こんにちは、Circles Tokyoの吉本です。
東京もすっかり春から初夏へと移り変わり、自転車での移動が一段と気持ち良い季節になってきましたね。日差しが強くなるにつれ、虎ノ門周辺の街の空気感も少しずつ活気を帯びてきているのを感じます。
さて、先日CirclesのブログでもアナウンスがあったOMNIUMの新型カーゴバイクNANO。Circles Tokyoでも早速、この新しいフレームをベースに、我々ならではの解釈を詰め込んだスペシャルなコンプリートバイクを組み上げました。

OMNIUMといえば、コペンハーゲンのメッセンジャーカルチャーから生まれた実用的な道具としてのカーゴバイクです。その最新作であるNANOの最大の特徴は、前後20インチホイールを採用し、全長を約1.5mに収めている点。
これは、東京という都市の住宅事情において非常に理にかなった設計です。マンションのエレベーターや一般的な駐輪場に収まるサイズでありながら、フロントラックには最大40kgの荷物を積載できる。さらに、ストップ&ゴーの多い都内において、小径車特有の漕ぎ出しの軽さや、短いホイールベースによる小回りのききやすさは都会での乗りやすさに直結します。
またOMNIUM Nanoはワンサイズで身長160cmから190cmまで対応していることも大きな特徴で、シートポストの高さを調整をするだけで、ご家族やパートナーと1台の自転車を共有することができます。

OMNIUM Nano Circles Tokyo Complete
¥506,000 in tax


今回、Bottle GreenのNANOを組み上げるにあたり、僕が設定したテーマは「ストリートのエッセンスを抽出した、タフでクリーンな日常の道具」です。イメージのもとなったのはOMNIUMの本国サイトで公開されていたこちらの記事。
NANOの持つ個性をよく表していると感じるとともに、「このテイストを表現しつつ、東京の日常にフィットする快適な1台を作ったらかっこいいのでは?」というアイデアからこの企画が始まりました。
組み上がってみると、その仕上がりは想像以上。
それでは、詳細をご紹介します。


シングルスピードの佇まいに秘めた、タフで広大なギアレンジ
最大の特徴と言えるのが、このドライブトレイン周りです。シングルスピードのようなすっきりとした見た目と、日常での利便性の両立を目指して、リアハブには内装変速のSHIMANO ALFINE 8速をアッセンブルしました。
そもそも、20インチという小径車においてリアディレイラーを採用すると、どうしてもメカ本体と地面との間が狭くなります。段差を降りる際や駐輪時にディレイラーをぶつけて曲げてしまうリスクがつきまとうのですが、ハブ内部にすべてのギアが収まっているALFINEであれば、そのメカトラブルを回避することができます。
このシステムは雨や泥といった環境の影響をほとんど受けません。日常的にタフに使っても注油や清掃の頻度が少なく済み、長期間にわたって安定した変速性能を発揮してくれます。さらに、変速によるチェーンの横移動がないためチェーンラインが常に真っ直ぐ保たれ、駆動系全体のパーツ寿命が格段に延びるというのも大きなメリットです。

そして何より特筆すべきは、見た目からは想像できないギアの守備範囲の広さです。フロント40TのクランクとALFINE 8速の組み合わせによって得られる最終的なギア比は1.17〜4.78。一般的な外装変速に換算すると、およそ8T〜34Tというワイドレンジを積んでいることになります。
小径車はどうしても漕いでも進まないというイメージを持たれがちですが、この構成なら別です。しっかりスピードに乗せられる8T相当のトップギアから、東京の急勾配を登る際にもクルクルと回せる34T相当の軽いローギアまで。これだけワイドなスプロケットとディレイラーが、あのコンパクトなハブの中にすべて詰め込まれている。改めて技術力の高さを感じます。
しかも、ペダルを回さずとも停車時にギアチェンジが可能なので、荷物を積んだ状態での信号待ちからのゼロ発進も非常にスムーズです。
また、クランク周りには新しくリリースされたばかりのSHIMANO CUESのポリッシュカラーを採用しました。待望だったシマノ製シルバークランクの確かな存在感もさることながら、今回はあえてチェーンガード付きを選択しています。
自転車に乗るためにわざわざパンツの裾を捲ったり、裾バンドを巻いたりする手間を省き、普段着のままサッと跨れる。まさに街乗りを快適にするためのディテールを詰め込んでいます。




ストリートを意識した足回りとコックピット
リムには、VELOCITYの中で最高の耐久性を誇るCliffhangerをチョイス。MAXXISのBMXタイヤGrifterを合わせ、ストリートのスタイルを演出するとともに、太めのエアボリュームがもたらすクッション性や耐久性は折り紙つき。また転がりも軽く、ロードノイズも少ないし、しっかりと刻まれた溝は雨の日でも安心して乗ることができる、街乗りには最適なタイヤなのです!
コックピット周りの核となるステムには、堅牢なTHOMSON X4 ブロックステムをチョイスしました。
元々は航空機の部品製造を手掛けていたアメリカのブランドであるTHOMSON。ひとつのアルミの塊から極めて高い精度で削り出される彼らのパーツは、圧倒的な剛性と耐久性を誇ります。
その無骨なステムにSIMWORKSが誇るローライザーバーのMowmow Barをセレクトしました。適度なライズと手元に戻ってくるバックスウィープが、上体を起こしたリラックスした乗車姿勢を作ってくれのと同時に、無骨さをさらに演出してくれます。
グリップにはOURYの蓄光タイプを選び、夜の街を走る際の少しばかりの遊び心も添えました。またカチッとした引き心地のDIA-COMPE MX-2レバーもポイントですね!


さらに、日本の住宅環境に合わせた機能的なオプションも用意されています。Tilting Rack Bracketを使用すれば、嵩張ってしまいがちなフロントラックを、チルト機能によって工具なしで縦向きに変えることができます。またクイックリリースピンを抜くだけでラック自体を簡単に取り外すことも可能です。これにより、室内での保管はもちろん、公共の駐輪場でも大きなラックが障害になりにくくなります。
もう一工夫をするだけでさらにコンパクトに。ボルトを緩めてステムを90°横に向ければ、車体の最大幅はスタンドの最も広い部分(約40cm程度)に収まります。これだけのステップで、室内保管のハードルは劇的に下がります。





| Frame | OMNIUM Nano |
| Hundle Bar | SIMWORKS Mowmow Bar |
| Stem | THOMSON X4 60mm |
| Saddle | WTB Pure Steel |
| Hub | SHIMANO |
| Rim | VELOCITY Cliffhanger |
| Spoke | SIMWORKS Condor Spokes StraightGauge |
| Tire | MAXXIS Grifter 20×2.1 |
| Crank Set | SHIMANO CUES 40T |
| Main Group | SHIMANO Alfine 8 |
| Brake Lever | DIA-COMPE MX-2 Brake Lever |
| Shifter | SHIMANO SL-S7000-8 |
| Brake | SHIMANO BR-M375 |
カーゴバイクという乗り物は、その圧倒的な積載力と引き換えに、日本の、特に東京のような都市部では置き場所や取り回しの面でハードルが高いと思われがちでした。
しかし、このOMNIUM NANOは、前後20インチというコンパクトな設計と、日本の住環境に寄り添うギミックによって、その課題をスマートにクリアしています。そこに、僕たちが信頼を置くタフなパーツと、日常着のまま気兼ねなく乗れるクリーンな駆動系を組み合わせることで、毎使い倒せる最高の自転車が完成しました。





スーパーでのコーラやミネラルウォーターのケース買いから、大切なペットとの移動、さらには少し足を延ばしたBIKE to CAMPまで。僕自身、純粋に走りを楽しむための自転車と、このNANOの2台があれば、都市生活から週末のアクティビティまで、大抵のことは自転車で完結してしまうのではないかと思っています。
生活の中の自転車。まさに東京での生活にしっかりと寄り添ってくれる自転車ではないでしょうか?
現在Circles Tokyoの店頭に展示しておりますので、サイズ感やラックの折りたたみ機構、そして内装8速のクリーンな仕上がりなど、ぜひ実車を見に来てください。もちろんこちらを参考にしたカスタムビルドも承ります!皆様のご来店を心よりお待ちしております。