【今、自転車産業で起きていること】

インタビュー翻訳:yoshi47

緊急事態宣言は延長されることとなり、店舗の営業についても先のブログでご案内した通り完全予約制での営業を継続させて頂くこととなりました。新型コロナウイルウス感染拡大が収束するにはまだまだ長期戦となりそうですが、この状況下でも自転車を活用している皆様の生活が少しでも豊かになるよう、私たち自転車屋としてできるベストを尽くしていきたいと考えております。

日々たくさんのご予約によるご来店、また遠方の方はウェブショップをご利用いただいたり、お問い合わせ頂いたりと、ありがたいことに多くのご依頼・ご相談を頂いております。そんな中、昨年から徐々に表面化してきたある事態により、多くの皆様にご迷惑をおかけしています。

それはずばり、欲しいものをすぐに手に入れることが難しくなっているという事です。

フレームから一台アッセンブルする場合や、ホイール組みなど様々な方面で長期にわたりお待たせしているお客様には本当に申し訳ありません。

コロナ禍の新しい生活様式の中で自転車というツールが見直されていることによる世界中での需要の増大に加え、自転車産業に止まらず各種産業において限られた材料資源による供給不足が重なったりと、様々な要因が重なって起こっている事態ですが、10年以上この産業に身を置く私にとっては今までに経験したことのない事態ですし、きっと私よりも長くこの産業に身を置かれている諸先輩方にとっても同じ事と思います。

今日は少し前の記事ではありますが、北米のMTBメディア VITAL MTB がSANTACRUZのCEOであるJoe Graneyに行ったインタビューが、自転車産業の今についてリアルに語られているなと思い、その内容を起こしてみました。少し長いですが、よろしければご覧ください。


このインタビューは2021年2月に行われたものです。尚、文中の写真は筆者が2019年にサンタクルズを訪れた際に撮影したもので、インタビューとは関係ありません。

ゴード:こんにちは。VITAL MTBのゴードです。今日はサンタクルズバイシクルのリーダーであるジョー・グラニーを迎えて色々と昨今の自転車ビジネスについて語ってもらいたいと思ってます。なぜ今自転車ショップに商品がないのか、なぜウェブショップを通した顧客たちが苛立ちを隠せないのか、色んなところから様々な情報が聞かれるなかで、真実はいかにというところなんだけれど、どうなんだろうジョー?

ジョー:そのことについて話をさせてくれるなんて感謝しかないね。みんな同じような質問を抱えていると思うし、インスタグラムのコメントや絶えずボイスメールが僕らのアカウントに来ているからここで話せることはとても良い機会だと思う。

ゴード:そうなんだ。じゃあ是非色々と聞かせて欲しい。

ジョー:今、新しい自転車をオーダーすると、2022年の3月から5月頃に完成して届けることができるっていう感じなんだ。通常だと2~3ヶ月くらいを目処にリードタイムはあるんだけれど、今では12ヶ月~15ヶ月くらいかかってしまう。もちろんオーダーが多いことはとても嬉しいことだと思う。だって航空会社やレストランなんかはコロナの影響で大変なんだから。でも、これはあまりにも異常な状態であり、絶対的に良いとは言えない状態ではあるんだ。

ゴード:旅行より自転車を買って外に出たいというのは、多少遠くへ行けなくても近場でストレスが発散できるということなのかな?だから自転車が今足りていないということ?

ジョー:そうだと思うよ。通常家で働くようにはしてるんだけれど、今は工場の中にいて、みんなあくせく働いているんだ。ここでサンタクルズの自転車は組み立てられているんだよ。でも、2020年3月にカリフォルニア州が最初だったと思うけれどロックダウンをした際には、実際に全ての工場を閉めなくてはいけなくて、従業員はみんな仕事に戻れるかどうか心配してたかな。完全にオーダーなんて無くなってしまうと思っていたし、失業するんじゃないかって思ってたんだ。でも、全く反対のことが起きてしまった。みんなロックダウンで家にいることが多くなって、家で遊べるものを探し始めたんだと思う。その時に自転車が売れ始めたんだ。これは単なる一時的なものではないと気づいた時、自転車ショップはみんな商品が無くなってしまうのではないかってすごく心配し始めてたよ。最初はキッズ自転車から、そして安い自転車なんかが売れ始めたり。反対に嬉しかったのは僕が初めてデザインをした自転車がトレイルで見かけたりできたことかな。みんなお金をもっと趣味なんかに費やすようになり始めたんだなって思ったよ。僕の友達や近所の人たちもマウンテンバイクを買い始めていてさ。ジムのメンバーシップがなくても運動できるしね。自然の中で自転車を走らせることで社交性を保てるというか、だってビールだって飲みに行くことができなくなっているご時世なんだからね。

ゴード:すぐには売り切れるとは思わなかったと言っていたけれど、いつ頃『あれ、自転車がどんどん無くなっていくぞ』と思い始めたのかな?

ジョー:2020年の5月くらいかな、代理店からのオーダーが入り始めてから明らかになってきたと思う。その後の6月も、7月もオーダーが絶えなかったよ。ただただクレイジーな感覚だった。その当時はどうしていいかわからなかったんだよ。だって、2020年の売り上げ見込みはあまり売れないだろうっていう感じだったのが、昨年の夏にはオーダーがその見込みを軽く上まってきたというか、他の会社も同じような現象が起こっていたと思うのだけれど、とてつもなく大きなオーダーが入り始め、部品のサプライヤーからはもう受注ができないなど言われたり、通常3ヶ月かかっていたものが、4ヶ月になり、その後9ヶ月、そして1ヶ月後には14ヶ月もかかることとなり、津波のようなオーダーはパーツを作る工場なんかに物凄い大きなプレッシャーをかけることになるんだ。

ゴード:例えば、サンタクルズや他の数多くのブランドたちがシマノのXTディレーラーなんかをたくさん欲しがれば、シマノは完全に他の部品のオーダーがストップしてしまうこともあり得るんだね?

ジョー:そうその通り。例えば、ブレーキ付きのサスペンションフォーク、ドライブトレイン、タイヤ、リム、ステム、サドルだったり。今なんて、新しいサドルをオーダーしたら400日も発送するまでかかるんだよ。びっくりだろ?

ゴード:それは信じられない!400日も待つなんて。

ジョー:それに取って代わるアイデアがなければ400日待つ以外どうしようもないんだよ。実際のところ、先のことを考えて進まなければならないのは事実で、今まで使ってなかった埃をかぶったクリスタルボールを磨いて、中を覗き込んで将来何が必要になるのかを占わなければって感じかな。で、今後新しい自転車も出てくるのだけれど、ショップに置かせてもらう前に全てのパーツなんかをチェックする必要があって、一応現地には検品をする人たちがいるのだけれど、僕らのエンジニアがそういったショップ巡りをすることなんて今じゃ隔離されるから不可能で、とても面倒な問題が出てきているんだ。だから、とりあえず将来のニーズを計画しつつ、今の状態にたいして慌てふためくことなく、やれることをやって、でも、できる限り自転車を必要としている人たちにちゃんと届けられるように頑張るしかないんだ。僕のホームエリアでは今では全く知らないライダーたちが増えていてさ。こんなこと今までなかったよ。

ゴード:今語ってくれたのはサンタクルズがアジアに自社工場があるという程で話しているんだよね?今は自分が欲しいフレームは全て生産することができるのかな?ただ自転車が組み上がるのを待つばかりっていう感じなのかな?

ジョー:僕らのフレーム供給は一番安定しているんじゃないかな。でも一夜にして2倍の数を作ることは絶対にできないよ。だって工場は生産数に比例して作られているんだから。こんな先行きが不透明な時代に2倍の生産数を達成させるために工場の拡張に対して出資するのはどうかと思うんだ。普通なら新しい工場なんてものは数年たたないと100%稼働しないんだよ。ここ6ヶ月くらいでパーツメーカーなんかが生産ラインの増幅をしたのは事実で、今なんて誰がビジネスをやっているかなんて全くわからないよ。まあ増やしても増やさなくてもどっちにしろストレスな事ではあるけれどね。そりゃあ需要が供給量を超えることの方が、全く需要がないより良いに決まっているけれどね。

ゴード:もちろんそうだね。パーツのシッピングコストについて色々聞くんだけれど、「12mくらいのコンテナは昔は4,000ドルくらいのシッピングだったのが今じゃ7,000ドルもかかる。」って。他にも何か問題はあったりするのかな?コーエンが言ってたのは「為替レートが自転車の値段を上げるのであって僕らに非があるわけじゃないんだ」って。他に何か問題なんかはあったりするのかな?

ジョー:サンタクルズの場合は他の会社とはちょっと違う状況ではあるんだ。というのも、コンプリートバイクを輸入することはしていないからね。僕らはここで自転車を組み立てるんだ。もちろんホイールだってここで組み立てる。輸入しているパーツは全て違う場所から来ているんだ。日本、ヨーロッパ、アジアから。そうなると、シッピングに関しては期日が遅れているのは確かかな。とりわけ際立った問題はどんなものか?って聞かれても難しいんだけれど、というのも既に直面しているものだったりもう終わったりしたものあったりしてね。そうだな、サンクスギビングあたりに自転車を入れるダンボール会社から連絡があって、もうすぐ資材が尽きるから1ヶ月は供給が無理だと言われたんだ。理由は、オンラインショッピングなどの配送が今まで以上に大きくなって、そういった配送資材がなくなっていったんだ。昨年、工場が閉鎖した時、山火事がサンタクルズでも起きたんだけれど、40人くらいが避難を強いられ、家を火事で無くしてしまった人もいたくらいだったんだ。その後も会社の中に煙が入ってきてしまっていて、とてもじゃないけれど働けるようなレベルの空気ではなかったよ。だから工場をもう一度閉鎖する必要が出てきてね。それに付け加えて、パーツやダンボールの欠品が続いて、コンテナのシッピングコストが跳ね上がり、今は港では荷物で渋滞中だと思うよ。ロングビーチ港では40から60くらいの船が荷物を下ろせるのはいつかと待っているんじゃないかな。港で働く人がコロナでいなくて、めちゃくちゃになっているって聞いているよ。まあ、悪いことは終わる気配はないね。このインタビューの5分前くらいなんて、誰かから僕に「サンタクルズマウンテンに住んでいる従業員たちは強制的に避難をしなくてはいけない」っていうテキストメッセージが来てさ。山火事で発生した残骸などが雨に混じってそのエリアに降ってくるということで。まあこれが2021年の始まりで、まだまだ厄介ごとは尽きないよ。

ゴード:あまり良いスタートではないみたいだね。山火事の後の初めての雨なのかな?

ジョー:今週には強風と大雨っていう予報だね。

ゴード:大変だなぁ。とにかく、どうやって将来の計画を立てる感じなのかな?さっき言っていたみたいに、今自転車をオーダーすると、2022年になってしまう。代理店やサンタクルズで働いている人たちなどはどうやって対処しているんだろう?

ジョー:とりあえずクリエイティブな思考で計画をしようとしているよ。どんなシナリオにも対処できるようにね。物が遅れることで、その間にできることとしては、ここで働いている人たちはどうするかってことを考えているよ。だって彼らに「働くことをやめて家に一度待機して欲しい」なんてことは言いたくないからね。とりあえず彼らが働くことができる環境を作るようにはしているよ。ここで一番重要なのは、とにかくここで働いている人たちを守ることだと思うんだ。工場を再始動させた時、さっきビルに入ってきた時、今まで一緒にいた人たちや僕自身の健康面は大丈夫かどうかを聞かれたんだ。体温を計ったり。なんか変な感じだったのは僕以外のみんなはマスクをつけてたことかな。まあ、とりあえず一番最初にやったことは、みんなが安全であること。先週かな、15人以上の感染者が出たりして、中にはルームメイトがここで働いていたり、彼氏、彼女、もっと言えば家族がここで働いていたりするから、もしその人たちが感染でもしていたら大変だから、15分間の手短な感染チェックをここでするようにしたり。とりあえず症状がで始めるような感じであればすぐに家で待機してもらえるような感じでね。あとは、次にやってくる部品がいつくるかを確定していつ自転車が組み立てられるかを計画したりしているよ。これから6ヶ月くらい組み立てる自転車はとりあえず予約販売が完了している状態なんだ。2~3ヶ月前には2021年モデルは全て完売になっていて、こんなに早く売れるとは思っていなかったから、とりあえずオーダーはストップさせているよ。今チャレンジしなければいけないのは、いつ新しいオーダーを開始できるかっていうことと、その自転車がいつ手に入ることができるかを計算することかな。質の問題もあったりするから、まあみんなが8ヶ月待てるというのであれば開始はできると思うけれど。まあ確実に8ヶ月後には自転車が手に入ると分かっていれば、世界の終わりのような絶望感はないと思うけれどね。そりゃ、8ヶ月後って約束されていて、また8ヶ月待たなければいけないというようなことであれば、最悪だろうけれど。とりあえず今は、今までになかったようなオーダーを冬にやっているんだ。今までの11月の販売量と比べると、今年が一番多いのではないかって思うよ。

サンタクルズで働くスタッフのバイク

ゴード:11月っていうのは1年で一番暇な月なのかな?

ジョー:その通り。11月、12月、1月は全く忙しくないよ。でも今は、みんな自転車を欲しがっている。この時期になると、工場で働く人たちは最小限にしていて、他のスタッフなんかは休暇を取ったり、次の春の到来を待つ感じなんだけれど、今はとりあえずどんどん忙しくなっている感じかな。もちろん過剰生産をするつもりもないし、範囲が決められた生産数になるけれどね。1年前は新しい自転車をオーダーすればすぐに手に入れることができるようなことは今は絶対にないということかな。

ゴード:新しいモデルに影響はないの?22年モデルを計画しているとしても、今は21年モデルをシッピングしているわけで。どうやってマネージメントをしているんだろう?

ジョー:さっきも言ったように、いつ自転車が工場から出荷されるかわからないご時世なんだよ。通常は安定した開発スケジュールがあって、難しい状態の中でもエンジニアチームなんかはとても良い仕事をしてくれていているのは確かだね。まあ出張をすることができないことがとても苦しい状況を生んでいるのも事実だけれど。今から12ヶ月~18ヶ月の間に新しいモデルを出すつもりではいるんだけれど、20年モデルのNOMADなんかは7月に出す予定が11月下旬から12月上旬に発売されたし、BULLETなんかも9月だったのが相当遅れたんだよ。ただ部品が届かなかったというだけでね。正確にスケジュールさせるのは今のところ難しい問題かな。

ゴード:イベントなんかがキャンセルされたりしたけれど、レースだったりマーケティングのためのイベントだったりっていうのはまだしたいと思っている?もしくはそういった類のものにも影響が出ているのかな?

ジョー:需要が増えればそういったイベントなんかにお金を使わず、生産の拡張に出資するのが当たり前と思うかもしれないけれど、昨年のワールドカップがなかったのは本当に悲しかったよ。で、僕らがレースイベントをしたときにはここ数年で最高のレースイベントができたと思っているんだ。僕らにとっては今まで受け継がれてきたものであり、僕らの存在意義でもあるのだから、レースイベントなんかから離れるつもりは全くないね。もちろんレースイベントはしたいと思っているよ。

ゴード:そうだね。グレッグ(グレッグ・ミナー)はレースの準備はしているって?

ジョー:準備はしているって言ってたよ。ルカ・ショーも明日オフィスに来るけれど、ダグ・フレッシュと遊ぶとか言ってたかな。で、新しいバイクのセットアップをして今シーズンの準備をしていくとか。

ゴード:そうなんだ。いいね。ペイダート(トレイルコースを整備したり新たに作ったりするために出資するプロジェクト)には何か影響はあったかな?だって1億円だなんて相当な金額だろうし。

ジョー:良い質問だね。昨年の3月と4月に起こったコロナ第一波の時は、ビジネスの観点からして一旦休業などをする場所が多かったし、資本が揺るがされることのないようにお金の使用を控えることが当たり前だと思われてたよね。会社が潰れてはいけないし、従業員もいるし、請求書も払わなければならないし。もちろん正しい判断だとは思う。けれど、お金を使わなければ前には進めないし、今はこれまで以上にお金を使うっていうのは必要なものだと思っているんだ。今はたくさんの人がトレイルでバイクを走らせている。もちろんもっとトレイルがあれば良いって昔は思ってたところだし、今まさにこの時がアウトドアスペースを設けることにチャンスがあるんじゃないかと思うんだ。それによって自転車産業のビジネスがまた返り咲くことも期待しているし。利益があればそれをまた改善させていくようなシステムにしていきたいんだ。このプロジェクトは僕らができる一番重要なことなんじゃないかって思うよ。合法のトレイルでマウンテンバイクを経験できる場所を提供するのは今がチャンスなんじゃないかな。マウンテンバイクを買って、外に出たはいいけれど、そこが違法な場所だって分かった途端、みんな自分たちのことをアウトローって感じるだろうしね。まるで違法歯科医みたいな気持ちになるんじゃないかな?(笑)だから、もっとみんながそういう事に関わって、それが政治的に動かせて、もっとお金が集まれば新しいトレイルなんかがもっと増えると思うんだ。まだまだ毛が生えた程度だけれど、人生で一度きりのチャンスだと思っているのは確かだよ。

ゴード:とても興味深い話だね。もし、僕がサンタクルズが大好きな客だとして、NOMADなんかが欲しいと思ったときにどうやったら自転車を買えるのかな?もうすでに全部売り切れてしまったと言っていたけれど、まだある程度は予約できたりするのかな?

ジョー:とりあえずみんながしなければいけないのは、周りを探ってみることかもしれないね。まずはローカルのバイクショップからスタートするみたいな。今みたいなご時世の中でローカルのバイクショップをサポートするのはとても大切な事だと思うんだ。経済的視点から見たら、勝者と敗者に分かれる中で大きな会社はどんどんお金儲けをしていると思うのだけれど、やっぱり小さなブティックや商店は人を店の中に入れられないことで苦しんでたり、店を開けたり閉めたりするのも考えなければいけないし、25%だけ人を入れられるってどんだけ難しいことかって思うんだ。夫婦でやっている店なんて尚更だよ。だから、みんなにはローカルのバイクショップを最初に試してもらいたい。で、サンタクルズを扱っている他のお店にも電話したり。お店に置いてある場合もあるしね。でもすぐに売れてしまうから、まずは電話してリストに入れてもらうんだ。ここから近くのバイクショップなんかはいつもノートに購入希望者リストを書いていて、自転車が入り次第順番に電話をかけていると言ってたよ。でも通常3番目くらいで売れてしまうから、早めにリストに入れてもらったほうが良いね。ただ、どんな自転車かとか、フレームカラーとかを気にしなければ新しい自転車は早く買えるんじゃないかな。

ゴード:そうだね。今後のマーケットはどんなふうになっていくかも聞きたいところで、もしワクチンが今年の秋までにみんなに行き届いた場合、そのままの状態が続くのか、それとも通常に戻るのか。みんな映画館やクルーズ船で楽しむようになって自転車は乗らなくなるのではないかと心配したりしないのかな?作りすぎた自転車が売れ残ったりするようなことって考えたことはある?

ジョー:それは本当にこの自転車産業においての大きな問題だと思うよ。自転車を作りすぎて、需要がなければ値段が下がるよね。そして、その負債を受け取るのが個人経営のバイクショップなんじゃないかな。取り分が下がって、ギリギリ破産しないでいる感じ。みんな本当に頑張っているショップばかりだから、それこそビジネス的教訓にはなるだろうけれど、他のバイクブランドはどう計画しているかは知らないけれど、僕たちは需要に対して確実に答えられるような成長はしようとは思っている。経済の動向のチェックも欠かさずしつつ、急にマイナスなことが起きうるから注意しておく必要もあるしね。まあこれは僕の悲観的な考えであって、楽観的な側面からだと、今ではたくさんの人が自転車に乗るようになって、今の状態が通常の生活スタイルに戻っとしても、15~20%くらいは利益が上がるんじゃないかなって思うんだよ。っていうのも、安い自転車を買った人が、この世界に没頭して、次はより良い自転車を買うと思うし、マウンテンバイクの世界ではもう一台を買う人だっていると思うんだ。あとは、子供達がトレイルで乗っているのをよく見かけるんだよ。土を掘ったり、ジビングをしたり、学校の後にみんなで遊んでたり。それが今の現状と考えるのであれば、とても素晴らしいことで10代の子供たちが週末を森の中で自転車を走らせて過ごすことで、これからもずっとはまっていくに決まっていると思うんだ。

ゴード:そうだね。もしオフィスにいなかったとして、テレポートできるとしたらどこにどんなバイクを持って行きたいかな?

ジョー:そうだな、こんな時代になる前は本当に色々なところへ行ってたよ。そんな旅をしつつも、こんな素晴らしいトレイルなんかがある場所に住めること自体が幸運なことで、10ヶ月くらいはオフィスを空にして1週間に5~6回くらいは地元のトレイルで走りたいかな。そうなれば幸せだよ。まあテレポートで行く場所としてはウィスラーにいる友達を訪ねに行くかな。7月のウィスラーバイクパークセッションを友人たちと混んだゴンドラに乗って楽しみたいね。ちょうど今頃が最高なんじゃないかな?で持って行くバイクは新しいNOMADだよ。最高のマシーンだね。

ゴード:29インチ派っていうよりも27.5インチ派?

ジョー:両方だよ。僕のガレージには29インチのTALLBOYと、27.5インチのNOMADがある。ミュレットバイクもあるよ。コースによって選ぶ感じかな。違う自転車を乗るっていうのは面白いよ。

ゴード:何か他に言い残したことはある?

ジョー:最後に言いたいのは、僕らと同じようにVITAL MTBのみんなもこんな状況下に置いてお互い元気にやっていけることを願ってるよ。VITAL MTBが僕らの話を世界中に聞かせてもらえるなんてありがたいことだよ。だから本当に感謝しているよ。

ゴード:今回はありがとう。とても興味深いことが聞けたと思うよ。あとはポップコーンでも食べながらこの世の中の成り行きを見守るしかないね。

ジョー:そうだね。とりあえずこの時代を生き抜いて、最後は笑いながら残りの人生を楽しみたいもんだね。

ゴード:ウィスラーで乾杯しよう!


私たちもSimWorksとして国内のメーカーさんとやりとりさせて頂いたり、またCHRIS KINGなど海外メーカーとも連絡を取り合っているのですが、やはりどこも同じ様子で、今までに経験したことのない膨大なオーダー数に対して、現状できる限りの生産を続けているという状況で、加えて材料不足も影を落としており、これは自転車産業に限らず多くの産業においても同じ事が起こっていると言えます。

まだまだこれからも納期のことでお待たせしてしまう状況が続くと思います。 もちろん決して今回お伝えした状況を言い訳にするつもりはありませんが、我々としては今できうる限りの最良のご提案ができるよう、常に頭を柔軟に、スタッフ各々が色んな引き出しを持って、皆様のご相談にお応えしていきたいと考えていますので、お気軽にご相談ください。

また、今回改めて強く伝えたいと思うのは、モノを作るというのは本当に大変であるという事です。 たとえ納期がかかるとしても、このような情勢の中でもモノを生み出してくれている作り手の方々には感謝しかありません。また、この機会に改めてご自身がお持ちのモノを使い切るってどういう事だろうと少しでもイメージを持っていただけたら、個人的にはとても嬉しく思います。