
組み上がったバイクで早速近所のシングルトラックへと繰り出す。 その感触を丁寧に確かめるように。 自身の体の寸法を伝え、乗り手に合わせて設計されるフレームは、まるで今までも慣れ親しんで乗ってきたバイクかのように自然と体にフィットし、ついペダリングにも力が入る。
 

 
このバイクはクロスレーサーではないので、パーツの重さは気にせず、トラブルと無縁な丈夫なものを。 ホイールはクイック仕様だった手持ちのR45 Discをアクスル交換し、スルーアクスルに。 その性能はもちろんですが、こういった対応力の広さもクリスキングハブの特徴。
 

 
舗装路でのアクセス+グラベル探検という自分の乗り方にピタリとハマるタイヤといえば、手前味噌ではあるがシムワークスのタイヤ/オマージュ700x43cである。 今回バイクをオーダーする際にアダムに唯一お願いしたのは、このタイヤを呑み込むクリアランスであることだ。
 
ちなみに、27.5×2.2″のタイヤも呑み込むので、冬になったらもう一本27.5″ホイールを組んで、山の中に遊びにいこうと策略している。 ちなみに、アダムがPAUL CAMPで披露していたバイクも同じコンセプトだ。
 
 
ラウンドトップのチューブは、曲げるためにプレーンなチューブを用いるので、少し重量は重くなるが、逆に硬いバイクになるので踏めば気持ちよく進む。 それにこんなに美しいバイクが仕上がるのであれば、そんなことは全く気にならない。 このバイクを走らせた瞬間にそう感じた。 あとはどこへ行くか、どんな遊びをするかでタイヤを履き替えればいいのだ。
 
 
こうして心強い相方を手に入れたので、この冬はまだ踏み入れたことのない新しい世界に飛び込むのが楽しみでならない。
 
もし、1台で全て遊び切ってしまおうと考えている方は、彼のバイクを選択肢に入れていただければ幸いである。
 

 

Sklar Bikes – スカラー バイクス( http://sim-works.com/sklar/)
 
ソルトレイクで開催されたNAHBSでは若干24歳にしてベストマウンテンバイク賞を受賞した、期待の若手フレームビルダーこそ、Sklarbikes / スカラーバイクスを主宰するAdam Sklar / アダム・スカラーである。
 
名だたるビルダーも多いコロラド・ボルダー出身の彼が、幼少の頃から自転車に跨り走り回って来た彼の経験を元にモンタナ州はボーズマンを拠点にフレームを作っており、それらはシクロクロス・オールロードバイク/マウンテンバイクといったダートでのライディングにフォーカスしたもので、1本1本彼の工房で手作りで製作される。
 

CX / All Road Custom Frame
MTB Custom Frame

 
【価格】カスタムフレーム(CX/ALL ROAD & MTBともに)

・無塗装 クリスキングヘッドセット込:370,000円(税抜)〜
・シングルパウダーコート クリスキングヘッドセット込:398,000円(税抜)〜

【納期】現在、約6ヶ月となります。
 
まずはお気軽にご相談ください。 あなたのライドスタイルや、新しいバイクでやりたいことなど、
一つずつご相談しながらあなただけのバイクを作るお手伝いをいたします。

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Ikeyama Toyoshige
池山 豊繁

Circles / SimWorks / CWD 学生の頃のメッセンジャー・サークルズでのアルバイトを経て、今に至る。 サークルズスタッフ最年少を公言していたが、今ではニュージェネレーションも加わり古参の存在。 でも身長は最小です(#163cmですがなにか)。 CXレース経験もありますが、今はのんびり瀬戸のグラベルを走ったりするのが専らで、過去の面影はどこへやら。自転車で釣り場にアプローチするBikeToFishingのスタイル研究にも余念がない。
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