SHIMANOと聞いてまず思い浮かべるのは、やっぱり変速機やブレーキなどの自転車パーツですが、釣具の世界でも長い歴史を持つSHIMANOは、その技術を活かしたクーラーボックスもつくっています。

今回試したのは、ハードタイプの「VACILAND」と、ソフトタイプの「Mini Cooler Bag Pro」。
VACILANDは2泊3日のOMMの食糧庫として、Mini Cooler Bag Proは炎天下のライドへ持ち出して、それぞれの保冷力と使い勝手を試してみました。
OMMで2泊3日の食糧庫として使う、VACILAND

釣りの世界で培ってきたSHIMANOの保冷技術を活かしたクーラーボックスで、今回使用したSTには発泡ウレタンが採用されています。
最大氷保持期間は、32Lで5.5日、40Lで6.5日。
もちろんこれは、容量の40%に相当する氷を入れ、30℃で9時間、20℃で15時間というサイクルを繰り返して計測したSHIMANO独自の試験による数値。実際の使用環境では、外気温や日射、開閉回数、中に入れるものによって結果は変わります。
なので「本当に6日間冷たい!」という話ではありません。
むしろ今回知りたかったのは、スペック表の数字ではなく、真夏の外遊びで普通に使ってみてどうなのか、というリアルなレビュー。
2泊3日のOMMでは、飲み物だけではなく、肉や野菜、そのほか傷ませたくない食材をまとめてVACILANDへ。凍らせた2Lのペットボトルを保冷剤兼飲料水として入れておくと便利です。

ちなみに冷凍の焼きおにぎりはなるべく開け閉めの少なくて済むようにパッキングしたこともあり、2日目の夜までカッチカチでした。

VACILANDは、パッキンを強く圧着させる高密閉構造を採用しながら、テコの原理を使ったレバーによって比較的軽い力で開閉でき、さらに蓋は左右どちらからも開き、そのまま取り外すことも可能です。
これが地味に便利〜。

キャンプサイトというのは、気がつけばクーラーの周りにもテーブルや椅子や荷物が増えていくので、「どちらからでも開く」というだけで、わざわざ本体の向きを変える必要がありません。
水抜き栓もあり、使い終わった後の片付けまでよく考えられています。

釣り道具として長年クーラーをつくってきたメーカーなんだな、というのは、こういうところでつくづく感じさせてくれます。
ただし、重い
良いことばかりではありません。
VACILAND ELは、本体だけで32Lが9.0kg、40Lが9.5kgあります。そこへ食材、飲み物、氷や保冷剤を詰めれば、当然かなりの重量になります。

これは持って歩くための道具というより、車でキャンプサイトまで運び、そこをベースに数日過ごすような使い方に向いていると思います。
でも、その重さには理由があります。軽さよりも、数日間安心して食材を預けられること。VACILANDは、そちらを選んだ道具です。

自転車で言えば、軽量レーシングバイクではなく、荷物を積んで遠くへ行くツーリングバイクみたいなもの、と言ったらわかりやすいでしょうか。
得意な仕事がはっきりしています。
そして、自転車にはMini Cooler Bag Pro
一方、自転車で使うなら話はまったく別。
炎天下のレースへ持ち出したMini Cooler Bag Proは、VACILANDとはかなり性格の違うクーラーでした。

今回はこれをレース中のバッグの中に仕込み、飲み物とブドウを入れて走ってみました。
真夏のレースですから、当然ずっと暑い。走っている間は風があるのでまだいいのですが、止まった途端に一気に汗が噴き出します。
そんな途中、川に入って身体を冷やしながらバッグから取り出したブドウが、これがまだかなりひんやりしていました。

川の冷たさと、冷えたブドウ。
文字にすれば大したことではないように聞こえますが、炎天下を走った先で、冷たいものを口にできる幸福感は格別です。BIVOもそうですが、その一口のためなら、多少荷物が増えても持ち運びたくなる。そして「暑いから、もう帰ろう」を、「暑いけど、もう少し遊びたい!」に変えてくれる。
Cooler Bag Proは、そんな道具のひとつです。

レース終わりの5時間後には流石に氷は溶けていましたが、溶けた水は冷たいままでした。ただ水滴で結構本体が濡れてしまっていたので、一緒にいれるものや入れ方には注意が必要。(パニアにいれるために縦で入れていたのが原因かも)
炎天下へ持ち出してみても、「ちょっと冷たい」ではなく、ちゃんとリフレッシュできるくらいの冷たさが残っていたのは印象的でした。でも、自転車乗りとして面白かったのは、保冷力だけではありません。
このくらいのサイズなら、バッグの中へそのままインできること。

大げさなクーラーボックスを持っていくのではなく、普段使っているバッグの中に“小さな冷蔵庫”を忍ばせておける。それがMini Cooler Bag Proの使い勝手の幅広さなのかもしれません。
クーラーがあると、夏の遊び方が少し変わる
今回、ふたつを使ってみて思ったのは、保冷力の数字そのものよりも、クーラーがちゃんと仕事をしてくれると、夏の外遊びに少し余裕が生まれるということでした。

「これ、傷まないかな」
「まだ冷たいかな」
「早く飲んじゃった方がいいかな」
そんなことをいちいち考えなくていい。
クーラーボックスなんて、冷えればいい。
たしかにその通りですが、自転車だって、走ればなんでもいいわけじゃない。
どこへ行くのか。
何を持っていくのか。
何日遊ぶのか。

その使い方にちゃんと合った道具を選ぶと、遊びは少しだけ自由になります。
まだまだ暑い日は続きます。冷たい飲み物と食べ物を連れて、夏の続きを遊びに行きましょう!

Cooler Bag シリーズ
VACILANDシリーズ