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WHAT ABOUT BIKE FRIDAY 3

最高で最適な自転車の選びかた

商売柄どうしても、自転車という移動ツールについてをいつも様々な角度から見て、思考させてもらっています。

最適な自転車を選ぶためにはどうしたらいいのでしょうか? と、多くの方からそのような悩ましい相談を受けさせていただいているのですが、そのような悩みに対しての最適解を得るためには、どうしても考えておいて欲しいことがあります。

ずばりこの最適解を求めるために最も大切なこととは、自分自身を知るということです。 自分の体格、性格、使用環境や方法はもちろん、さらには自分の将来のことや夢見ていることなど。 誰が使っているだの、どこで流行しているだの、そういう他愛のないことは一旦おいておいて、自分とまず向き合って、自身に問いかけていただきたいのです。

それこそが自転車に限らず、個性的な性格や環境を持つ、異なった人たちにとっての最適の相棒、道具を見つける最適解であると断言いたします。

スペック表に、あなたの真実は書かれていない

インターネットが普及し尽くした今日では、多くの他分野でも同じく見逃されがちな、どうしてこれを造り手は発想したのだろうか、誰がどのように作ったのだろうとか、それらの大きな考えの原子、元になったであろう思想や哲学、そんな壮大でロマンティックな事柄を自分の頭で想像したり、深く考えてみるという、人間として実に基本的な行為自体もやや疎かになっている現代社会、時代なのかもしれないかなとも考えたりします。

最近は、論理的な説明が絶対王的なトレンドがインターネットやTVメディアを軸にして、流行しているように見受けられるのですが、このような世論状態において、道具などを説明する時にやはり重宝されがちなのが、機能性についての長たらしい薀蓄や、一見単純明快なスペック上に記載される数字たちです。

しかしながら、その機能性能と表面上の数字を参考にして様々な道具を購入したとして、所有者のすべてがそれらの道具群を使って必ずしも幸せになれるとは限りません。

仕事の経験上、悲しいことに「どこどこで買った自転車が、自分の用途に合わず、乗らなくなったのでどうにかしたい」という話もたびたび舞い込んできます。 だからとは言いませんが、弊社にはカルチャー・クラブというシステムを存在させる理由にはなり得るとおもっていますので、もしワンチャン狙いで運命の出会いを求めに来ていただくの面白いかともいます。 (しかしながら、カルチャークラブのポリシーにおいて、どんな自転車でも買い取るという考えではなく、私を含めたメカニックたちが自信を持って安心して整備ができる個体であること、そして中古だとしても、しっかりと使い切れるバイクを中心に買取させていただき店舗運営しておりますので、あしからずご了承ください。)

つまり先に上げた話のように、自分にとって「本当に良いモノ」を探そうと思い、考え出したときには、情報収集よりも先にまず「やっておいたほうが良いコト」が、実は多くあるのだと思います。

とととと、枕が長く、大きく逸れていってしまいましたが、これからしっかりと今回の本題に移っていきたいと思いますのでお付き合いをよろしくお願いいたします。

世界でも類を見ない小径車カーゴバイク。

今回ご紹介する1台は、BIKE FRIDAYからの意欲的な提案であり、そしてこれからの新時代において、深く社会にコミットできるはずのバイクの話をしたいと思います。

そのバイクの名前はHaul-a-Day (ホゥラデイ)、名前の由来については結局アメリカ的ダジャレで、HOLIDAY:休日と HAUL:運搬するという言葉にa Dayを足した造語、発売に先駆け当時最先端の金策であったKickstarterにおいて発表、目標金額を$45,000 ( その当時では約530万円 ) に設定して出資を募集したところ、わずか28時間で目標額は達成し、最終的には $135,000のプレッジを獲得したBIKE FRAIDAY社としては初めてのカーゴバイクとなります。

今までご紹介してきたBIKE FRIDAYとは少し異なるコンセプトを持った自転車 Haul-a-Dayは、まずお断りをしておくと折畳み機能はあえて所持しておりません。 そのかわりに沢山の荷物を積んだり、2人の子供を乗せたりする事ができる、20インチのタイヤを持つ、ロングテールカーゴバイクなのです。

前回の記事でもご紹介したとおり小径であるためにその重心は低くなり、ステップスルーのフレーム形状を最大限に活かし、小柄の人にも乗り降りが容易かつ、大量の荷物の積載をしていたとしても、安定走行が可能になっている夢のようなカーゴバイクと説明をすればわかりやすいかもしれません。

ちなみにカーゴバイクというのは一般的にその名の通り、荷物を運搬するための自転車なのですが、先日ECスタッフの小玉くんが上げてくれたデンマーク訪問記事にもあったように、先進都市においてのカーゴバイクは、バイシクルメッセンジャーなどが大きな荷物や大量の荷物を運ぶ時だけの用途としてだけではなく、子どもを乗せて通学を目的としたファミリーユース用、大きな荷台を有効活用しての屋台自転車としての役割、Amazonを代表とする本気の運送業を担う会社の市街地での配達用など、その自慢の積載量とE-POWERの一般普及も手伝って、近未来移動運搬ツールとしても大きな注目が集まっています。 またヨーロッパの多くの国においては燃料転換促進の意識が世界の中でも最も高い地域なので、運用に必要な化石燃料や電気などが必要とされないカーゴバイクを購入するときには、補助金を出す自治体も増えてきていることもあり、どんどんと車やトラックに置き換わってきているのだとも推測できます。

今までもサークルズのブログでは名古屋で活躍する様々なカーゴバイクを紹介してきました。 それらの多くは私たちの仲間(かなり個性豊かな?)が主に仕事など商用利用で運用しているのですが、(街で見かけるとインパクトがありますね。)その大型なサイズや若干特殊なルックスゆえ、実際に一般人が所有をして、日常運用と行くまではなかなかハードルが高いなと思う方も多かったかもしれません。

参考までに過去のブログもぜひご一読頂けたら幸いです。

その小径車カーゴならではの利点とは?

上記に上げたような大型のコマーシャルカーゴバイクとHaul-a-Dayの設計思想は大きく異なっており、簡単に言ってしまうと、一般生活での常時運用をしっかりと見据えて、誰でも扱えるようにと考えられて製造されている、カーゴバイクだということです。

20インチのホイールがベースとなる小径車だということもあり、まずはその取り回しの良さがあります。 最大全長が約193cmほどのホイールベースは一般的な自転車と比べ若干長い程度なので、コマゴマとした街中での運用においても、誰もが安心して走行ができるサイズになっています。 また集合住宅が多い、例えば日本のような国が代表となるわけですが、それら住居に多く設置されている小型のエレベーターにも、Haul-a-Dayは自転車を縦に立てることによって、乗せてしまうことが可能なので、いわゆる一般家庭全般においても、普通の自転車を所有する感覚で使っていただけると思います。

また重量にも細心の気を配って設計しており、積載量を考慮した上、設計上の安全マージンを保ちつつも車重は約16kgに抑えてあるため、女性、子供でも容易に扱えるのも特徴です。 さらにHaul-a-Dayのフレームは、全長が4段階に調整できるようにもなっており、その調整にはたった1本の六角レンチだけで数分間のうちに誰でも簡単に調整することができます。 トップチューブの長さは48cm~60cmまで、4cm刻みでの調整が可能、そしてシートポストとハンドルステムの高さ調整を同時に行うことによって、身長120cm~190cmまで人たちの乗車が可能、この画期的なOSANAシステム(可変システム)のおかげで、1台のHaul-a-Dayを家族や友人たちと誰とでもシェアができてしまうということ、このような先進的なアイデアを持つカーゴバイクは、世界でもこのHaul-a-Dayだけだと思います。

ベーシックなHaul-A-Dayは、ライダーの体重制限が100kg、荷物の積載制限が90kgで、合計190kgでの製造設計がされています。 より体重のあるライダーには118kgまで、より重い荷物は112kgまで積載ができるアップグレードも可能で、その積載可能合計重量は230kgとなります。

なぜカーゴバイクが必要なのか。

自転車を中心に生活をするようになると、どうしても「いかにモノを運ぶか?」という課題がついてまわるようになってきます。

解決方法としては、バイクメッセンジャーよろしく、大きめのバッグ(大きいバックは急な用事、衝動買いにも対応できるので、夢はいつも運んでいるわけなのですが…)を背負ったり、所有されている自転車に、もし装着ダボがあれば、リアキャリアにパニアバッグを付け積載量を増やしたり。

いやここは日本だぜ! 我が国が誇るママチャリ文化を最上リスペクトして、街中では電動アシストママチャリで移動をしたほうがクールだぜとか。

いやいや時代はミニマム、できるだけ持ち物を少なくしてしまえばいいでしょ、と、ものの選び方から派生してきた断捨離的な考え方などもあります。

そんな多くのサイクリストが提案してきた様々なアイデアの中に突如、プロダクトとして現れた、BIKE FRIDAYのHaul-a-Dayコンセプトは私の心に突き刺ささったのです。

一般的なママチャリのようにワンサイズフィットオンリーではなく、サイズの可変ができるので老若男女誰でも使用が可能。 つまりはしっかりとバイクフィッティングがほぼ完ぺきにできるので、どなたにもカーゴバイクでありながら、楽にそして楽しくHail-a-Dayは乗ってもらえということになります。 そして重ねますが、20インチの小径車だからこその取り回しの良さは、国土の都合上、街の設計自体がコンパクトな日本にはまさしくもってこい、さらにはその見た目からは想像ができないほど重量も軽く、しかも設計も小径車を知り尽くしているハンドメイドバイクメーカーであるからこそ、その走りにおいてもまったく変な癖もないとても素直なバイク、(とてもいい意味でその見た目と裏腹にしっかりと裏切られます。)

こんな優秀なカーゴバイクが先進的で革新的な行動力を持った自転車人たちの目に止まってくれ、そして実際に運用をし始めたとしたら、そのいつもの街の景色も必然的に変わっていくのではないだろうかなどと、個人的な妄想もしっかりと膨らんでくるわけなのです。

環境、コミュニティー、未来創造、そして自転力。

今自転車が大好きな人、これから自転車を大好きになっていく人たちはいっぱいいると思います。
最初に話をしたように、自分を知ることと、経験に基づき自分の頭で深く考えてみるいうことは、どんな時においてもとても大切だと思います。

今どんな場所に生きていて、どんな環境で生活をしているのか、今流行のモノやコトだけではなく、過去から現在までに自分を取り巻いてきたモノやコト、そこには様々な種類の意味を持って作られたモノやコトたちもあったはずです。

そんなふうに自転車もほか道具たちなどと同じように存在しています。

だからこそ、自分と目的などをしっかりと理解して、自分にピッタリと合った自転車と出会えたとしたら、最高の人生の幕が開くのかもしれません。 だからこそ、なるべく変な間違いを起こさないようにと、みなさんの返事ではない、情報ではないリアルな話をしっかりと聞かせてもらい、できるだけ的確にモノ、コトを勧めるということが、街においての自転車屋、そしてコミュニティーの存在意義、役割なのだとも思っています。 そんな毎日をできるだけ丁寧に繰り返すことによって、私たちのような遊び人でも、その存在も許されるのかもしれません。

自転車は外から見ても中から見ても、どの角度から見てもやっぱり美しいです。 そんな美しい道具をこれからどんどんと移り変わっていくであろう社会において今以上に活用し、未来をイメージしていくのは、考えをしっかりと持ち、自らの力を自身でしっかりと使い切ることができる、正しい自転力を持った人たちの役目なのだと勝手に思っています。

ぜひBIKE FRIDAYを始めとする、様々な自転車たちがみなさまの人生の良き相棒になってくれることを信じ、困ったことがありましたらサークルズというコミュニティを頼ってみてはいかがでしょうか。 みなさまのご相談やお話を聞けることをスタッフ一同、心よりお待ちしております。

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kyutai
田中 慎也

空転する思いと考えを自転出来るところまで押し上げてみた2006年。自転し始めたその空間は更なる求心力を持ちより多く、より高くへと僕を運んでいくのだろうか。多くの仲間に支えられ、助けられて回り続ける回転はローリングストーンズの様に生き長らえることができるのならば素直にとても嬉しいのです。既成概念をぶっ飛ばしてあなただけの自転力に置き換えてくれるのなら僕は何時でも一緒に漕ぎ進めていきたいと思っているのだから。
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