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憧れの錫杖岳へ

先日、クライミングを始めた頃から憧れだった北アルプスの錫杖岳に挑戦してきた。

錫杖岳は初級者から上級者まで楽しめるたくさんのルートがある。その中でも私たちは、「注文の多い料理店」というクラックのルートに挑む事になった。
1ヶ月ほど前から予定は決めていたのだが、なかなかジムや外岩に行けず、クラックの練習がほとんどできていなかった。本当に登れるのか1週間前からずっとそわそわしていた。

雨が降って中止になってくれないかなーとか、珍しく少しネガティブになる自分もいたが、せっかくのチャンスだしやりきろうと心に決めた。

取付きまでもなかなか大変な重装備

前日の夜から移動し、登山口近くの道の駅に到着。いつもなら仲間たちとお酒を飲み交わすのだが、今回は明日が勝負なので大人しくロング缶1本のみで我慢して就寝した。

4時に起床し登山口へと移動。まだ外は真っ暗だったので、ヘッドライトで照らしながらの山歩き。自分の装備は色々と削ったものの、ギア満載の荷物はなかなかヘビーでテント場までの2時間も大変だった。

通常だと渡渉する(川を渡る)場面があるのだが、今回は川の水が少なくそこは問題なくクリアー。

テント場へ到着するともう良い場所はほとんど埋まってしまい唯一残されていた場所がここ。樹林帯だし大丈夫だろうと、ギリギリのスペースになんとかテントを張って、荷物の整理を行った。ここから取付きまでは1時間程の歩きだが、そこまでもなかなか急登で大変だった。

ようやく取付き点まで到着。お互いのギアの確認を行った。

すでに1パーティ登っていて、私達のすぐ後からも1パーティやってきた。後からきたパーティは日帰りだったので先に登ってもらい、私たちはそのあとを行くことになったが、どちらのパーティもかなり苦戦している様子で一気に緊張感が増した。

今回一緒に行った仲間は4人。2人ずつの男子チームと女子チームに別れて登ることにした。1人だけ経験者がいたので先行してもらい、私たちは後を追う形で登らせてもらった。

ここの核心は3ピッチ目になるので、そこは先輩にお願いをし、奇数番は先輩、偶数番は私がリード(先に登ってロープを張る)する形に決めた。とはいえ2ピッチ目も4ピッチ目も怖い場面はあるので、気を抜くことはできなかった。

錫杖岳での挑戦がはじまった

いよいよ自分たちの番となり登攀を開始。1ピッチ目は特に怖い場面もなく気持ちにゆとりがあったが、2ピッチ目は自分がリードする番なので、一気に緊張感が増した。

取り付いてみるとワイドクラックは体の半身を挟み込みながら登っていけるので、とても楽しかった。しかし、壁面にボルトは打たれておらず、カムという登攀道具を使用してロープをかけていくのだが、実際落ちた時にこのカムは抜けずにちゃんと止まってくれるのか、そんな不安を伴っての登攀は本当に神経がすり減っていく。

2ピッチ目も無事に登りきって支点を構築し、先輩を引き上げる。先輩も無事到着。

次は今回の核心となる3ピッチ目、先輩のリードとなる。カムを架け替えたりしながら徐々に位置を動かし慎重に登っていく様子はビレー側の私も緊張した。

苦戦しながらも登りきった先輩に続いて私の番がきた。高度感があり、それだけでも体がすくむ。必死に登攀する途中、集中しすぎてカムを抜き忘れてしまった。取りに戻れなかったので一度ロープにテンションをかけてカムを回収することに。初歩的なミスでテンションをかけてしまいかなり悔しかった。そこからもかなりパワーが必要で、レストしながらなんとか登りきった。

登りきると緊張で口の中カラカラに。1人立てるくらいの狭いテラスで水分補給と補給食をさっと食べて、次のピッチへ向かった。出だしが怖いものの、縦に走ったクラックはすごく楽しく、無事クラックの終了点へたどり着いた。

そこからの水平のトラバースがあるのがこのルートのいやらしいところ。最初は戸惑ったが左手にアンダーで決まるホールドを見つけ、そこからはサクッと行けた。正直ここまできたらもう安心。後はもう快適ルートなので、一気に緊張が抜けた。

クライミングはつい岩ばかりに集中して登っていってしまうのだが、ふと周りを見渡したした瞬間に一気に高度が上がっていて、今までとは全く別の景色に様変わりしている事にいつも感動する。

最後まで登りきり、とても達成感のあるクライミングとなった。懸垂下降で取付き点まで戻りクライミング終了。

緊張で張り詰めた気持ちが一気にほぐれ、下山は足がフラフラだった。途中陽が落ちる様子もなんだか、感慨深く、あー無事戻ってこれたという安堵感でいっぱいになった。帰りはビールを飲みたいという衝動でみんな足早になってテント場へ戻ると、もう陽が落ちて真っ暗となっていた。

気持ちもお酒もいっぱい背負おう

テントに入るとまずはビールで今日の祝杯をあげた。どれだけ装備が重たくても、お酒だけは欠かせない。持ってきた焼酎やウイスキーも底をついてしまったので、おとなしく就寝して明日に備える事にした。

次の日は「左方カンテ」というルートを登る予定だったが、天気がよくなかったのでそのまま下山。新穂高温泉にて汗を流し帰路へとついた。

今回の山行は自分にとっての挑戦でもあり、常に緊張の連続で怖い場面もいくつかあったけれど、終始楽しくて今でもその興奮が身体の中に残っている。自分の今できる全部を出し切って楽しんだなーと思う。

もっともっと色々なところに登って、たくさんの景色見て、まだ味わったことのない感動や興奮を体験したい。そしてそれを伝えていけたらいいなとそう思える山行となった。

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