来店予約はこちら

東京から1時間半の非日常空間。北富士演習場グラベルライド!

こんにちは、Circles Tokyoの吉本です。

突然ですが北富士演習場って知ってますか?

山梨県の富士吉田市と山中湖村にまたがるエリアに位置し、陸上自衛隊が各種の軍事訓練や実弾射撃訓練を行うために設置された広大な敷地となっています。

東富士五湖道路の山中湖ICから車を降りてすぐ。東京から車でわずか1時間半名古屋からも3時間ほどでアクセスできる立地でありながら、その敷地面積は約4,600ヘクタール。東京ドーム約1,000個分という、想像がつかないほど途方もないスケールを誇ります。

演習場内にはアスファルトの舗装は一切無く、グラベルが広がっているという情報をキャッチ。
東京に引っ越してからずっと行ってみたかった場所でしたが、後述のハードルの高さから、なかなかいくことができなかった場所でした。

今回、珍しく平日の立ち入り日があり、やっと行くことができました!

なぜ、我々一般のサイクリストがそのような場所を走ることができるのか。
歴史的な成り立ちと、そこへ足を踏み入れるための前提となるルールも含めてご紹介していきます。

なぜ北富士演習場には入れるのか?

北富士演習場は他の演習場と同じく普段は立ち入りが厳格に管理されていますが、富士山の裾野に広がるこの場所には、広大なグラベルが広がっています。

そもそも、なぜ自衛隊の施設に我々一般の人間が入れるのか。少し歴史的な背景を紐解いていきましょう。

この土地はもともと国のものではなく、地元自治体の共有財産である恩賜林(おんしりん)と呼ばれるエリアなのです。

その広大な土地を管理する恩賜林組合が、国に土地を貸し出しているという構造を持っています。

そのため、地元の方々が山林の維持管理や山菜採りなどを行う権利が担保されており、国は定期的にゲートを開放する立ち入り日を設けているのですね。

この土地の成り立ちと独自の権利関係があるからこそ、我々サイクリストも定められたルールと手続きに則ることで、特例的に足を踏み入れることができるわけです。

入山方法と立ち入り日

先ほどの恩賜林組合が国に貸し出しているという構造があるため、この演習場はいつでも自由に走れるわけではありません。

自衛隊の訓練が行われない日、原則として日曜日や祝日などに、地元の方々の活動を保障するための立ち入り日が設定されます。

我々サイクリストがこの日に立ち入るためには、事前に入山鑑札という許可証の発行手続きが必要です。

ここで注意していただきたいのは、申請窓口が自治体の役場ではなく、先ほど触れた恩賜林組合役場になるという点です。

鑑札自体は500円で発行でき、一度取得すれば2ヶ月間有効となります。

しかし組合役場の窓口は基本的に平日は8時半から17時15分まで。

土日祝日は、朝のごく限られた時間を除きパトロールに出るため開いておらず、当日の鑑札発行のハードルがかなり高くなります。

そのため、週末の立ち入り日に走りたい場合以下の点に気をつけてください。

・平日の役場の稼働日を狙って代表者がメンバーの分をまとめて事前申請しておく。

・余裕を持ったスケジュールで現地に赴き、窓口の開いている時間を逃さない。
この2つが最も確実な方法となります。

少し手間に感じるかもしれませんが、この土地の成り立ちと権利関係を理解すれば、当然のルールであることがお分かりいただけると思います。

地元の方々が長年守り続けてきた山林の枠組みにお邪魔させてもらうという意識を持ち、定められた手続きを正確に踏むこと。それが、我々がこの特別なフィールドを持続的に走らせてもらうための重要な前提条件となります。

今回は珍しい平日の立ち入り日で恩賜林組合役場も稼働していることから、鑑札の発行は時間に縛られず到着してから行うことができました。

いざ広大なグラベルへ

手続きを終えれば準備万端。今回は恩賜林組合からすぐにある、北富士演習場の北西に位置するゲートから入りました。

ゲートを超えた瞬間に広がるのは、富士山麓の雄大な景色と圧倒的なスケールのグラベルです。その迫力に参加者全員が圧倒されたようで、無意識のうちにいつもより早いペースでペダルを踏み込んでしまいます。

進めども進めども広がるグラベル。まるで海外のグラベルを走っているような錯覚さえ起こします。見渡す限り広がる草原とアップダウンが繰り返される道はさしづめUNBOUND GRAVELの様相。

演習場内は大きな道と、そこから逸れていく小道によって構成されています。大きな道は機材の運搬などに使われているのであろう、細かい砂利のハードパック。

一方の小道は、火山性の溶岩や踏み固められた土、はたまたガレ場やキャタピラ跡が残る戦車道など、演習場の特性上、様々な路面状況が現れるのも魅力の一つです。

場内は富士山を中心とした円錐状に広がっているため、富士山方向への道は常に斜度があります。入り口から富士山側の標高が高い道までの標高差は約350m。

直登すると、7〜10%くらいのグラベルがずっと続くようなレイアウトです。今回はマップ真下の大道堀に向かって、直登方向と横移動を繰り返しながら進み、徐々に標高を上げていきました。

突然の天候急変と山の洗礼

途中、機動路という見慣れない文字が入った看板や、弾痕が残る射撃練習の標的などにも遭遇。
ずっと雲がかかっていた富士山も一瞬だけでしたが綺麗に見ることができました!

が、しかし….

ライドが始まって約1時間半ほど経ち、たどり着いた最高標高地点。ここから始まるグラベルの下りにワクワクしていた気持ちとは裏腹に、急速に天候は大荒れ模様に。

1mmの小雨という天気予報はどこへやら、ゲリラ豪雨のような雨量の雹(ひょう)が降ってくる事態に陥りました。

もちろん演習場内に避難できるような場所があるわけもなく、手や顔に雹を浴びて赤く腫らしながら、凍える身体で一目散に麓まで駆け下りました。

そう、ここは標高1000m以上の山の上なのです。自転車の修理道具はもちろんのこと、コース上には自動販売機はおろか、水場もトイレも、雨風を凌ぐ場所すら一切ありません。

大自然を相手に「完全な自己完結」が求められるフィールドであることを、身をもって痛感させられました。

冷え切った身体をCYCLのサウナで温める

本来であれば、ライドの締めくくりに忍野八海の澄み切った湧水群に立ち寄ったり、周辺のローカルな食堂を組み込んだりと、富士北麓の魅力を堪能する予定だったのですが、今回はあえなくキャンセル。

雹と雨で芯まで冷え切った身体をどうにかすべく、駆け込むように山中湖近くにあるサウナ施設CYCLへと向かいました。

セルフロウリュが可能なサウナ室で体の芯から温まり、富士山の天然地下水の水風呂で体を締めたら、さっきまでの悪天候が嘘のような富士山の眺望を望む、インフィニティチェアの外気浴で整います。

ライドの締めとしては最高の体験ですね!


事前の情報収集とルールへの理解、そして環境の特性に合わせた確実な機材の準備。それらを踏まえれば、東京からわずか1時間半のアクセスで、国内では類を見ないスケールで多種多様なグラベルを体験することができます。

今回は天候の急変という山の洗礼を受ける形になりましたが、予測不可能な自然環境の中で道具をいかに確実に機能させ、どう対処するかを実践すること自体が、自転車という乗り物を使い込む上でのリアルな醍醐味でもあります。

「興味はあるけれども、情報が少なく一歩踏み出せなかった」というお客様もたくさんいらっしゃいましたので、是非、参考にしていただき遊びに行ってみてください!私もリベンジしたいと思っております!

アバター画像

よっしー
吉本 直史

京都出身でセレクトショップに就職後気がつけば名古屋に。球体の重力には逆らえず気がつけばペダルを漕ぎ、気がつけばお気に入りの服が油にまみれる日々。服・音楽・家具etc色んなことにいっちょ噛みする性格は生まれ持った性分。日々日々散財の生活をしております。
吉本 直史の記事一覧