なんやかんや、ドロップバーが好きです。

世の中フラットバー全盛期。最近のフレーム自体のコンセプトも、短ステムや、バックスウィープ強めのハンドルに合わせたジオメトリのものが多いのが現状。
フロントバッグも大型化して、フラットバー前提のものも多いし。
でも、やっぱドロップハンドルが好き。
小学生の頃に憧れた「かっこいいじてんしゃ」ってドロップハンドルだったでしょう?(偏見)

ルックスもさておき、機能的側面で言えば、フラットバーと比較して、
1、さまざまなポジションが握れること
2、前傾姿勢でお尻、二つの腕でカラダを3点支持するので、体重を分散させることができる(お尻痛い現象が出にくい)
3、空気抵抗が少なくなる
この辺がすごくメリット。長距離乗るならドロップバーがいいし、前傾で乗る自転車は気持ちがいいです。

メリットばっかり言うのもあれなんで、フラットバーと何が一番違うのか?ってことも合わせて言っときます。
それは、ステムの手前で握るか?奥で握るか?ってこと。
多くのフラットバーはクランプセンターを起点にバックスウィープしているものが多いので、基本的にステムの手前側にグリップ面がきます。

なので、上体が起きて背筋を伸ばして走行することができる。これは快適だし、近所ブラブラするにはもってこい。その代わり、上体が起きるので、サドルに全体重がかかります。これが「お尻痛くなる問題」に結構関わってきます。
一方ドロップハンドルは、クランプセンターに対して前に曲がり(リーチといいます)そして下に曲がる(ドロップ)

なので、フラットバーに対してバイクを抱えるような体勢になって、ハンドルバーが遠くなります。その形状が前傾姿勢になり、体重が腕とお尻に分散されます。あと、バイクを抱えるような体勢が自転車との一体感を生むので、個人的に好きなところ。
フラットバーはバイクを突き放して乗る。ドロップバーはバイクを抱えて乗る。みたいな感じ。
楽器も似たようなところがあって、ピアノは突き放す楽器、ギターやベースは抱き抱える楽器と言われたりします。これは余談。
バイクを抱えて乗るようなスタイルが個人的には好きなので、ドロップバーが好きなんですが、この中間のようなハンドルバーもあったりしてこれはこれで奥が深い。この話は別で書きます。
このご時世に最近はCirclesスタッフのドロップバー比率も上がっていて、もしかしたらドロップバー復権する?みたいな気配を感じてて、日東さんに花札シリーズを別注させてもらったんですが、新しい製品が入荷したのでご紹介。
NITTO x Circles B177HT Hanafuda Road Drop

名作B177をヒートトリート(HT:熱処理)して強度を上げたコンフィなロードドロップ。レギュラー品番だとセンタークランプ26.0mmのところを、25.4mmに変更、フェールール部には花札の刻印を施した別注モデル。

センタークランプから少しバックスウィープして、若干なで肩に落ちて、そっから短めのリーチで大きく下がる。

言葉にするとややこしいですが、3Dモデリングがない時代に、よくもまあ、こんな細かい設定でこだわり抜いたハンドルバーができたものだと驚愕します。
実際、目で見るとほぼ直線なんですが、握ってみると大きく違う。

特にブラケットに手を置いたときの収まりの良さ。この塩梅は説明できない。手を自然に置くと、このハンドルバーの位置に来ちゃうみたいな感覚。あと、ドロップからはみ出た下ハンの突き出しも完璧。どこを握っても全てが自然。

紛うことなき名作。こんなハンドルバーを別のアプローチで作ってみたい。

あと、この形状は日東さんに話を聞いたら「実はバックスウィープしてるんじゃなくて、センタークランプを押し出してる」とおっしゃっていて、それもこの握り心地に繋がってるし、この製法の奥深さを感じました。これはテキストだと説明しづらいのと趣旨が微妙にズレるので、興味があったら聞いてください。

ナローなシェイプでシュッとしたクラシックスタイルのバイクなら、このB177HTが間違いないです。

バリエーションの500mmの幅広は、グラベルやトラックバイクにもかっこいいと思います。
NITTO B177HT Hanafuda Road Drop
Reach:95mm
Drop:140mm
Clamp Diameter:25.4mm
Width:460mm,500mm
Color : Silver, Black
Price:12,100円(税込)
NITTO x Circles RM013HT Hanafuda Dirt Drop

もうひと型は、クラシック出立ちのマウンテンドロップバー。今ならグラベルバイクにぴったりなハンドルです。
センタークランプから、ほぼ一文字でショートリーチでなだらかにフレアしているワイドめなハンドルバー。

幅広でショートリーチですが、ドロップが深めなので、短いステムとの相性は◎50~70mmくらいのステムで合わせると、かなりグリップポジションにバリエーションが出せます。

こっち系(グラベルハンドル)はモダンなプロファイルが多いので、逆に25.4mmの選択肢が少ないのですが、WILDE BIKESみたいにモダンだけど 1-1/8アヘッドだったり、CRUST BIKESみたいなスレッドステムのグラベルバイクには(ルックスも含めて)かなり調子いいはずです。

このバイクはスタッフヤナックのWILDE Rambler。結構いい感じじゃないですか?若干しゃくってつけてもいいポジション取れると思います。

あと、このくらい幅広ドロップバーで25.4mmクランプだと、ハンドルもかなりしなってくれて、振動吸収も良いです。跳ね返りが辛くない。
NITTO RH013HT Hanafuda Dirt Drop
Reach:92mm
Drop:140mm
Clamp Diameter:25.4mm
Width:480mm,520mm
Color : Silver, Black
Price:12,100円(税込)
これらの花札シリーズは、全国のCWDディーラーさんでも購入可能ですので、ぜひご検討を!
まあ、難しく考えず、握って調子がいいやつだったり、幅の広さや見た目で選んでもいいと思うので、ドロップバーの選択肢の一つになれば幸いです!