来店予約はこちら

RIDEALIVE 2017 Vol.2 Shizuoka – Kamo

Summer Challenge

今回のRIDEALIVEは「キャンプツーリングが初めての人でも楽しめる」というのがテーマで、アンバサダーとなったGreenCog / グリーンコグ山本さんは地元浜松で親しまれている浜名湖一周を、今年4月に自分のお店となるHappy&Slappyをオープンしたハッピーさんは自らが好きなサーフィンなどのアクティビティをメインにしたルートをプランニングしていた。

そんな中、僕がアテンドしたのは新城駅から山越え峠越えで浜松を目指す Summer Challengeなルート。 もちろん、それには理由があった。

初めてだけど経験者と一緒に走れる時にこそ、一歩踏み出して普段は挑戦しづらいことを経験してもらいたい。 何事もそれが楽しいか嫌いはやってみないと分からない。 そんな思いで地図とにらめっこをした結果だった。

参加者の方に各ルートの案内を送ると、ハマイチ、アクティビティ、新城と続々と返答が来る。 そんなところにいきなりの紅一点、いや紅二点。 バスケ一筋の真面目っ子で、ついこの前に新しい自転車を手に入れたアリバガールあっちゃんと、ロッククライマーな、こちらもアリバガールのニシパンが参加に手を挙げてくれた。
本心では(男だけのRIDEALIVEにならなくて良かった…)と一安心、と思った矢先なんと紅三点目となる、ポートランドリビング昨年のGCRでお手伝いをしてくれていたナナコ氏が「2人が行くならワタシも!」と言ったか言わないか続いて手を挙げたのである。

この瞬間が「Summer Challenge」の始まりでもあった。

不安でしょうがなかった

準備でバタバタとしているとアッという間に当日になった。
無事に3人とも輪行して駅に辿り着いてくれ、先に着いていた参加者の方の助けも借りつつ、輪行解除とパッキングを済ませた。 出発の時間までは少しあったので、近くの、本当に近くのコンビニでの追加のドリンクなどの調達を促す。 3人とも元気に「いってきまーす」と言ったものの、十数分後に戻ってきた時は手には何も持っておらず、「コンビニ見つかりませんでした…」との嘆きの声。 待っていた全員が「スマフォで調べなさいよ…」と思ったに違いない。

ライドの時は「大抵何とかなるだろう」と脳天気ポジティブ思考で、お昼は何を食べようかと考えている僕だがキャンプツーリングもロングライドも数えるほどしか… という彼女たちがいるともなれば、ランチは不安の盛り合わせで決まりつつあった。 しかも、先述したナナコは“もんじゃ氏との納車ライド”での30km程が最長乗車記録だったりする。 唯一に近い望みは「吹奏楽部だったから持久力はあります!」の意気込み。
さあ、今回の夏休みはどうなることやらと不安を抱えつつも、靴底を地面からペダルへと踏み移した。

やはり、思い出は美化されていた

新城駅からは愛知県道69号、国道257号と県道を繋いで走っていたが川沿いを離れた途端に斜度がキツくなり、順調だったグループライドもバラバラとなり各々が自分のペースで登っていく。
学生の頃にも走ったことがあった道で、斜度はそれなりにあったけど山の中腹の駐車場までしか走れないので意外とあっさり登り終わったと記憶していたが、現実と思い出はそう上手くは結ばれない。

当のナナコは、前夜に豊橋か自走入りをした僕とコーヘーさんにヤンヤ、ヤンヤと言われながらもサドルから降りて押すことなく、自分の脚で、自分の力で、自分の気持ちでペダルを踏んで夏の挑戦を登りきった。

「はあ~~終わった~~~!!」
登り切って誰しもが口にした言葉。 もちろん、まだ終わりではないけど一番のチャレンジポイントは無事達成。 あとは山を下って、ケイタさんの美味しい料理が待つ浜松を目指すのみ。 だけど、その前に忘れちゃいけないモノが。

そう、頑張ったらご褒美がないとね。 口入れた瞬間にヒートダウンしていた身体が生き返る。 「あぁ…美味い… でも、こうやってキツかった思い出が美化されていくんだろうな…」 と思いながら、スプーンで冷たい氷を崩していった。

この後の行程とみんなの疲労を考えると、18時半に村櫛ビーチのタリカーナでカンパーイするためには、パークウェイの駐車上から歩いて行く鳳来寺には目を瞑るしかなかった。 眼下に広がる山々が美しく、しかもある山の一部にハートマークが見える景色は彼女の中で思い出が美化されて友人を誘ってここにまた登った時のご褒美にしておこう。

そうと決まれば、美味しいご飯が待つキャンプ場を目指して南下するのみ。 途中、道の駅でお腹を満たしてガンガン進む。ちょっと一休みで温泉で一日の疲れを溶かしながら湯船トークをしたら、夕刻で光る浜名湖を間近に見ながらサイクリングロードでタリカーナに到着。

ライドのゴールに楽しい時間と美味しいご飯が待っているなんて、ちょっと贅沢だけどあれだけ頑張ったのだから目一杯楽しんだってバチは当たらない。
「今日はどこ走ったんですか?」 「名古屋からですか?」 「明日どこ行こー?」、1人が集まり1つのコミュニティーになり、3つのコミュニティーが集まり1つのコミュニティーになった夜。 会話の後ろでは浜名湖の波の音がいつまでの続いていた。

挑戦と発見、そして挑戦

2日目は筋肉痛で昨日あれだけ走ったから…と、なることもなく2日目の夜に配られたマップを見つつチェックポイントの目星を付ける。 やはり美味しいものと楽しいことは別腹なのはみんな同じらしい。

2日目はGreen Cogの山本さんオススメのスポットを巡るフリーライド形式。 僕らは弁天島近くのアイスクリーム、中田島砂丘、GrennCogのお隣のGSバーガーさんと1日目とは打って変わって浜松満喫ライドと相成った。

GSバーガーさんで念願のサバサンドを食べて満腹感と満足感でテラスに根が生えで誰かが「さあ、そろそろ温泉にでも」と海風に旗を振るかと思いきや、鶴の一声ならぬ、あっちゃんの一声「ブルーインパルスが見たい」。 さて、そこはどこかというと浜松の北西にあるエアパークで、ルートは浜松市の街中を通って行くことになり、閉館時間の30分前に着くことになりそうだった。 しかし、折角浜松に来ているから遊び尽くさない手はないと、スリープ機能が働き出したみんなに発破を掛けていざ出陣。 予定通りというか案の定、閉館30分前に到着。 気早な足取りでぐるっと見て回ったがそれだけでも予想以上に面白く、1日目の夜に山本さんが「ここオススメです!2時間は優に過ぎます!」と言っていた通りだった。

次は何をしようか

1日目に様々なことに挑戦して、2日目はその経験を活かしてルートを考えてチェックポイントを巡ったりして各々が思い描くRIDEALIVEを楽しんでゴールに辿り着いた。

タリカーナでの夜から、よりギュッと濃くなって繋がりが太くなったコミュニティーから生まれる笑い声は、naru蕎麦さんの料理をより一層美味しくさせていた。

初めのキャンプツーリングにシングルスピードで参加した方、楽しい時間を多くの人達に伝え方、アクティビティも経験して自転車の可能性を知ったか方々、そして初のロングライドで炎天下のヒルクライムを成し遂げた彼女たちへ、これからもrallifeを楽しんでもらうためにささやかながらプライズを送った。

自転車の楽しみ方は乗る人の数だけ存在する、と僕は思う。 キャンプライドやロングツーリング、レース、通勤、通学、買い物、お散歩。 そして、みんなそれぞれに好きな理由がある。

でも、好きなことだけを楽しむは少しだけ、本当はとても勿体無い。 今までやったことがないことに挑戦してみて、もしかしたら新しい発見をして楽しみ方が増えるかもしれない。 もしかしたら、やっぱりどこかしっくり来ないかも。 でも、そしたら今までの楽しみ方がより好きになるかもしれない。

何事も挑戦してみないと分からない。


TODAY’S RIDER

RIDEALIVE 2017 Vol.2 Shizuoka

FrameALL-CITYNatureBoy
HeadSetChrisKing1-1/8 NTS
HandleSimWorks by NITTOWild Honey Bar
StemSimWorks by NITTORhond Stem
RimVeloCity
TireSimWorks by PanaracerThe Homage
SeatBROOKSCambium
CogWhite Industries
BottleSimWorks ART COLLECTIVEPRIMITIVE ADVENTURE

TEXT by 加茂響 / PHOTO by 田中江理 / 加茂響


RIDEALIVE 2017 Shizuoka