SKLAR BIKESに乗り始めておおよそ4ヶ月程。
トレイルやバイクパーク、OMM BikeとMTBで楽しめる場所に行く度に、自然の中に身を投じて走る事が楽しい。 そう思えるバイクに出会うことができました。
思い返すと、サークルズに入って間もなく。
今までに行った事のなかったいわゆるバイクパーク、富士見パノラママウンテンコースに行ったことがMTBを手に入れようと思った直接的な要因かもしれない。
元々、舗装路でも未舗装路でもすっ飛ばして下るのが好きだった僕は、次は山を、そして土の上をすっ飛ばして下れるバイクが欲しいなと感じていて、次に手に入れるならばMTBだろうとは考えていたので。 バイクを選び始めるのにそう時間はかからなかった。
CirclesではMTBの選択肢は多く用意されていて、KONAに始まりRITCHEYやSANTACRUZ、SURLYやALL-CITYといったマスプロダクションは勿論、RETROTECに始まりSYCIPなどカリフォルニアの土臭いビルダーによるハンドメイドバイクも案内できる。
そんな中で、僕がAdam Sklarの作り出すMTBを選んだのは、彼のバイクから発せられる気品に満ちた佇まいや、SKLAR BIKESのポイントであるラウンドトップの得も言われぬ妖艶さに魅せられてしまったが故の純粋なる物欲を刺激された事は勿論、何よりも僕自身がビルダー、アダム・スカラーと年が近く親しみを持てると感じた事が一番の理由。
そして彼のバイクライフはMTBが主軸にあり、きっといろんな遊び方をしてきた上で今自転車を作っているのは間違いなくて。
彼が普段よく乗っているクランカーにも遊び心というか何か爆発的な物を感じられてその何かを信頼してバイクを頼んでみたいと思ったのだ。
オーダーをしてからいく日か過ぎた頃、彼がinstagramに僕のオーダーしたフレームをアップした。
繋ぎ合わされたパイプから作り出されている造形を見てとても興奮した。
想像していた上をいく美しさ。
僕のバイクになるんだという高揚感も確かにあるのだが、画像を見ただけでこれは最高にいいバイクだ。という確信を得た。
なにせトップチューブからシートステイへの流れが本当に美しかったのだもの。
それから数週間。
名古屋のCircles社屋に届いた箱からそれを引っ張り出した時の興奮たら無い。届いたらすぐにKyutai Paintにて塗装をお願いし、塗りあがったフレームにひたすら感動した。
やはりロゴが入ると自転車が引き締まる。
そして用意していたパーツを一つずつインストールし、お待ちかねのシェイクダウン。 春先の山で少し冷たい風と地面を踏みしめる音を聴きながら最高の時間を過ごした。 初めて乗ったバイクとは思えない安心感を抱きながら。
この安心感は、もちろん自分自身の身体に最適化されて作られたものだからというのが大きいのだが、昨今の肥大化し続けるタイヤ事情によって得た27.5×2.80を呑み込むタイヤクリアランスのお陰もあるだろう。
そして、バイクのスペックとして良いと思ったのは、ボトムブラケットをT47規格にしたことより足元に高い剛性を得られた事。
しっかり踏み込んでも必要以上の”しなり”がなくバランスが取りやすい。
体重をしっかりと預けられる事の良さを実感する事ができた。
そしてこの大きなクリアランスと軸系統の堅牢さのお陰で今年のOMM Bikeでは29erにインチアップして白馬の山中を駆け抜けることができた。
そう、僕がアダムにオーダーするにあたって注文をつけたのは、29erコンパーチブルとダウンチューブ底面にもボトルケージ用ダボをつけて欲しい。
この二つだけである。
あとはアダムにお任せした。
いつかはMTBでツーリングをと思い、この仕様をオーダーしたのだが、思ったよりも早くこの仕様で走れることになったのは嬉しい誤算だったし、良き相棒としてさらなる信頼を置けることとなった。
Frame | SKLAR BIKES | 27.5+ MTB – 29er compatible – |
Fork | ROCK SHOX | PIKE Act.3 27.5 140mm |
HeadSet | CHRIS KING | NTS Tapered 1.5″ |
Crank | RACE FACE | SIXC Crank |
BB | CHRIS KING | T47-30x |
Hub | CHRIS KING | ISO Boost Hub 32H |
Rims | WTB | SCRAPER i45 |
Handle | THOMSON | Trail C Handle Bar |
Stem | PAUL COMPONENT | Boxer Stem 35mm |
Seatpost | THOMSON | Elite Dropper Seat Post |
今回、この自転車をオーダーするにあたって大切にしたのは、長く付き合い切れるバイクであるということ。
MTBなどのアクティビティーバイクでは、場合によっては壊れるといったトラブルも考えられるし、もちろんそんな時には”直す”ことができるのが、スチールフレームの良いところである。
もちろん、今はこのバイクでとにかく山の中を駆け回りたいと思うのだが、もしそんな中でこのバイクを壊してしまっても、もしくは身体的な理由によりそういったアグレッシブなライドができなくなったとしても、簡単なツーリングや普段の生活を送るためのクルーザーとしての役割を担ってもらったりと、使い続けていく上でのいろんな可能性があると思う。
そういった美味しい余白を作ることやそうして乗りつづけて行きたいと思えるのもハンドメイドバイクの魅力だし、カスタムバイクの存在する理由の一つではないだろうか。
こうして僕は、一生モノってやつを手に入れたのだ。