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Cycle to Odyssey.

2006年。
名古屋の片隅で、ひとつの妙なツアーが始まった。

バンド名はCircles。

レコードは出していない。
ヒット曲もない。
そもそも、楽器すらほとんど持っていない。

でもツアーだけは続いた。

Oregon
California
Massachusetts
Colorado
Utah
Tokyo
Aichi
Osaka
Taiwan
Canada
Denmark

行く先々で、ずいぶん変わった連中とも出会った。

DeSalvo
Hunter
SyCip
Retrotec
BIKE FRIDAY
BREADWINNER
NITTO
Chris King
PAUL
MKS
Bassi
OMNIUM

フレームを作っているやつ
部品を削るっているやつ
車輪を組みつづけているやつ
バッグを縫いまくっているやつ
ただ妙に格好いいものを作るやつ

ときには一緒に仕事をして
ときには酒を浴びるほど飲み
ときには海の向こうまで会いに行った

別に誰かが「ツアー」と呼んだわけじゃないんだが、

ただ、振り返ってみれば、そう見えたのだった。

2006年から2026年。

20年間、同じ場所にいただけのつもりだったのに、
背中に並べてみると、ずいぶん遠くまで来ている感じもする。

だから20年なんてものはただの時間に過ぎないし、記念碑みたいなものにはしたくなかった。
ましてや金文字で「20th Anniversary」と大きく書くのも小っ恥ずかしいし、なにかが違う。

欲しかったのは、昔にアメリカのどこかで買った、正体のよく分からないツアーTみたいなもの。

クローゼットの奥から久しぶりに引っ張り出して、「これ、何のバンドだっけ」となるような感じのやつ。

なのでやっぱりTACOMA FUJI RECORDSにお願いした。

本当にあったものみたいな顔をして、いろいろ作ってきたおとこ。

デザインは、やっぱりカントクになる。

僕らの近くに長くいて、自転車も、山も、街も、その周辺にいる面倒くさい人間たちもよくよく知っている。

この二組に頼めば、しっかりとまともな記念品にはならないはずだから。

そしてその期待は、ちゃんと当たるってわけ。

Cycle to Odyssey.

その下に、20年間の道中で出会ってきたやつらと、土地と、出会った日が並ぶ。

Friends along the way.

たぶん、この20年を一番正しく言い表している。

店を続けてきたというより、
いろんな人のところへ遊びに行っていたら、なんか20年も経っていた。

そんな感じなのかもしれない。

2006–2026.
No final show announced.


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kyutai
田中 慎也

空転する思いと考えを自転出来るところまで押し上げてみた2006年。自転し始めたその空間は更なる求心力を持ちより多く、より高くへと僕を運んでいくのだろうか。多くの仲間に支えられ、助けられて回り続ける回転はローリングストーンズの様に生き長らえることができるのならば素直にとても嬉しいのです。既成概念をぶっ飛ばしてあなただけの自転力に置き換えてくれるのなら僕は何時でも一緒に漕ぎ進めていきたいと思っているのだから。
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