
通勤から一泊二日まで、“走る時間の90%”をこの一台に
SimWorksが誇るオールラウンドフレーム、Doppo Ronin(ドッポ ローニン)が、少量ではありますがサークルズに再入荷いたしました。前回のロットはあっという間に完売し、その後も多くのお問い合わせをいただいておりました。
お待ちいただいた皆さまに、まずは感謝をお伝えいたします。今回も一本ずつ検品を行い、整い次第、Circles店頭とオンラインストアに順次反映していきます。
Doppo Roninは「日常から旅まで」を一台でつなぐ、いわばモダンツアラー/ミックステレインをコンセプトとしたフレームとなります。通勤の舗装路、川沿いの未舗装、荷物を積んだ週末のツーリングまで、“走る時間の90%”を安心して任せられるのが持ち味です。ハイスピードの集団走や極端にテクニカルな急斜面こそ得意分野ではありませんが、それ以外のほとんどの場面で、素直で落ち着いた乗り味を提供してくれます。
Ronin という名前に込めたこと

“Ronin”とは日本語の浪人を意味する言葉、「何にも縛られず、世界を自分の歩幅で渡っていくこと」を意味します。舗装か未舗装か、スピードか積載か、単一の価値観に寄りかからず、暮らしと移動の間を自由に往復できること。Doppoシリーズが大切にしてきたその精神を、最も等身大のかたちで体現しているのがこのRoninと言えます。


- 二つのホイール規格に対応:
700cと650b(27.5”)のコンバーチブル。軽快に転がしたい日は700c、接地感や積載の余裕を高めたい日は650bと、路面や気分に合わせて選択できます。 - タイヤキャパシティ:
700c は最大 43mm、650b は最大 56mm(2.2”)。フェンダーとの組み合わせや空気圧の調整で、同じ一台が“別の一台”のように振る舞います。 - 必要なマウントを標準装備:
フェンダー、ラック、カーゴケージ(3-pack) への対応で、日常の雨支度からロングツーリングの装備まで無理がありません。 - 直感的で安定したハンドリング:
時代に揉まれてきた実用ジオメトリーを再構成し、積載時でも挙動が乱れにくい素直さを目指しています。
ATBからRoninへと静かな進化

以前展開をしていましたDoppo ATBの思想を正しく継承しつつ、現在のRoninでは要所の設計を磨き直しています。 派手な“変更点の羅列”ではなく、使い手の一日を支えるための調整と言い換えたほうがしっくりくるかもしれません。


- SimWorks オリジナル・リアドロップアウト:
12×142mm スルーアクスルに最適化。ホイールの脱着がスムーズで、積載時の作業でもストレスが少ない構造です。 - シートステーの再設計:
積載時の追従性と日常のしなやかさのバランスを見直し、長時間の走行で蓄積する疲れをやわらげます。 - マルチマウント・フォーク:
同色のクロモリフォークが付属し、フォーク左右の3-packとダウンチューブ下の3-packを装備。ラックやケージが“無理なく、きれいに”収まります。 - 塗装:
深みのあるRon Burgundyを採用。光の角度で表情が変わり、駐輪中も走行中もつい目を奪われる色味です。塗装はもちろん弊社の球体ペイントが1本づつ全て手作業で行っています。
名古屋・住宅街の小さな工房から

Ronin は、名古屋の住宅街にある服部製作所で、服部 晋也と横山 誠 の二人の手によって小ロットで丁寧に仕上げられています。 ジグの匂い、削り粉の手触り、火と色の加減、量産の現場では置き去りになりがちな“数えにくい手数”が、日常での扱いやすさと、旅先での安心感に置き換わっていきます。


私たちは、こうした日本製のハンドビルトの気配を、道具としての自転車にいつまでも残していきたいと考えています。 派手な自己主張はしないけれど、触れるたび、乗るたびに「これでいい」と静かに確信できること。 それがDoppo Roninの本質だと思っています。
使い方の想像図

朝の10kmの通勤。 帰りに少し遠回りして、河川敷の未舗装を繋いで家に戻る。 週末はコーヒー道具と小さなテントを載せて、里山で一泊。 700cでは軽快に日常を滑らせ、650bで荷物と路面を受け止める。
フェンダーを足せば、雨の日の気持ちの余白が広がります。 小ぶりのフロントラックとフレームバッグを合わせれば、財布・鍵・ウィンドシェルのための“定位置”が出来上がり、支度に迷わず家から出発が可能。 大げさな装備ではなく、暮らしに馴染む実用の積み重ね。 その延長線上に思いがけない遠回りと、少し長い旅が待っています。
Circlesからのビルド提案
組み方としては“軽く・強く・直せる”が基本です。
過度な軽量化より、旅先でも手当てできる規格を優先します。

- A:700c ライトツーリング
1×12 ワイドレンジ/32H ホイール/フルフェンダー+小型フロントラック
→ 雨の日も通年の移動道具として快適に。舗装 7:未舗装 3 くらいのバランスです。 - B:650b バイクパッキング
1×11 ワイドレンジ/2.2” クラスのタイヤ/フォークケージ×2+サドルバッグ
→ 荷物を載せても怖くならない接地感。里山〜林道の気ままな一泊二日に。 - C:デイライド・コミューター
1×11/やや太めの 700×38–40c/リアキャリア+パニア/フラット寄りのハンドル
→ 買い出しから休日の遠回りまで、使い勝手最優先の構成です。
ハンドルやステム長、ブレーキレバーの形状といった“触れるところ”の最適化は、サドル上での長時間における快適性を大きく左右します。 サークルズの店頭では用途を伺いながら、サイズ当て込み→コクピット、ドライブトレイン選定→概算お見積りまで、45~60分ほどでご案内させてもらっています。
仕様の要点

SIMWORKS Doppo Ronin Frame Set
- ホイール:700c/650b コンバーチブル
- 最大タイヤ幅:700c = 43mm、650b(27.5”)= 56mm(2.2”)
- マウント:フェンダー/ラック各台座、フォーク左右 3-pack、ダウンチューブ下 3-pack
- ブレーキ:フラットマウント・ディスク
- スルーアクスル:フロント 12×100、リア 12×142(オリジナル・リアドロップアウト)
- BB:BSA 68mm
- ヘッド:EC34
- フォーク:クロモリ、同色仕上げ
- カラー:Ron Burgundy(グロッシー)
価格:272,800円(税込)
※ ロットにより細部仕様がわずかに変更になる場合がございます。個別の適合やパーツ選定は店頭やメールにてお気軽にご相談ください。
在庫とご相談について

今回の再入荷も前回と同じく少量です。 サイズごとの在庫変動が早いため、気になる方はお早めにお声がけください。 店頭での実物確認・採寸・お見積もり、オンラインでの在庫確認・取り置きご依頼・配送にも対応いたします。
「まずはフレームだけ確保して、パーツは後から相談したい」という進め方も歓迎です。 お手持ちのホイールやコンポーネントの持ち込み適合も、その場で正しく確認をいたします。
最後に

道具としての強さと、暮らしに馴染むやさしさ。 その二つの間で迷わずに選べるのがDoppo Roninだと思います。 気取りすぎないのに、ちゃんと美しい。 毎日の足として働きながら、思いつきの遠回りや、少し長い旅にも付き合ってくれる。 “自由に走るための、いちばん近道” を探しているサイクリストに、ぜひ一度触れていただきたいと思っております。
サイズや組み合わせのご相談は、店頭、メール、あるいはお電話などでもいつでも承っております。
皆さまのご来店を心よりお待ちしております。