【BIKE of the WEEK】Cielo Sportif racer

ELUSIVEの西川くんからシエロ再塗装の相談が来た。

「そろそろ傷も増えて来たから、同じ色に再塗装したいんやけどデカールとかある?ずっと乗るからできれば防錆もやりたい。」

やあ、これはシンプルにして完璧なオーダーである。

ついつい薄っぺらい個性を出したくなる自分は、すぐに独自の色で塗り替えてしまいたくなるのだけど、最近ようやくそうでは無いプロダクトのあり方がある事を学び始めた。

もちろん、オリジナル至上主義が全てに当てはまる訳ではない。そのプロダクトの背景にある思想や理念の価値をしかり理解すれば、長く使うプロダクトとどう向き合うのが最適なのか分かってくるはずだ。

なにやら面倒そうではあるし、そんな事を意識しないでパッと理解できる天才もいる。そういった機微に鈍感な自分にとっては、こういう依頼が来るたびにハッとして理解の深まるのだった。本当にありがたい。

防錆処理について

実車でも写真でも見た目では分からないが、オリジナルのシエロブルーの下にはパーカライジング処理という防錆を実施してある。まだ球体ペイントの正規メニューには載っていないが、大事な鉄フレームの塗装の際には実施できる場合もあるので問合せて欲しい。

以前住んでいた家の近くに、クラシックベンツ専門のお店があった。ピカピカしたショールームではなく、街の自動車修理工場みたいなところに、古き良き時代のベンツが次々に持ち込まれて修理されていた。走行距離に応じてもらえるエンブレムがフロントグリルに付いている車体も多い。

そして、奇をてらったり、現代的にアップデートされた個体はほぼ無かった。走行距離100万キロを越えてもなお、昔と同じ佇まいで走り続けられるもの。そこに価値を見出す世界があるのだ。

時間もお金もかけ、再塗装してもう一度組み上げられたシエロを見て、その光景を思い出したのだった。

Photo by Kosuke Nishikawa


サークルズの塗装部門”球体ペイント”

https://kyutai-paint.com/

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monjya
武井良祐

もんじゃです。CirclesやSimWorksのWEBまわりを担当しています。その他にバイクロアを開催したり、駐輪サービスCYCLE CLOAKなど色々やっています。祭りや建築、温泉、山、イベントなど面白い目的地を目指してライドに行くのが好きです。
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