5月29日〜31日にかけて、私達アーリーバーズは臨時休業をいただいて東京にやってきた。
今回はPFMのミウミウも一緒。
目的は、ヘジホなどに出店に来てくださったり、日頃から一緒にお仕事をさせてもらっている関東圏の皆さんにお礼参りをすることと、いつも先端をいく大都市東京でいいお店をみて勉強するためだ。
いわば東京研修!
研修の内容はケイタさんの回遊録が面白くわかりやすいのでそちらもぜひ読んでいただきたい。
そのなかで、上野明日美的東京研修ということでひたすらにお菓子屋を巡ってきた時間もあったので、今回はそれを書かせてもらおうと思う。
お菓子に興味がある方も、あんまりない方も、普段からバナブレを食べてくださっている方も、どうぞこの焼き菓子脳内にお付き合いください!
DAY1
火曜日、元々仕事はお休みの日だった私は皆より一足先に東京へ向かうことにした。
せっかくなら東京で朝ごはんが食べたいなあ、と思って少し頑張って早起きをして、名古屋駅から東京行きの新幹線に乗り込む。もちろん、愛車のオールシティも一緒。品川駅で降りてからJR山の手線へ乗換えをし、今回最初に降り立ったのは原宿駅。輪行にもだいぶ慣れ、解体も組立もささっとできるようになった。もちろん自分の中での比較だが。
組立てたオールシティに跨り、お目当てのお店に向ってペダルを漕ぎだす。代々木公園の横を走りながら、こんな風に東京を自分の自転車で走るようになるなんて思ってもみなかったな、とわくわくが小さく込み上げてくるような不思議な感覚を覚えながら走る。
【ルヴァン富ヶ谷店】
本店は長野県上田市に店舗を構える、自然発酵種製法でパンを焼き上げているパン屋さん。
なにを隠そう、ここは我が師匠KAZさんが崇拝してやまない甲田幹夫さんのお店なのだ。日頃から熱烈な甲田さん愛を聞いていた私は、一度訪れてみたいと思っていた。お店は大通りに面したマンションの一階部分を使用して在るのだが、一歩店内に足を踏み入れるとそこは山の中にある小屋のような、温かみのあるこじんまりとした空間ができあがっていた。
木の板を使った陳列棚に、カンパーニュやバゲット、食パンなどのシンプルでスタンダードなパンから季節の素材を使ったパイやキッシュなども並ぶ。
そしてここで一番魅せられてしまったところは、隣接してつくってあるレストランLe chalet(ル・シアレ) だ。
ルヴァンのパンを使ったサンドイッチやプレートメニューが用意されたレストランで、ルヴァンで買ったパンをここで食べることもできる。
扉を設けず、テラス席のように解放的なつくりもそうだし、なによりそのお料理を作るキッチンをはじめ内装の可愛らしいこと。レンガを積み立ててできている壁や木材の家具、レトロな照明や調理器具などが最高のバランスで、まるで海外の田舎にあるようなお家を思わせるその空気感は感動ものだった。
私はルヴァンおすすめの3種のパンプレートを注文。その中でもカンパーニュが美味しすぎて、配送サービスがあるか聞いてしまったほど。できるとのことだったので、また自宅に注文しようと思っている。
【Merci BAKE】
ルヴァンから南へ20分ほど走ったあたりにある世田谷区松陰神社。
ここは古くからの商店街が続く通りで、最近は新しいお店もどんどんできて古いものと新しいものが入り混じったおもしろい場所になってきているところ。その中にあるのがメルシーベイクだ。フランスで修業をされていたという男性がオーナーのこの焼き菓子屋さん。二年程前に一度行ったことはあるが、お菓子を焼きはじめてから行くのは初めて。
店内で食べたのはバナナケーキとキャロットケーキ。やっぱり色々美味しそうでも、自分の焼いているケーキがあると迷わず選んでしまう。
バナナケーキはレイヤーになっていて、なかに薄く塗ってあるクリームが美味しいし見た目もきれい!パウンド型が多いなかでケーキ型のバナナケーキははじめてだ。上に黒糖みたいなお砂糖がふってあってそれも好みだったので、今度真似してみようかな〜。
キャロットケーキは小さいのにきれいなフォルムとクリームの飾りつけで存在感が抜群。
【Unicorn Bakery】
都内から30キロほど西に位置する国立市。メルシーベイクさんのあとは、自転車は置いて電車で移動。国立市駅から5分ほど歩いたところにあるユニコーンベーカリーさんは、アメリカとイギリスの家庭菓子をメインに置いているアメリカン・ブリティッシュベーカリーのお店。
手書きの看板に緑のツタが絡まり、まるでお伽話に出てくるような佇まい。
女性オーナーのお子さんだと思われる小さな女の子が中から手を降ってくれるのも愛らしい光景で自然に笑顔に。
バターや卵などの乳製品や小麦粉などは国産のもの、ナッツやチョコレートなどの素材はアメリカやイギリスのものを、という材料によってこだわりをもっているこのお店。
置いているお菓子もベーシックなものからあまり見たことないような郷土菓子など、海外のお母さんがお家で焼いてくれるような温かみのあるものが並んでいた。スパイスを使ったお菓子や夏に向けたお菓子に挑戦したいと思っていたので、スパイスのきいたマフィンやレモンバーを買ってみた。次回試作してみるべし。
【FOOD MOOD】
料理家、なかしましほさんのお菓子のお店。
「毎日ごはんのように食べれるおやつ」をテーマにレシピ本なども多く出版しているなかしまさんのお菓子は、植物性のものだけを使ってできているものばかり。
今そういう素材を使ったお菓子に興味のある私は、最近自宅でなかしまさんのレシピのおやつを焼いている。
ここでもバナナケーキを持ち帰り。
私のバナブレはバターを使っているけど、なかしまさんのおやつだからバターの代わりに油脂は植物油。それでもしっとり、やさしい甘み。季節に合わせたジャムや素材を挟んだシフォンサンドも人気のようだったので、今度はそれも食べてみたい。
なかしまさんのレシピでお菓子を焼いているだけに色々食べ比べてみたくて、クッキーなどを大量購入。材料ラベルを眺めながら味わうのが楽しみ。
【東京台湾】
3月のヘジホに出店に来てくれた中目黒にあるこのお店。
やっとお礼参りをしにお邪魔することができた。スタッフのスーさん、ランさん、コウキさんに東京台湾で会えたことが嬉しい!
この日の営業を終えて駆けつけてくれたアリバメンバーと合流し、東京にいる仲良しのお客さんも加わってみんなでわいわい、美味しい料理を囲みながら楽しい夜を過ごすことができた。
お料理、本当になにもかもが絶品!!名古屋にもあったらいいのに、と本気で思うお店です。
ごちそうさまでした!
DAY2
【タルイベーカリー】
代々木公園のすぐ近く、参宮橋にあるこちらは、一番最初に紹介した、ルヴァン出身の方がオーナーのパン屋さん。
タルイベーカリーさんにはバナナブレッドがあり、それを食べてみたかったのですでにお目当ては決まっていた。しかも置いてあるのは2種類のバナナブレッド。スタンダードなものと、もう一つはチョコレートとスパイスが効かせてあるもの。そのあまり見ないバナナブレッドが気になっていたので、まだ棚に並んでいて安心。
せっかくなので両方とも買って、公園でおやつにする。代々木公園でバナナブレッドの食べ比べなんてなんか贅沢というか不思議な光景というか、、。とにかく2種類とも美味しかった。
バナナにチョコレートとスパイスって、こんな風にまとまるんだな〜。
こちらも使っている材料はバターなどではなく、植物性のものというから驚き!そしてバナブレだけのつもりだったのに好きゆえについ一緒に買ってしまったスコーンが、とてつもなく好みのものだったのにも感激。ルヴァン時代からおこしている自家製酵母を使っているんだそう!
【DAY&NIGHT】
3月のヘジホで、エスケープ商店として出店に来てくれたバーガーマニアのオーナー、守口さんが新しくプロデュースされた白金にあるサンドイッチ屋さん。
角地と高架下そば、という立地条件にぴったりのかっこいい外観に、内装もたまらなく素敵だった。
こうやって出店に来てくれた方達のつくるものをゆっくり味わうことってやっぱり大事だし、また違う美味しさがある気がする。
【マルサラ飲食店】
三軒茶屋にある、創作おばんざいとお酒が楽しめるお店。
お料理そのものの存在感や彩り、素材の組み合わせなど全てにおいてうっとりするこのお店に一度は足を運んでみてほしいと思うのだが、私はここで働くひともまた好きだ。
大事な友達が4月中旬からこのマルサラ飲食店で働き始めた。ここで働くために名古屋から上京したのだ。
そんな行動力と勇気のある彼女と出会ったのは、今から二年ほど前で、場所は名古屋ではなく長野。
二人ともそれまで働いていた職場を辞め、次に進む道を絶賛模索中のころに訪れていた長野でたまたま出会った。
そのあと東京に行く予定だった私に、彼女はマルサラ飲食店のことを教えてくれたので実際に訪れてみたのが私がこのお店に訪れた最初の時。
ちょうどアーリーバーズで働いてみたいなあという思いがあった頃でもあったので、カウンターに座ってその時のスタッフのお姉さんとそんなことを話していた。
そうして二年後。マルサラ飲食店の魅力を教えてくれた彼女は上京してこのお店のスタッフに、私はアーリーバーズのスタッフとしてこのお店に訪れ、マルサラ飲食店のカウンター越しに、スタッフとお客さんの関係で顔を合わせていることになんとも言えない不思議な感覚があった。
巡り合わせとかご縁っていうものの力を改めて感じたし、すごく幸せな時間だったと思う。
頑張るひとの背中からは、いつも刺激をもらえる。自分の決めた道をひたむきに進もうとしている彼女の姿を見ていて思った。今でもこれからも、ずっと応援してるよーー!!
DAY3
【菓子工房ルスルス】
浅草にあるお菓子屋さん。
東麻布や銀座にも店舗があるようだが、今回私が向かったのは浅草のお店。
姉妹でお店をやられていて、喫茶営業やお菓子教室も開いていたりレシピ本なども多数出版されていたりと、活動が多彩な印象のルスルスさん。以前は定休日だったので、今回ようやく!
お店は落ち着いたトーンの照明で、シンプルでレトロな雰囲気のショーケースの中に、様々な種類のクッキーを中心に焼菓子たちが並んでいる。
クッキー達は他に比べて日持ちするものが多いので、ついつい買いすぎてしまう。今回も色々美味しそうで、あれもこれもと盛りだくさん。
ほんのり上品なくらいの甘さと、個人的にはクリームのたて方というか、ちょうど良すぎるかたさにびっくり。食感も楽しめるのに、とろんとクリーム感もある。どうやってつくっているんだろう。前々から気になっていたルスルスさんの新出版の本、「くわしくてていねいなお菓子の本」がますます欲しくなってきてしまった。。。買おうかな〜、そのうち買っちゃうだろうな〜。
【BUY ME STAND】
渋谷にある、朝食から食べられる今話題のサンドイッチ屋さん。
焼き菓子屋ではないけど、朝ご飯のお勉強もやっぱりしたい。
アメリカの海岸沿いにいるかのような色使いやインテリアの置かれた外観と内装で、気分はもうそちら。
二種類のホットサンドを注文。
パンの色やお皿の色が変わっていてそれだけで美味しそう。
どちらも美味しい!具材の組合せに限界はないのだろう。お菓子も意外な組合せがものすごく美味しかったりした時はテンションが上がるものだ。
(番外編)
1.すごくすごく行きたかったけど、定休日と重なってしまい行けなかったお店!
【サンデーベイクショップ】
渋谷区の初台にある、その名のとおり日曜日のお菓子屋さん。(最近は日曜日の他に水・金も営業日に!)
お菓子を焼くようになる前に一度訪れたことのあるお店で、その時ですら、ずらっっと並んだお菓子たちに目と心をぐいーっと奪われたのを覚えている。
なかなか実際には訪れられないけど、今私がお菓子を作っている中でなにもかもを参考にさせてもらっている大好きなお店!わくわくさせてくれる度ナンバーワン!
ご縁あってここで働くスタッフの女の子とも仲良くなり、今回も少しだけ東京で会うことができた。
彼女は自転車も乗るので、8月の女子限定ライドRIDEALIVE北海道にも参加予定!もっともっと仲良くなれそうで今から楽しみ!!
2.この研修旅行で一番お世話になったチーム!
【ALL YOURS】
池尻にオフィスを構えるアパレルブランド。
私たちの日常をより快適に、自由にするライフスペックを持つウェアを開発・製作し、サークルズでも取扱いさせてもらっているALL YOURSさん。
今回、個性豊かすぎるこちらの皆さんに一番お世話をしていただきました。本当にありがとうございました!
そして、新店舗オープンおめでとうございます。
いつも何かに挑戦していて、熱意が溢れていて、何度でも遊びに行きたいお店。
まだ他にも訪れたお店、行くべき場所はたくさんあるのだけど、書ききるといつものごとく長くなってしまうのでこのあたりまでにした方がいいのでは、、と思ったので、ここまでに。
こんな風にして東京研修を終えたのだけど、やっぱり人と「直接会う」って大切なこと。
相手と顔を合わせて、会話をして。そこでまたお互いの笑顔とかが見れたらなんか嬉しい。
行ってみたかったお店、食べてみたかったもの、会いたかった人、たくさんのしたかったことができてすごく充実した三日間だった。この時間に感謝して、今よりもっと美味しくてもっとワクワクするお菓子たちをお届けしたいと思います!!
人とお菓子とバナブレに囲まれた三日間、からっぽの状態で取り付けていたサドルバックが最終日には焼菓子でパンパンになっていたのは最近の旅ではいつものこと。