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【北海道漫遊記2026】道東Ride Day 1

E.Z.O、そして道東へ

今年も行ってきました、E.Z.O / Enter Zone Outdoor

昨年は津波の影響で敦賀発のフェリーがまさかの欠航、八戸まで人生初の1000km越えドライブだったことが思い出されます。

今年はちゃんまいと2人、無事に敦賀〜苫小牧東のフェリーに乗ることができました。行きも帰りも出店者の方々が一緒だったこともあり、電波圏外の船旅が楽しいデジタルデトックスの旅となりました。

ちなみに、フェリーでは何組かの出店者さんと一緒になったこともあり、深夜の乗船と同時に乾杯。翌日はカラオケで盛り上がったりとこちらも良い思い出となりました。

イベントはこの時期の北海道には珍しく、生憎の天候にも関わらず、昨年以上の盛り上がりとなりました。

もちろん、BEDROCK SANDALSもより多くの方に紹介することができ、その品質の良さ、履き心地なども気に入っていただくことができたのではないかと思っております。

また、2日目の日曜日の朝に開催されたSAM’S BIKEさん主催のグループライドも、小雨降る中の開催でしたが、蒸し暑い気候の中でむしろその雨が非常に心地良く、快適に走ることができました。
そして札幌という土地の懐の深さを知ることのできる、充実したライドになったと思います。

SAM’S BIKEさんはもちろん、今年は出店していた函館のCHILLNOWAさんにも本当にお世話になりました。

熊スプレーと、二日間の始まり

2日間のイベント後はちゃんまいと共にいざ、道東へと車を走らせました。

ちなみに、彼女のブログにもありましたが、僕も一緒に mont-bellオホーツク小清水店さんで万が一に備え、熊スプレーを借りることにしました。

ライドルートは大まかにしか決めていませんでしたが、グラベルを求めて森の中に入って行くことは最初から決めていました。

また、昨年の北海道ライドをアテンドしてくれた人達の「備え」に対する切実さを身にしみて感じていましたので、やはり熊スプレーは携行しておかなければならない。そう思ったのです。

屈斜路原野ユースホステル

斜里の道の駅で知床へ向かうちゃんまいとは別れ、予約してあった宿、屈斜路原野ユースホステルに向かいます。

僕は、予定を細かく決めず、火曜と水曜の二日間はとにかく気の向くままに走りまくりたいと思っていました。

どこまでも続くグラベル

初日の火曜は、まずは弟子屈原野(てしかがげんや)エリアの摩周林道へと向かいます。

とりあえず宿を出発した段階からすぐ、僕らが日頃目にする自然の風景とはその広大さが異なることに感動します。

目にするものすべてが、限りなくどこまでも続いているように感じるのです。

もちろんその”限り”が目に見えるのですが、”どこまでも続く”そう思えてしまうほど広大なのです。

それは林道に入ってからも同じです。

真っ直ぐに伸びる林道。
時にはカーブがあったり、別れ道もあったりするのですが、それを越えると、さらに真っ直ぐと続くのです。

その道はしっかりと踏みしめられていたり、時に柔らかであったり、砂利がゴロゴロと転がっていたり、似たように見える道でも、実際の走り心地は全く異なります。

そして、時折草花で覆われていたりもするのですが、それはとても美しく、一時の安らぎを与えてくれました。

ルートが厳しいというわけではないのですが、延々と続くグラベルロードは少しずつ体力を奪って行きます。

その広大さゆえ、どこからともなく野生動物、熊が飛び出してくるのではないかという緊張感があり、神経も少しずつすり減って行きます。

こんな広大な自然の中で一人ぼっちの状況は、やはりとても心細くなる瞬間があります。

森の中で歌う

そんな時にはフェリーでのカラオケを思い出しながら大きな声で歌を歌います。それは熊に自分の存在を知らせるためでもありました。

「I’m knockin’ on your door いつもすぐせめぎ合う lonely…♪」

ふと思い立ち、フェリーでのカラオケの最初に歌った懐メロを、北海道の森の中でも歌い始めました。とは言え、歌詞もほぼ覚えていないので、すぐに他の曲に移りました。

ただ、歌い続けるのは疲れるので、次第にそれは歌ではなく、ただ大きな声を出すだけになって行くのでした。

長かった林道を抜け、一度舗装路を横切り、さらに未舗装路を進んで行くのですが、ここからはそれまでの林道とは景色がガラリと変わります。

湿度90%の森

道幅は狭くなり、いわゆるシングルトラックのような雰囲気に。森の中を走ったり、森と牧草地の境目を走ったりします。

目に映る景色は新鮮で気持ちもまた高揚してくるのですが、予想外のアップダウンで、徐々に足を削られていきました。 そして、自転車を下りて押し歩かなければならないポイントも幾つか現れます。

そんな場所では小川が流れ、板や丸太の橋が渡されています。
時にはぬかるんでいる場所もあり、足をとられて泥だらけになったりもしました。

この日の最高気温は28度。
数字だけ見るとそこまで厳しい暑さではありません。
しかし、湿度が90%とかなり高く、まとわりつくようね蒸し暑さでした。さらに、このルートを走り始めた頃から、それまで隠れていた太陽が、雲から顔を出し始めたのです。

カメラのファインダーを覗くとぼんやりとした景色が見えます。ファインダーが曇っていたので軽く拭き、あらためて覗いてみるとまだぼやけているではないですか。 どうやらファインダーだけでなく、レンズフィルターまで曇ってしまっていたようです。

これまでも、身体側にあるファインダーが曇ることはありましたが、レンズフィルターまで曇るという経験はなかなかありませんでした。

森の中、草木が覆い繁り小川が流れている。風の通りも少ない場所ではさらに湿度は高かったのでしょう。

それなりに過酷な状況で、いつも以上に体力が奪われていくのも納得です。

気付けば、いつも以上のペースで水を飲んでしまい、ボトルの中身も残り僅かになっていました。

普段のライドでは、夏でもそこまでたくさんの水分の補給をせずとも走っていたので、ボトルは2本あれば必要十分だと思っていたのですが、それが全くの予想外のことでした。

辛い状況ではありますが、ここまできたら選択肢は「進む」しかありません。 たくさんの汗をかきながらもペダルを回し、時には歩を進めて行きます。

救いの手

ようやく舗装路に出て、電波もそれなりに入る場所まで辿り着きました。 近くに何かないかと検索してみると、温泉宿はあれど、コンビニは一番近くても15kmほど離れています。

そこまでもつのかが不安だったので温泉宿の方へと向かってみました。

しかし、自動販売機がある気配もなければ温泉宿にも入れそうな雰囲気ではありません。

どうしようと頭を抱えていたら、その施設から段ボールを抱えた男性職員さんがでてきました。 とりあえずその男性の方へ近づいて行き、自動販売機や何か購入できる場所がないか聞いてみるとこの近辺には全くないとのことでした。

「うわぁ〜、マジっすかぁ〜…。」と頭を抱える僕に、なんとその方が「職員用の自動販売機が施設内にあるから、買いに行こう」と声をかけてくれました。

その瞬間、本当に救われた気持ちになりました。

施設内で十分に水分を補給させてもらい、しっかりと感謝を伝え、その場を後にしました。

とはいえ、この先のことを考えるとまだまだ不安です。まずは、その場から一番近いコンビニエンスストアへと向かいました。

水分と補給食をしっかりと補充し、次の目的地へと向かいます。

霧の摩周湖を目指して

正直に言うと、この時点でそれなりの時間になっていましたし、約40kmの未舗装路のルートで割とお腹いっぱいになっていたのですが、せっかくの時間なので有効に使いたいと思いペダルを回し始めました。

どこまでも続く畑の中を真っ直ぐに走る道を抜け、山間へと進んで行きます。

周りの木々は高くなり、景色は変わるのですが、真っ直ぐと続く道に変わりはありません。

しかもそれが緩やかな坂になっているのです。
緩やかな坂にも関わらず、微妙にその斜度が変化していくため、登っていることが分かりにくいのです。

ふと気づくと平坦な道を走っているような錯覚に陥り、「なぜ平坦な道なのに思うように進まないのだろう…」そんなストレスが僕の心にのしかかってきます。

上り坂だとはっきり分かる方が気持ち的には楽になるんですが、肉体的にはそうはなりません。都合の良い話はないので、淡々とペダルを踏み続けます。

こんな道を走ってどこへ向かっていたかというと「霧の摩周湖」でした。

裏摩周展望台へ登ってみます。やっとの思いで到着し、展望台から観たその景色はまさに絶景!
とはなりませんでした…。

展望台前の木々の背が随分と高かったことで、その姿は僅かな隙間やその上から覗くような形でしか見ることができません。

ただ、そうは言っても、霧のかかった摩周湖は幻想的な風景でした。 そして、ここまで苦労してきた達成感もあったので、来たことを後悔することはありませんでした。

ここまでの道のりを思い返し、むしろそれに満足すらしていたのです。

さて、ここからは来た道を戻って宿へとペダルを回します。

逆から走ってみると、平坦な箇所はどこにもなく長い長い真っ直ぐな下りが続いているのがよくわかりました。

登りではどうしてあんな風に思ってしまったのだろうと、自分自身に少し悲しくなってしまいました。

少しだけグラベルを走り、弟子屈の街へと到着すると宿まで残り10数キロです。

時間は19時を回っており、晩御飯を食べるとするとこの近辺だけなのです。20時を回ればどのお店も閉じてしまいますが、何よりもお風呂に入りたかったので食事はその後車で買い出しに行くことにしました。

しかし、お風呂から出て、車でセイコーマートへ向かうとHOT CHEFの製品は全て完売しているじゃないですか。
楽しみにしていたのに…

がっくりと肩をおとし、適当なものを買って宿へと戻りました。

僕以外の宿泊客の方々は既に就寝されていたので、暗いロビーで缶ビールと食事を済ませ、1日目が終了となりました。

ユースホステルの夜

そして、この日の出来事をもう一つ。

僕のSNSを見てくれていた人はご存知かと思います。

僕が宿泊したのはユースホステル。4人用のドミトリーでした。
到着した初日は満室でしたが、それぞれチェックアウトして行ったので、くたくたになりながら部屋に戻る時、人数が少ないといいなと思っていました。

緊張気味に扉を開けると、部屋にいた宿泊者は1人だけでした。

その方は電話をしていたのですが、僕が扉を開けるやいなや、電話先に「相部屋の人がきたから」と話を中断し僕に挨拶をしようとされました。

電話を中断してまで…と思った瞬間のことです。

「My name is…」

一瞬耳を疑いましたが、すぐに気付きました。

「あ、僕、日本人です。」

その方は電話先の方に「海外の人かと思ったら日本人だった。」と告げ、すぐに電話を切って僕に平謝り。あまりに申し訳なさそうにするので、僕自身も申し訳なくなってきてしまいました。

その方は九州からバイクツーリングで北海道まで来ていたのですが、仕事のトラブルがあったようで、翌朝九州へと帰っていかれました。

その方が僕をどこの国の人だと思ったのか、そしてどのような仕事をしているのか。

どちらも聞けなかったのが、この旅の一番の後悔かもしれません。

北海道は、まだ終わらない

こうやってライドを振り返ってみると、北海道ツーリングの魔物に取り憑かれてしまっているのがよく分かります。そして、この辛い状況の内省もバイクツーリングの1つの側面であり、面白さと言えるでしょう。

そして、2日目はまた違った景色と出来事が待っていました。

その話はまた次回。

この日のライドのルートも共有しますので気になる人はぜひ詳細を確認してみてくださいね。

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柳瀬公識

サークルズ歴と自転車歴はだいたい同じ。 通勤をメインに自転車を利用するようになり、それまで車や公共交通機関を利用して足を運んでいたいろんな場所へ自転車で赴くように。 それからメッセンジャーなども経験しつつ、今ではロードバイク・マウンテンバイクと様々なアクティビティを楽しんでいる。
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