Chris King Precision Components
Chris King Precision Components / クリスキング は、「Gen 4」と呼ばれる新しいハブシステムへの切り替えを発表しました。
この新しいハブシステムの主な変更点とは、共通化されたドライバーとアクスルを用いた全く新しいシステムになっていることです。
性能向上を主目的とした進化までとは言いませんが(あまり大袈裟に言いたくないのですが、重量は軽くなっています。)、Chris Kingのシグネチャーである自社製ベアリングやRingDrive™システムに変更点はなく、このGen 4では、メンテナンス性能が格段に向上し、アップグレードも、ドライブトレインの入れ替えの際にも簡単で、かつ低コスト化されているので、長期使用を前提として製造されるChris Kingハブを所有するためのコストの削減、そしてハブの寿命の更なる延長を意識的に狙った作りになっています。
以前のハブ内部のシステムデザインと比べると、今回紹介している Gen 4 システムへの進化は、全体的な性能とメンテナンス性において大きな変化を遂げました。前世代のハブは特許技術にもなっている、RingDrive™システムとニードルベアリングとを組み合わせて製造されていましたが、このシステムは2019年に廃止されました。この内部システムも非常に効果的だったのですが、製造が複雑かつ高コスト、また重量感があり、GEN 4と比べても20%強の摩擦抵抗があったことは紛れもない事実なのです。そして次に登場したツインベアリングシステムはこの摩擦抵抗を大幅に減少させましたが、採用されたこのデザインは、複数のアクスルと内部ドライバーボディの多様なバリエーションを必要としていたのはご存知の通りかもしれません。
しかしながら、このGen 4の新システム導入によって、Chris Kingが製造する全てのハブが、非常に合理的でとてもシンプルなので内部構造へのアプローチも簡単になり、加えて互換性能と効率性能を提供しつつ、Chris King社が誇る精度と耐久性をも維持することが達成できたということになります。
Greg Hudson / Chris King セールスマネージャーのコメント
サークルズでは毎月2度ほどポートランドにあるクリスキングとのビデオミーティングを繰り返しているのですが、セールスマネージャーのグレックハドソンから今回の進化に対するコメントをもらっているので以下に引用します。
「以前のハブのバージョンでは、SRAMや Shimano のドライブシステムなどの日々進化する社外技術との互換性を、クリスキング社の製造する特有の内部構造、そしてベアリングとのバランスを正しく取る必要が常にありました。しかしながら自社のコアシステムが安定したことで、ハブの内部システムを再考する機会も得られました。そこで、私たちのメインサポーターである、深慮深いサイクリストのために、自身の物事をより簡素化し、かつ製造を合理化するチャンスが訪れたのだと考えたのです。」
Gen 4 の具体的な改善点には以下の内容が含まれます
- 全く新しくなったドライバーとアクスルシステム
- ドライブシェルタイプの互換性向上と交換の容易さの提供
- 価格を下げたコンバージョンキット(変換キット)の誕生
- スレッド式ドライブシェルエンドキャップを採用したことでSRAM XDRがより身近になりました
- アクスルウェッジなしでの簡単な組立と分解
- より簡単なプリロード調整(スペーサースプリングの圧縮不要)
- 共通化されたアクスルとシンプルな内部部品構成により、様々なハブにも対応可能
- 共通ベアリングサイズによる互換性の向上
- 以前のChris King製ハブとの後方互換性あり
- R45D Gen 4 ハブは、調整クランプを取り外すことなくディスクローターを取り外せるよう更新された調整クランプを使用
Greg Hudson からの追加コメント:
「この Gen 4では、Chris King が製造する3種類のハブ製品、Boost CenterLock/6-Bolt・R45D・R45 のそれぞれについて、全体的、包括的に考えて開発プロセスを実施したので、共通化させるためにそのアクスルと内部部品を徹底的に再設計して生み出しました。以前の世代では、世界最高のスペックを追い求めた結果、ベアリングのサイズ、スモールパーツなどが全て異なるというちょっと異常な状態であったとも言えるかもしれません(笑)。 Gen 4のユニバーサル・パーツ(共通化されたパーツ)は、製造自体への合理化をも可能にし、その結果、ハブの価格そのものと、長期に渡りChris King社のハブをライダーが使用していただくためのサービス性能、そしてアップグレードのために必要となるスモールパーツのコストを下げることなども実現できました。」
Chris King社製のハブを所有する利点
Gen 4 ハブ、もしくは Chris King社製ハブ導入の利点としては、終始動き続けている、自転車ドライブシステムの中で最重要と考えられるべきハブ、それ自体の寿命をさらに延長させ、(今までも相当長い使用時間軸でデザイン、製造されているのですが)また長期的な所有が前提化されているために、その際の所持コストを最小限に抑えることで、Chris King社が40年以上に渡り、掲げ続けている持続可能社会へのコミットメントをさらに強いものとして主張することにもなっていると私たちは考えています。
Gen 4 シリーズのハブは現在すでに出荷されており、Chris King社が社内で1本づつ手組みで製造している完成ホイールにも組み込みが開始されています。
サークルズ、CWD(サークルズが展開する卸売事業部であるCWDでは、新規代理店を募集しております。お住まいのお近くにCWD販売店がないサイクリストの皆様はぜひご贔屓の自転車屋さんにお伺いしてみて下さいね。)にも今後新しくなったGEN 4 ハブが入荷してまいりますし、アップデートが可能な新型コンバージョンキットはすでに入荷しておりますので、是非ともご検討ください。(※在庫にないドライブシステム、ベアリングのオプションのお取り寄せも可能ですので、お気軽にお問い合わせください。)
以上、ブームよりカルチャーを好む、田中がお伝え致しました。