先日紹介したWombatに続くCRUSTのフレーム入荷第二弾はLightning Bolt Canti!
CRUST BIKES Clydesdale Cargo Fork も大量入荷したので店頭車体にひとつ組み上げたいと妄想で頭の中を掻き回している最中なんですが、クラストはフレームで買って自由に組み上げるのも楽しみのひとつ。スタイルばかりに注目が集まりがちですが、フレーム特性(ジオメトリ)を読み解けば、よりクラストのぶっ飛び具合や遊び心が見えてきます。
古くからあるカンチブレーキのランドナーをクラストはどう設計し直したのか
細かく調味料を足していくことで深みのある味を引き出す料理と同様に、従来のランドナールックスや1インチスレッドタイプといったクラシックな要素は残しつつも、フレーム設計に細かな味付けをして、乗った時に刺激を与えてくれるのが CRUST 。
どんな味付けをして新しい料理を生み出したのか、GSCで組まれた車体を見ながら少し具体的に図解していきましょう。
低いトレイル量と高めのBB、そして長めのチェーンステー それはつまり…
クラスト ライトニングボルトの特徴は、そのクイックさと安定感のバランスにあります。
まずは短いトレイル値。下の図の水色の部分の長さの事で、その長短でハンドリングやカーブの感触が変わってきます。
一般的なロードバイクは50mm後半から安定志向のフレームだと60mm前半が多いです。しかし、Lightning Bolt Canti はトレイル値がMサイズで37mmと低く設定されているため、ハンドリングの感触が軽く小回りが容易になり、カーブも素早く曲がることが可能となります。
次はBBハイトを見てみましょう。下の図の通り、地面からBB中心までの高さを指します。
メーカーなどで差はありますが、ロードバイクとしては高めに設定されていることから、停車時からの素早い加速を可能にしてくれたり、重心が高くなることでカーブなど車体を倒す時のクイックな反応を得れる刺激的な設計です。
クイック過ぎる設定をチェーンステー長でカバー
ここまで聞くとかなり癖があると思われそうです。刺激的すぎるバイクは安定性が損なわれて乗りにくいと感じやすいのですが心配ご無用。上図の通り、チェーンステー長というクランク中心から後輪の中心までの長さが長く設定されているので、土台となる前後のホイール間が広くなることで、バイク走行時の安定性を補ってくれています。
宇宙の無数の星々!? – ランドナーの新しいイメージ
勿論ルックスも抜かりないですよ。ギャラクシーブラックなんて大袈裟(?)なカラー名ですが、ただの黒でないことは、光が当たるとわかります。反面光が当たらないとシックなブラックに見えますね。フレームひとつで様々な表情を見せてくれます。
クラストバイクオーナーの Matt 自身のツーリング経験やBMXのバックグラウンドを生かして、既成概念を壊し、ルックスと乗り味どちらも魅力的なフレームは飽きが来ることはないでしょう。
CRUST BIKES Lightning Bolt Canti / クラストバイク ライトニングボルト カンチ
どうやって組む?パーツアッセンブルも無限の可能性を秘めています
クラシックなランドナースタイルに、クイックなジオメトリと攻めたカラーリングで刺激を加えたライトニングボルト。そんなコンセプトを読み取ってみると、やはり新旧パーツをミックスした組み方をしたくなりますね。正統派ランドナー的にダイナモライトをフェンダーを使ったりする一方、現代的にワイドレンジなフロントシングルにしたりと色々なアイデアが湧いてきます。
先のジオメトリ解説で使わせてもらったバイクはGSCで組まれたバイク。これがまた奇抜すぎず退屈すぎず、めちゃくちゃいいんですよ。
一方で、 SIMWORKS Cowcow Bar のように少しライズのあるハンドルを組み合わせて機敏なコミューターバイクとして組みたい夢もあるんですよね。
こうやって素のフレームが入荷して、組み方を想像しながら欲望のままに紹介していると、ついつい自分で買ってしまいそうになって怖いですね…こんな風に組みたい!というみなさんの妄想もぜひ聞かせてください。クラストはそういう想像力を掻き立てるブランドなんです。