みんな大好き日東製品。
何回か工場にお邪魔してますが、行くたびに新しい発見があって、大好きな会社。
何でもかんでもできる工場とは違って、色々制約はあるんですが、その制約と伝統の中で、必要とされるものづくりをしていることに尊敬しています。
個人的に古いものが好きで、古着やフィルムカメラで小遣いを無駄遣いする癖があるってのもあって、クラシックな雰囲気があるものがかなり大好物。(惜しくも廃業しちゃったLANCEのストラップもクラシック)

そんな性格なので、日東カタログに載ってる製品にはめちゃくちゃ好みの形があるんだけど、どうしても自分たちの遊び方にハマらないっていう、もどかしい気持ちをずっと持っていました。
で、昨年、日東さんにお邪魔した時に、その話をしたんですが、日東の吉川社長が、
「作っちゃえばいいじゃん!どれが欲しいの?」なんて言ってくれるから、お言葉に甘えてCircles別注で作っちゃいました。
B132 Grand Randonneur、B136 Bee Barのワイド幅の登場です。
B132 “Hanafuda” Grand Randonneur

これはマジでドンピシャに欲しいハンドルバーでした。
いわゆるランドナーバー。クラシカルなデザインに、伝統と文脈の大盛り全部乗せ。ネオランドナー的な自転車が増えている昨今。そんな解釈で使いたいハンドルバー個人的NO.1。

通常390mm,410mm,450mmなラインナップですが、今回は460mm,500mmで別注させていただきました。太タイヤでモダンなネオランドナーにバッチリ。ラフロードでの跳ね返りもしっかり抑えられますし、幅広の恩恵なのかハンドルの振動吸収も良好。しなやかさがめっちゃあります。

カラーもカタログにない、ブラックをラインナップ。

いかり肩で、若干フレア。アップライトに乗りたいツーリング車にはばっちりな設計。(ステムも上向き推奨)

そしてサイドから見た造形。モダンなドロップバーと比較するとわかりますが、アールがめっちゃ丸い。そして、地面に対して平行なポジションがカッコ良すぎ。このハンドルに変えるだけで、バイクにめちゃくちゃクラシックなスタイルを与えてくれます。

この形状は、つまりリーチが長くてドロップが深いってことなんですが、このリーチの長さはハンドルポジションの選択肢が増えて、いろんな体勢で乗れるので、個人的にはめっちゃ好き。

ドロップが深いのって、ポジション差がかなりあるんで、下ハン握ると前傾が割ときついんですが、ゆったり走るのが目的のツーリングだと、下ハンほぼ使わないっていうことと、握った時には荷重のバランスが大幅に変わるので、これも長い距離をぐだぐだ走る際はリフレッシュになって良いと思います(これは1000kmくらい乗ったけど、体感として感じてます)

ただ注意が必要なのは、リーチが深いので、ハンドルが遠くなります。現状のステムエクステンションを10mm以上短く調整する必要があるかもしれません。ここだけ注意!(ショップでポジション見てもらうことを推奨します!)


NITTO B132 Hanafuda Grand Randonneur
Reach:122mm
Drop:110mm
Clamp Diameter:25.4mm
Width:460mm,500mm
Price:7,200円(税込)
B136 “Hanafuda” Bee Bar

B136も甲乙つけ難いランドナーバー(実際はネオランドナーに最適解な感じがあるけど、それは後述)
B132より肩の上がりはマイルドで、ショートリーチなランドナーバー。こいつも今っぽいネオランドナーにインストールしたらかなりクラシックな雰囲気出るやつ。


ちょいフレアな感じもいい。
実際握ってみると、B136の110mmくらいのリーチはかなりいいです。握れるポジションが多いけど、ショートリーチなのでブラケットまでの距離は短め。B132のスタイルがちょっとキツイな〜って人におすすめなランドナーバー。クラシックスタイルだけど、痒い所に手が届く、いいとこ取りなモデル。

昨今のモダンなドロップハンドルバーは、おそらく80~90mm付近のリーチが多いと思います。このプロファイルはブラケット握って走ったり、頻繁に下ハン握る人にはかなり有効だと思うんですが、長い距離を走るのに限定すると、飽き性な僕は、もうちょっと手の置き所のバリエーションが欲しいなとか、極端にポジションを変えてリフレッシュしたり欲しかったりするので、この2型みたいなクラシックハンドルが好きだったりします。

また、プロファイルを比較すると、数値上はB132(ドロップ110mm)よりもB136(ドロップ130mm)の方がドロップ深いんですが、B136は肩のアップスウィープがゆるい(いかり型の角度がそんな高くない)のと、リーチがB132の方が深いことも相まって、体感のドロップの深さはB132の方が深く感じます。
つまり、クラシックな顔して、実はリーチ短く、ドロップ浅めなドロップハンドルがB136。個人的な愛がB132の方が強くて、推しも強くなっちゃうんですが、客観視すると、実際はB136がネオランドナーをクラシックに仕上げるには大本命かも。

このハンドルも、ステムエクステンションはちょっと短めの運用がおすすめです(でも、人によっては今のステムでそのまま行ける感じもします)


NITTO B136 Hanafuda Bee Bar
Reach:110mm
Drop:130mm
Clamp Diameter:25.4mm
Width:470mm,500mm
Price:7,200円(税込)
追記:オリジナル刻印
あ、あとこの製品の特徴がもう一つ。今回の別注に際して、せっかくなんでハンドルバーに入れる刻印も別注しちゃいました。

モチーフは花札。
正面向かって、右側に「日東」、左側に「サークルズ」
漢字とカタカナのコンボ!

モチーフを考えてる時に「日本ぽいの入れたいな〜」なんて思って、せっかくだからクラシックなもので、なんかウチららしいもの。
そう考えた時にパッと思いついたのが花札でした。
あ、いやいや、花札自体に親しみがあるっていう訳じゃないんですが、花札がいいんじゃないかなって思った理由は、花札が任天堂の最初のプロダクトだったって記憶があったんです。その思考が、今回の企画とくっついた。

なぜって、Circlesには熱狂的Nintendoファンが多数存在していて、日夜腕を磨いているからなんですが、Nintendo的精神はかなりCirclesに影響を与えています。

本気で遊んで、本気で考えて、本気でふざけて、本気で楽しんでやる。
趣味を仕事にしている僕らにとってはこれが超重要。
そういう思いを込めて、花札刻印を作成しました。

ちなみに、元々任天堂って、印刷会社でその印刷技術を使って花札を作り出したのがきっかけ(1889年創業!任天堂骨牌(カルタ)って名前だったらしい!)で、創業約100年後にファミコン作るとか熱すぎません?超老舗のイノベーションやばい。ここも、新興メーカーがイノーベーションを繰り返すアメリカとかとはちょっと違う日本的な部分。
そんなスピリットが日東さんのイメージと妙にシンクロしちゃって、この製品が出来上がりました。
クラシックだけど、幅広なランドナーバー。意外と今の気分にもハマると思うんで、ぜひ試してみてください。

追伸:この刻印、ご自身で墨入れするとめっちゃいいかも。
