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この可愛さの内に秘めた逞しさといったら – BASSI RACHELを自分で組んだよ

ー何ごとも経験に勝るものなし
メリノウールの良さは使ってみるまでわからなかったし、
自転車で川を下るのも、勢いさえもっていけば案外いけた。
100km走ってみたら、どうすれば200km走れるのかイメージが湧いた。

経験してみてわかること、見えてくるものって沢山あるもので
それは人に聞くより何十倍も何百倍も価値があるものだと思います。

そんなことを自分に言い聞かせてお財布事情を誤魔化しながら、「イイ!」と思ったパーツをとびきり贅沢に盛り込んだ自転車を組みました!!

BASSI BIKES Rachel / バッシ レイチェル

やっぱり目を惹くミキスト/ステップスルーフレームに、Rachelの上品なブルー。身長151cmの私は47cmのフレームサイズを選びました。カラーもさることながら「RACHEL」のフォントも可愛くて気に入っています。もっとスペックのことを重視しなさい!と言われちゃいそうですが、実際そういうところから惹かれていくのもリアル。見た目だってとっても大切ですよねっ!

ズボラなわたしの救世主「SON Nabendynamo」

わたしが最も贅沢をしたかもしれないパーツは、こちら。
SON NABENDYNAMO Son Delux / ソン デラックス
Son Nabendynamo Edelux II

初めはこのライトをつけているお客様の自転車を見て、コロンと丸くてスタイリッシュなデザインに一目惚れ。
漕ぎ出すことによってハブダイナモという発電機を搭載したハブから電力が供給され、ライトが点灯する仕組みになっています。

一般的に使われている発電型ライトは、タイヤの側面で摩擦を生じさせる「ブロックダイナモライト」というタイプ。摩擦を起こすことでペダルを重たく感じることがあります。(ウィ〜ンという音が鳴るものも。)
ところがしかし!ハブダイナモは、ハブに発電機が内蔵されていることで摩擦はほとんど感じません!(言われなかったら気づかないくらい!)
実際に使ってみると漕ぐだけでライトが点灯するので、夕方の暗くなり始める時間帯のつけ忘れや、充電の心配などが全くないことがノンストレス!!ライトの充電が面倒に感じてしまうわたしにはまさにピッタリで、ハブダイナモの恩恵を十分に感じています。

時代を逆行するクラシカルなシフター

今となってはブレーキレバーとシフトレバーはセットになっているイメージが強いでしょう。そしてさらにそれは極力手元を動かさず、よりスピーディーに操作ができる利便性あってのこと。絶対その方が使い勝手いいだろう、とわたしの左脳(倫理的思考)は理解しつつも、右脳(直感的思考)が「違う、こっちだ!」と言うんです。それが microSHIFT のダウンチューブシフター。

レバーをカチカチと押したり引いたりすることでシフトチェンジされるダウンチューブシフターは、現在のデュアルコントロールレバーが開発される前、かつてのロードバイクに広く使われていたようです。わざわざ手を伸ばしてカチカチとするこの操作感、レバーの音・・たまらない!(カチカチカチっ)

街乗り✖️ドロップハンドル

異色な組み合わせにも見えるハンドルは、あえてドロップハンドルにしてみました。
ステップスルーは跨りやすく、いわゆるママチャリとして乗られることが多いフレーム。そのままママチャリ風に仕上げても良かったのですが、元々ロードバイクに乗っていた名残でドロップハンドルの方が馴染みがあったのと、スポーツ感も出したかった。考えてみればロングライドも好きなので、さんぽう良し!
GHOOOSTのツイストフラワーで可愛さ増し増し♩

逞しさを求めて

ここまではとにかく見た目重視、可愛いが詰まった1台になるようチョイスしてきましたが、ここからは「どういうシーンで乗りたいか」を考えて、よりタフに仕上げました。

今までロードに乗っていたわたしにとって、ダートな道を走るのは憧れの一つ。こんな太いタイヤだったら、キャンプにも自転車で行けちゃうだろうなぁ・・・と夢見つつ選んだのは、SimWorks by PANARACERの「The Homage / オマージュ

そんな道も走るんだとすれば、わたしの脚力だとフロントシングルは厳しいかも、と、自分を甘やかしてSHIMANOの「SORA」で2×9スピードにしました。街乗りだけで考えたら十分すぎる変速幅!

そして最後にラック。これはまさにわたしのために!と思うようなNITTOの「Campee 32R Rear Rack / キャンピー 32Rリアラック」。なんと16kgもの積載を叶えてくれるこのラックは、浅井さんが「ちゃんマイにはこれだ」と選んでくれたものでした。これだけ積めればキャンプはもちろん、ツーリングにもバッチリ!

これなら安心して身を任せられる!!いや、身だけでなく沢山の衣食住を詰め込んだ1台にできる!!!可愛いながらも、この秘めたる逞しさがこのRachelの魅力だと感じています。

実はもう組み上げてから3ヶ月以上経っていました。いちごライドを皮切りに、日常的にも、先月行われたOMM BIKEにもこの子と一緒に走っています。

最初に述べた通り、経験に勝ることなし。
「物は試し」とも言いますが、
こういうシーンではこれがいい
これは普段使いにはオーバースペックだ
この重量は削れそう・・など、乗っていくうちに色々なことが見えてきます。

生活スタイルや好奇心の向かう方向で、自分にとってのベストは常に変化してゆくでしょう。これからも「今の」自分のベストを模索しながら、「あーでもない、こーでもない」して相棒との自転車ライフを楽しんでいこっと思います!!

FrameBASSI BIKES Rachel Frameset / Size : 47
HeadsetCHRIS KING GripNut 1″
HandleNITTO OLYMPIADE B113
StemNITTO UI-2 60mm 26.0 SIL
TireSIMWORKS The Homage 26″
RimVELOCITY Nobs
HubFront : SON NABENDYNAMO Son Delux 32H Polished / Rear : VELOCITY Race Rear Hub
Main GroupSHIMANO SORA Group Set / Front Double
ShiftermicroSHIFT Downtube Shifters – SHIMANO Road 2/3×9 Speed
CrankSUGINO VP Crank Double
SaddleSTEVE POTTS BICYCLES Chinook Saddle / Brown
SeatpostSIMWORKS Beatnik Post
RackCampee 32R Rear Rack
LightSON NABENDYNAMO Edelux II

#4ちゃんマイ休憩室

ついつい自転車の完成形をお披露目する気持ちが先走って、「使う経験」の話ばかりしてしまいましたが、自転車を「組み立てる経験」こそ自分にとっては新鮮そのものでした。

組み始めの日、2時間かけて進められたのはフレームのバリとりとヘッドセットの圧入まで。え!?ほぼ形変わっていないが!??と、この先掛かる時間を想像して絶望しつつ、メカニックへのリスペクトが爆発しました。

そして立て続けに心をもがれるのが、ホイール組み。
諸先輩方から、初めは1番時間が掛かる作業だと聞いていたので心していましたが、予想以上。作業自体は思いの外楽しく、集中して黙々と進めるのは好きでした。
リムの前後を間違えるだとか、左右を間違えるだとか、スポークの長さが違うだとか、一連の初心者ありがちミスを沢山聞いていたので、大きなミスなく進めます。

そして気がつくのです。これ、終わりを決めるのが難しいんだ・・・。

わずかなズレを微調整しながら進める作業は、終わりがない。
どこまで正確さを求めるか、普段はズボラなのにやると決めたら徹底的にやりたくなる典型的AB型なわたしは、気がつくとどこまでいっても終われない無限ループに突入していました。

自転車の形が見えてきてからはとにかく難しくて、それでも徐々に形になっていくのが面白くて、閉店後に先輩を捕まえては毎晩遅くまで教えてもらいました。時にはボス直々に教えてもらうことも。

本当にたくさんの方の支えがあり、ようやく完成した一台。
大事に大事に漕ぎ続けようと思います。

小さい頃は色んなことが「新しい経験」だったけど、30年(以上・・)生きていれば新しい経験ができる機会って意外と減ってしまいますよね。
・・・いや本当にそうなのか?飛び込む勇気や活力がなくなっているだけじゃないか?見渡してみたら、まだ経験したことがないことが沢山転がっていないか?

つまりはそう言うことです。

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ちゃんマイ!
福島舞花

よなよな深夜ラジオを聴いていますアクティブなネクラ。自転車でゆる〜っと走って焚き火をするのが好きです。プリンは一口で食べれます。
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