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【紅葉ライド 冠山峠編】足を止めるな!ペダルを回せ!

昨年の秋、ふとしたきっかけで岐阜県揖斐町と福井県越前町を跨ぐ、高倉峠を走った。岐阜県の大垣駅から北へと向かう樽見鉄道に乗り、岐阜県本巣市根尾樽見にある終点の樽見駅まで輪行。 (ちなみ駅からほどない場所には、根尾の淡墨桜という樹齢1500年以上となる1本桜があり、春はたくさんの観光客が訪れる。)
そこから高倉峠を目指し、越前町を抜け、最後は敦賀市まで。 途中で通過する徳山ダムの湖畔では、美しい紅葉が見ることができたのだが、峠の上は既に見頃を終えてしまっていた。 今年こそ、その頂上で紅葉真っ盛りの山々を望みたいと思っていたのが、夏の豪雨で土砂崩れがおき、高倉峠への道は閉ざされたままだった。

しかし、それでも「あの場所で最高の景色をみたい!」という強い気持ちがあったため、今年は似た景色だと予想できる、その隣の冠山峠へと目的地を変更した。またその峠は徳山ダムから北へと向かうため、最終目的地を越前市武生駅とした。そして峠から冠山へと続く登山道があることを知ってからは、YAMAPで登山者の方々がアップする画像の様子と天気予報のチェックが日課となった。
予定日は昨年より2週早い、11月2日の水曜日に決定した。

( *昨年の様子はこちらの記事、【Someday, I’ll be there】高倉峠編 で確認頂けます。)

名古屋から大垣、そして樽見鉄道の輪行

当日、6:44分発大垣行き新快速に乗る予定だったけれど、その予定より2本早い電車に乗って大垣着。樽見鉄道に余裕を持って乗り換え、終点樽見駅を目指す。

単線の鉄道には出勤、通学の利用者も多く、自転車の入った輪行袋を持った僕らは途中まで少しだけ肩身の狭い思いをする。 でも、両替の方法を教えてくれたり、自転車の置く場所を気遣ってくれる学生さんがいて、心がほっこりする場面もあった。 ちょうど樽見まであと半分くらいまで進むと車内はほぼ僕らだけに。それからはのんびりと車窓の風景を眺めながら樽見駅へ到着。ようやくライドのスタートとなる。

馬坂峠を越えて徳山ダムへ

樽見駅を出発し、157号を北上、県道270号へと入り、馬坂峠を登る。小さなトンネルが峠の頂上。そこを抜けるの徳山ダム湖が見えてくる。

昨年、高倉峠へ向かったときは、この段階で辺りの木々は赤や黄色の色鮮やかな装いを纏っていた。しかし、今年はまだまだこれからと言った感じ。標高が高くなる冠山峠への期待は高まるばかりだ。
しかし、薄らと色づいた山々やキラキラと光る湖畔の景色は美しく、これもまた最高だった。

幾つも連なる湖畔のトンネルに去年は飽き飽きしていたが、今年は何故だかそこまでストレスを感じることなく走り切る事ができた。

林道冠山線へ

湖畔の最端に辿り着くと、その先は林道冠山線、いよいよ冠山峠への登りが始まる。

道幅は、車が一台通れるくらいに狭くなる。木々に覆われた道を過ぎると遠くに冠山がその姿を表す。その袂を抜けるのがこの林道だ。湖畔から約10km、獲得標高約600m、数字だけ見れば頂上まではさほど遠くない。そう、数字だけ見れば…。

「足を止めるな!ペダルを回せ!」

「足を止めるな!ペダルを回せ!」
それは一緒に走った仲間を、ましてや自分を鼓舞するためのものではない。 でも、そうやって言い聞かせていないと全くと言っていいほど先へと進めないのだ。

けれども、少しペダルを回せば一変する景色に目を奪われ、「おぉ〜!」なんですぐに立ち止まる。

そんな事を繰り返しながら、高倉峠と冠山峠の分岐点となる才の沢峠へ到着。峠の頂上へと少しづつだがだいぶ近づいてきているのだが、この先、さらに僕らのペースはグンと遅くなる。

頂上は、予想を遥か上をいく遠さだったのだ…。

「うねうねと曲がりくねった道」なんて同じ意味の言葉を重ねたくなってしまうような道をすすむのだが、そのカーブを曲がる度に景色が一変する。 同じものを目にしていたとしても、それも別のものに見える。遠くには湖畔を走った徳山ダム湖も見え隠れする。


行く先を眺めては来た道を振り返る、その繰り返しだ。

やっとの事で頂上に到着だ。頂上はさほど眺望が良いわけでは無いので、とりあえず達成感を味わい、お昼ご飯とは言えないほどの補給食を食べて一休憩。 これまでの景色を見ているとカメラのシャッターを押すきが起こらなかったのだが、岐阜県とお別れをして福井県側を下り始めると、そこには岐阜県とは異なる景色が飛び込んでくる。
昨年

長い長いダウンヒル

この日、天気は良かったのだが、空には厚い雲がところどころに浮かんでいた。それが太陽を覆う目の前の景色の色を一瞬にして塗り替える。そのコントラストがとても印象的でもあった。

岐阜県側を登っているときはガードレールがない事が、目に映る景観に美しさを際立たせるのだが、くだりでのそれは走るペースを落とす要因となる。ついつい景色に見惚れているとヒヤッとする場面もあり、立ち止まる事が多くなってしまう。そして結果的にその時その時の景色を堪能する事になるのだ。

たまに出会うガードレールはひしゃげているのだが、これはどうやら雪崩の影響らしい。雪崩って凄い…。

長い長いくだりを終えると今回のライドも終盤を迎える。なだらかな下りとフラットな道をリッラクスした気持ちで爽快にペダルを回す。途中立ち止まり、後ろの山々を見ると「あの山を越えてきたんだなぁ…。」なんて感慨深く思ってみたりもするが、既に来年のルートをイメージしていたりした。

来年のライドに思いを馳せる

実はこの日のルートは2つ用意してあった。
一つは越前市にある武生駅から輪行して帰るルート。もう一つはここから今庄へ向かい、昨年高倉峠から向かった旧北陸本線トンネル群を走り、敦賀駅から輪行で帰るルート。
距離も獲得標高も変わってくるのだが、どちらを選択するかは峠を越えてひと段落してらから決めようと思っていた。

この日は、峠を越えた達成感と様々な景色を堪能できたことで満足した感じもあったので無理はせず武生駅から帰ること選択をした。 電車の遅延などあったが、特急シラサギに乗って18時半頃に名古屋駅に到着。 この日のライドは終了となった。

やはり秋のこのライドは癖になるなってしまう。
また、昨年のように旧北陸本線トンネル群まで足を運び海もみたいなぁと、もう既に来年のことも考えている。

今回のルートをRide With Gpsにアップしているので気になる方はチェックしてみて下さい!

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柳瀬公識

サークルズ歴と自転車歴はだいたい同じ。 通勤をメインに自転車を利用するようになり、それまで車や公共交通機関を利用して足を運んでいたいろんな場所へ自転車で赴くように。 それからメッセンジャーなども経験しつつ、今ではロードバイク・マウンテンバイクと様々なアクティビティを楽しんでいる。
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