来店予約はこちら

【Circles Tokyo】植木職人が相棒として選んだOMNIUM Cargo Bike Check

今回は、ある一つの「働く自転車」をご紹介します。

植木職人のオーナーからご相談いただいた「剪定鋏や脚立など仕事の道具を積載して客先を回り、将来的には自転車で仕事をしながら旅をしたい」。

用途が極めて明確でシビアな要求は非常にワクワクします。お客様とお話を重ねてたどり着いたのがOMNIUM Cargoという選択でした。

走りと積載性の高次元なバランス、そして何より優れた構造設計を持つデンマーク発のバイクをオーナーはどういうアッセンブルをしたのか。前回に引き続きお客様のバイクを紹介していくシリーズとして今回はこちらのバイクを紹介します。

OMNIUM Cargo

今回納車したCargoは、OMNIUMのラインナップにおいて最大の積載量と直進安定性を誇るフラッグシップとなります。

よく比較される中型機・Mini-Maxがフロントホイールを荷台のほぼ中央下部に配置し、クイックな操舵性を確保しているのに対し、Cargoはフロントホイールを巨大なラックの最前部に配置しているのが構造上の決定的な違いです。

この極端に長いホイールベースにより、大量の仕事道具など重たい荷物がホイールベースの間の最も低い位置にすっぽりと収まり、どれだけ重い荷物を積んでもハンドルが不意に切れ込んだりふらついたりするのを防ぐ設計になっています。

都市部での小回りを多少犠牲にしてでも、重たい荷物を載せて安全かつ確実に目的地まで運び切るという目的に完全にフォーカスしたジオメトリーであり、今回のオーダーには最適な選択肢です。

重たい荷物をしっかり支える足回りと、手間要らずなダイナモライト

カーゴバイクにおいて最も負荷がかかるのは、荷台の真下にあたるフロントホイールです。今回フロントリムにはVELOCITYのCliffhangerを採用し、ハブはSON NABENDYNAMOのSON28 Discを組み合わせています。

20インチという小径ホイールはスポーク長が短くなるためそもそも剛性が高いのですが、さらに36ホールというホール数をチョイスすることで、仕事道具という重量物を毎日載せてもビクともしない、絶対的な耐久性を確保しています。

そして、このSONのダイナモハブから電力を供給されるのが、同じくSONのEdelux IIダイナモライトです。早朝や日没後の移動を伴う職人の日常において、充電を気にせずに自転車に乗れることは重要なこと。また車体前方に長く伸びるCargoの特性上、対向車を幻惑させずに足元から前方までを広く照らし出す配光設計は、ワークツーリングにおける必需品と言えます。

整備性と制動力を両立するブレーキ選び

重量物を載せた状態での走行において、最も重要なのは確実に止まれることです。基本的にはブレーキはこういった車体の場合、油圧式でのアッセンブルを勧めるのですが、今回のご要望にはワイヤー引きをご提案いたしました。

仕事現場の枝葉や、ツーリング中の思わぬトラブルでブレーキにダメージを負った際、油圧式ではその場でのリカバリーが極めて困難です。対してワイヤー引きであれば、全国どこの自転車屋でも即日修理可能で仕事への影響も最小限に納めることができます。

ブレーキキャリパーにはワイヤー引きの中でトップクラスの制動力を持つPAUL COMPONENTのKlamperを。ブレーキレバーには同じく高い耐久性を誇るPAULのLove Leverを選択しました。

さらに、フロントには180mm、リアには160mmのCatalyst Pro Disc Rotorを採用しています。通常よりも大きいサイズのローターを使用することで、重たいカーゴバイクにも十二分な制動力を加えています。

美しさが際立つドライブトレイン

コンポーネントには、イタリアのINGRIDを採用しています。アルミニウムの塊から削り出された美しいシルバーの造形に目を奪われがちですが、その真価は削り出し加工がもたらす高い剛性と軽量性にあります。

高い剛性は積載時にも踏む力を逃さずに前へ進む力へと変換し、精密な削り出しによる各パーツのクリアランスの正確さは、過酷な使用環境下でも確実なシフティングを約束します。マットブラックの重厚感のあるこのフレームにこのアルミのコンポーネントは目を引きますね。

重い荷物を背負うのではなく、車体に委ねる。客先の庭園から次の現場へ、そしていつかは道具を積んだまま遠方の街へ。この自転車があることで、オーナーの働くと移動するという行為は境界線を失い、より地続きなものになっていくはずです。

自転車の使い方は十人十色であり、同じフレームでもパーツの選び方次第で全く違う自転車となります。ご自身の用途に合わせた自転車をご提案いたします。是非ご相談ください。

アバター画像

よっしー
吉本 直史

京都出身でセレクトショップに就職後気がつけば名古屋に。球体の重力には逆らえず気がつけばペダルを漕ぎ、気がつけばお気に入りの服が油にまみれる日々。服・音楽・家具etc色んなことにいっちょ噛みする性格は生まれ持った性分。日々日々散財の生活をしております。
吉本 直史の記事一覧