Text by Shinya Tanaka / Photo by Ryota Kemmochi
SEVEN CYCLESが考えるカスタムバイクにおける重要な5つの要素について
例えばカスタムバイクを作ろうと思い始めるということとは、私たちが始めて自転車にまたがり、自分自身を突き動かしたあの感覚、あの時感じた自由に対する喜び、そう2歳、5歳、10歳のあの頃に今まさに戻ろうとし始めていることなのかも知れません。
そして以下に上げる5つの要素は、私たちをその初期衝動時代へと真っ当に連れ戻し、恐怖心すら取り除き、新しい”自分”づくりに没頭させてくれるはずです。
ぜひご一読いただけましたら幸いです。
Element 1/適合性と快適性
まずは自転車の半分より上部を考えてみましょう。 サドルの位置、ハンドルバーに対するリーチの長さ、ハンドポジションの数、サドルのレール位置。これらの要素すべてが非常に大切であり、色々な方法で快適性を決定させる究極事項となります。ある人達には、ジオメトリーであったり、長さや高さがカスタムバイクビルディングの真骨頂であると言うのですが、Seven Cyclesにとってこれらの数字はただの始まりに過ぎないのです。
Element 2/ハンドリングと性能
次に自転車の半分より下部をみてみましょう。 ボトムブラケットの高さ、ホイールベース値、フォークレイク値、トレイル値などがあります。 自転車にまたがり、曲がりくねった下り坂をトマホーク・ミサイルのように走り、急勾配を勢い良く駆け上がり、集団走行の中で動き回る時、これらの値が決まることによってライダーがどのように感じるかが決定されるのですが、このような直感的なライド状況、つまりライダーが自転車に乗っている最中に生身で感じている事や、実際にどのように走りたいかをこと細かく説明してもらう事によって、具体的なデザインを提供するためのジオメトリーやチューブセットのさらなる加工調整をする事ができます。 これがフィットするという感覚以上の物を提供する要素であり、走る事により集中してもらうための要素でもあります。
Element 3/チュービングと素材
あなたの自転車をどのようにしたいかを深く考えた時、セブンは素材レベルから考え始め、あなたのライドにおける目的と快適性、そしてその性能に対して実際に感触の合うチューブセットをお勧めする事ができます。 彼らが作り上げてきた、さまざまな素材(チタン、カーボン、スチールなど)自体はもう既に洗練はされているのですが、その数ある中からのチューブ選択は当然のことながら、さらなる高度な技術(バテット加工など)を用いることによって、金属パイプそれ自体を人に合わせ再度改良する事によって、より正確で理想的な走りを実現させてくれるものになります。
Element 4/特色とオプション
オプションの選択肢が増えることによって妥協案などが頭から消えて無くなり、フェンダーやディスクブレーキの必要性を考えたり、あなたの長年培ってきたライド経験に基づいて自転車の隅々までを考えつくすことができる事でしょう。 また世界に無限に存在する色たちや特殊なペイントの配合調整すらも可能であり、また前後異なったホイールサイズ、フロントとリアのラック、デカールの場所や大きさ、そしてコンポーネントや部品の選択肢の全てがここ “オプション” に詰まっており、全てを取り込むことが可能になります。
Element 5/未来
今まさに、あなたがあなたのための自転車をデザインする時、その自転車が時と共にどのように変化をしていくのだろうかとセブンは想像します。 今はレースに熱心になっているが、後にツーリングをしたくなるかもしれないし、もしかしたら他の土地へ引越しをして、慣れない砂利道を少しづつ開拓したいと思うようになるかもしれないでしょう。 セブンはその変化に対する必要性を予期し、可能であるならばいつでもその適応性をそのデザインに組み込みたいと思っています。
アイデア、そしてどこかに行こうという気持ちがなければ、自転車という物なんて最初から存在しないのでしょう。
ただアイデアを考え始めることほど大変な事はない。でも何度もアイデアを頭の中で練り込み、最終地点を繰り返し思い描く。 それは物の最終形態や、一度は行ってみたかったゴールの風景。
そしてその過程を思う。
フレームのデザインが作られる。
チューブが切断される。
溶接トーチがまばゆく光り輝く。
スコッチブライトの往復。
アイデアと創造、考え抜くことによって最高の物が出来上がるのです。そしてアイデアの核心は何が必要なのか、そして次にどこへ行きたいのかという中にある。
自転車の全てはこれから旅をするであろう道の中や、走る事に必要な知識の中に含まれている。
速くなるだろうか?
快適な乗り心地になるだろうか?
こんなホイールはどうだろうか?
あんなハンドルバーはどうだろうか?
あなたのアイデアとは?
そしていつ一緒に作り始めようか?
To be continued next FEATURE…