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欲しいものは自分で作ろう!チューイのハンドメイド サイクルキャップが教えてくれた事

何から書けばいいのか分からないほど数奇な運命を辿ってサークルズにドサっと入荷してきたチューイのサイクルキャップ。そう、サークルズ/SimWorksとのお付合いが長い人は知っているであろう、あのチューイのキャップです。

SimWorksで取り扱っていた時のチューイのFloppy Hat。懐かしい写真。

なにぶん古い話なので、憶測も混じってますが、サークルズがアメリカ西海岸のハンドメイドバイクやメッセンジャーなどの新しい自転車文化に触れ始めた2000年代初頭。コミュニティ内でその人柄の良さから慕われていたのがチューイでした。

彼はハンドメイドでサイクルキャップを作っていて、それを販売したりアーレーキャットなどのグラスルーツのレースプライズとして提供したりしていました。

みんなが手探りで新しい文化を掘り起こしていた時期に、技術とセンスでコミュニティに貢献するというのはそのシーンを盛り上げるためにとても重要な要素でした。

Welldone誕生のきっかけにもなっているチューイ

彼のものづくりとコミュニケーションに影響を受けたのが、Welldoneのイノッチ( @welldone_nagoya )です。彼がチューイを手本にサイクルキャップを作り始めたのは有名な話。

イノッチは現在でもバイクロアなどにプライズキャップを提供していますし、自分に必要なものを自分で作るというULハイク界隈のMYOG文化初期の先駆者でもあり、その影響力は大きいものがありました。

レースやブランドロゴのプリントされたヨーロッパ系のサイクルキャップが主流だった時代に、フリマやスリフトでウールやアフリカ系生地を仕入れて作る彼のサイクルキャップはとても新鮮でした。サークルズでも取り扱っていて、よく売れました。

そんなチューイでしたが、不運なトラブルに巻き込まれて地域とコミュニティを離れてしまったという伝聞を最後にやり取りが止まってしまっていました。


青森からの一報

そして年月は流れていったのですが、つい先月、青森は弘前にあるセレクトショップの名店「slow poke / スローポーク」の店主若さま( @teddwakagi )から突然に連絡があったのです。

「メッセンジャーバッグ界のカイザー・ソゼからチューイのキャップを預かってきたんだけど、量が多いのでサークルズさんでも引き取ってくれませんか?」

実在するか不明な伝説のギャングの名で呼ばれる彼はメディアに載る事を極端に嫌うのであえてぼかしますが、現在一般的にハンドメイドのメッセンジャーバッグとして認識されている様々な機能を生み出したメッセンジャーバッグの元祖であり、SFの伝説的メッセンジャーです。

SFストリートカルチャーのレガシーが流れつくお店がある弘前。流石は津軽の文化的中心地として栄えた街です。
BIKEtoねぶたでもお世話になった若さま、実は自転車と全然関係ないところで出会っていて、それも面白いのですがまた別の機会に…


古いつながりは重要だから全部買おう。

と、サークルズのボスの義理人情もあり、おそらく倉庫にでも眠っていたのであろう当時のチューイのサイクルキャップが大量に届いたのです。

かなり年月の経ったデッドストックで、埃っぽかったり少し汚れがあるものもありますが、ヘルメットの下にかぶるサイクルキャップとしては十分機能を果たすでしょう。コットンとウールの2種。全てハンドメイドで同じものが2つとありません。

CHUEY BRAND “Cotton” Cycling Cap

素材 :  コットン等
Handmade in USA.
価格:3,850円(税込)

CHUEY BRAND “Wool” Cycling Cap

素材 : ウール他
Handmade in USA.
価格:4,840円(税込)

以前にJMWのジャッキーさんから、彼がULハイクの道具を作り始めた初期の頃は、メッセンジャーバッグを自作するメッセンジャー達からも影響を受けたという話を聞きましたが、90年代から00年代初期にかけてチューイやソゼ達は現在まで続くそのガレージメーカームーブメントの壮大な大河の源流だったんだなと思うと感慨深いものがあります。

なにぶん古いものなので、生地の感じや色、縫製などの質は個体差があります。店頭でチェックする事をおすすめしますが、頑張って写真を撮ったのでオンラインでも販売します。ぜひチェックしてみて下さい。

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武井良祐

もんじゃです。CirclesやSimWorksのWEBまわりを担当しています。その他にバイクロアを開催したり、駐輪サービスCYCLE CLOAKなど色々やっています。祭りや建築、温泉、山、イベントなど面白い目的地を目指してライドに行くのが好きです。
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