Words by @_paul_u from Slow Spin Society / Photos by @_3l05_
先日開催されたWEISのPOP UPにも帯同してくれた、SimWorks EUROのPaul/ポールが運営している自転車メディア・Slow Spin Societyで取り上げているOMNIUM Nanoのレビュー記事をご紹介します。
OMNIUMチームとも交友が深く、リリースに先駆けていち早くNanoに乗っていた彼によるレビュー記事、NanoをはじめOMNIUMのカーゴバイクをご検討されている方は是非ご一読ください。

OMNIUM / オムニウムのバイクは、間違いなくヨーロッパ市場を意識して生まれたものだ。西ヨーロッパの都市に整備された自転車インフラが、Cargo、Mini-Max、Mini、CXCといったラインナップを形作ってきた。それぞれが、私たちのライフスタイルや住環境に、何らかの形でフィットするように設計されている。
そして、都市で自由に移動するためにカーゴバイクがますます重要になっている一方で、こうした大都市では、アパートの一平方メートルさえ無駄にできないという現実もある。
これまでSlow Spin Societyではいくつかのコンパクトカーゴを紹介してきたが、今回はその中でも最小で、おそらく最も軽快な一台を紹介したい。OMNIUM Nanoだ。

2月中旬、OMNIUMからNanoのテストバイクを送ってもらった。最新モデルをいち早く試せることにワクワクしていた反面、数週間後には日本へ出発する予定があり、乗れる時間が限られてしまったのは少し残念だった。
とはいえ、日本滞在中に名古屋のCirclesとCircles Tailoredで、なんともう2台のNanoに出会うことができた。友人のGoと一緒に街を軽く流しながら、写真を撮る機会にも恵まれた。

ここでまず言いたいのは、このNanoの「ワンサイズ設計」の良さだ。OMNIUMによると、サドル高を調整するだけで身長160cmから190cmまで対応できるという。つまり、どのNanoに乗っても問題なく、友人とも気軽にシェアできるということだ。クイックリリースのシートクランプやドロッパーポストがあれば、その手軽さはさらに増す。
実際、Goと僕は“パステルピンク”(OMNIUMの新色)と“ボトルグリーン”の2台を乗り比べながら、サドル高が違っていても気軽に交換して走ることができた。
名古屋で乗っていて感じたのは、このNanoが本当に多才な乗り物として設計されているということだ。コンパクトなサイズのおかげで、電車にもそれほど苦労せず持ち込める。1メートル未満のホイールベースに加え、新しいチルト式ラックブラケットの組み合わせは、公共交通機関との相性もいい。

ただし、サイズだけが魅力ではない。もう一つは、そのどこか“可愛らしい”見た目だ。実際にこのバイクを見て話した人たちも、圧倒されるというよりは、むしろ興味を持って近づいてくる印象だった。
フルサイズのカーゴバイクと違い、Nanoはとても親しみやすい。リンク式のステアリングではなくダイレクトな操作感で、低いスタンドオーバーも相まって、初めてでも直感的に乗ることができる。誰でもすぐに馴染めるバイクだ。
ホイールベースが短いにもかかわらず、フロントラックに荷物を載せたときに前に倒れそうな不安もほとんどない。体のバランスで自然に補えるので、最大40kgまで無理なく扱える。

とはいえ、日常的にフル積載で使うことはあまりないだろう。このバイクが本領を発揮するのは、短距離の移動で、背中に背負いたくない少しかさばる荷物を運ぶときだ。花束、ちょっとした買い物、バッグ類、あるいは日曜のピクニック一式まで。

扱いやすさと、カーゴバイクへの入り口としての敷居の低さに加えて、Nanoは遊び心のあるライディングを好む経験者にも刺さるはずだ。20インチホイール(2.15インチタイヤに最適化)は、どこかBMX的な動きをしたくなる感覚を呼び起こす。完成車で約16kgという重量がありながら、そう思わせてくるのが面白い。
よりこだわりたい人向けに、フレームセットも用意されている。リアの142mmスルーアクスル用ドロップアウトを、135mmクイックリリースに交換することも可能で、内装ハブやシングルスピードにも対応できる。
少しだけスペックの話をすると、11–36Tのカセットと42Tチェーンリングの組み合わせは非常にバランスがいい。ローギアもハイギアも不足を感じることはなく、特に荷物を積んだ状態でもしっかり機能するように、よく考えられているのが伝わってくる。
ブレーキについても、Mini-Maxで荷物をしっかり積んだ状態では少し物足りなく感じることがあったエントリーレベルの油圧ブレーキでも、Nanoでは十分以上に機能する。その他のパーツもいわゆるOEM仕様だが、問題なく使えるレベルだ。
そして何より、68mm BSAボトムブラケットや1 1/8インチのアヘッドなど、標準規格で構成されているため、カスタムの自由度が非常に高い。これは今後かなり楽しみなポイントだ。
数年前、東京で友人とMini-Maxを共同購入したことがある。毎日必要なわけではなかったけれど、街でいろいろなものを運ぶために、どうしても欲しかった。
そういう意味で、Nanoはその延長線上にある存在だ。ただし、よりシンプルで、より手に取りやすい価格帯になっていて、より多くの人に響くバイクになっている。
そしてこのコンパクトさこそが最大の魅力であり、「カーゴバイクが気になるけど迷っている」という人の背中を押してくれるはずだ。

まとめると、Nanoは“スタイルのある都市移動”への入り口として完璧な一台だと思う。日常の用事には十分な積載力があり、20インチホイール特有の慣性の少なさも、むしろ新しい乗り方への誘いになる。ゆっくり走り、細い路地に入り、縁石を越え、街の中をより自由に探索する。
フルサイズのカーゴバイクの代わりにはならないかもしれない。でも多くの人にとっては、それで十分どころか、それ以上の存在になるはずだ。扱いやすく、停めやすく、持ち運びやすく、見た目も可愛くて、そして何より——思っている以上に楽しい。

良かった点:
・コンパクトで軽快。多くの人がシェアできる、カーゴバイクへの理想的な入り口でありながら、とにかく楽しい一台
・ダイレクトステアリング(リンクなし)で直感的、安心感のある操作性
・どちらのカラーも質感が高く、特にグリーンは日差しの中で映える
・専用規格に頼らない堅牢なフレーム設計
・フェンダー、ダイナモホイール、ドロッパーポスト、プラットフォーム拡張など、豊富なカスタムオプション
・楕円形のリアステーが美しく、どこかRick Hunter的な雰囲気
気になった点:
・フェンダー装着時のタイヤクリアランスが公式では55mmまで。フェンダーなしで2.3インチまで入る例もあるが、BMX用20インチタイヤの主流である2.4インチに届かないのは少し惜しい(フレームというよりチェーンラインの問題らしい)
・キックスタンドは少し引き上げにくいが、柔らかくて不安定なものよりはむしろ良い
