4月22日のアースデイの日に、Chris King 社が自転車業界では初めてとなる、B コーポレーションに認定されたとの発表がありました。
B コーポレーションとは、「B」は「Benefit(利益)」を意味しており、事業を通じて環境や社会に貢献し、従業員や職場環境にも配慮し、すなわち公益な活動を行っている企業のみに与えられる世界標準の認証です。
B コーポレーション認定を受けている代表的な企業としては、アウトドア大手のPatagonia、スノーボードブランドの Burton、Chris King と同じく Portland を拠点に置く New Seasons Market などがあります。
以下、Chris King 社からの声明をお届けします。
私たち自身が世界に求める変化となること
1976 年に Chris King がこの会社を立ち上げて以来、2 つの目標を掲げて会社を運営してきました。環境に配慮した方法で高品質な自転車パーツを生産すること、そして競技においてよりよい成績を上げ、捨てられずに使われ続けることです。
今でもこれらの考えを信じ、それを軸としてさらに広く活動をすすめ、この度 Chris King 社は厳格な B コーポレーションの基準をクリアし、認定 B コーポレーションになりました。『世の中のためになるビジネス』という言葉を掲げ、彼らの活動に参加していきます。
B コーポレーションとして私たちが信じること
- 私たち自身が世界に求める変化となること。
- 人々と地域の重要性を認識した上でのビジネスであること。
- 製品、商法、そして利益を通して、ビジネスが誰も傷つけることなく、すべての人に利益が行き渡るようにすること。
- 以上のことを実践するためには、私たちはお互いに頼り合っていることを知り、それゆえに私たちそして次世代に対して責任があることを理解し行動をする必要があること。
3000 もの認定 B コーポレーションがある中で、私たちは自転車製造業の中で一番最初の認定メーカーとなります。この自転車業界の中にいる他のメーカーに対して良い刺激になればと思っています。
B コーポレーション認定というものはシェアホルダー(株主)に対しての利益だけでなく、全てのステークホルダー(利害関係者)に対してにも、利益を探し求めるビジネスを目標とするものになります。
もっと理解をしてもらうためにわかりやすく説明をしましょう。私たちが言うステークホルダーとは、つまり『あなた』『地球』そして『従業員』のことを意味します。私たちがすることが全てに影響を与えるということです。
製造業として、製品に使用する原材料を作り出すための資源やエネルギーは膨大な量になることを私たちは認識しており、それにはできる限り責任のあるやり方でパーツを製造することが重要であり、そのような資源やパワーを使って、また再び同じ製品を作る必要がないように、私たちの製品は生涯使い続けられるように作られています。
次のステップは Chris King 社の生涯保証を全ての製品につけることです。私たちの保証というのはあなたのパーツを生涯使い続けられるようにすることです。もしパーツの一部を損傷させてしまった場合、それを点検し、壊れたパーツを交換、そして状態の良いパーツはできるだけそのままにします。
私たちの製造工程において、原材料を作る上で使われる資源をできる限り再利用をしたいと思っています。パーツを作る上で必要になる棒材を製造する際にでる鉄やアルミの削りクズなどを分別し保存しておきます。そして、バラバラになったクズを小さな密度の高いパック(ホッケーなどで使われるパックの形状)にする間にカッティングオイルを抽出し排除します。これにより、運送が簡単になり、リサイクルも効率化されるようになります。
金属クズを再利用すると同じように、カッティングオイルも同じように再利用します。その理由として、通常使われるような工業用油は毎回変えなければいけなく、大量の浪費を促し、不正確なカッティングが行われ、従業員の皮膚を刺激してしまう可能性あるので、私たちはオーガニック・キャノーラ油を使用しています。
私たちが使うキャノーラ油はアメリカ産であり、利用した後に遠心分離機で抽出をし、再利用をすればほぼ間違いなく無限に使用し続けることができます。そして、何らかの理由で使用しなくなった油においてもリサイクルができます。この再利用オイルが機械の稼働スピードを遅くさせる原因にもなるのですが、スピードが遅くなることよりも、環境に良いことを重要視していきたいと思っているのです。
Chris King 社はオレゴン州 Portland 市において 6,782 ㎡ もの敷地を使用しています。エネルギーを削減するには私たちがデザインし構築した 11,356 Lもの水が循環するヒーティング & クーリング・システムが必要になります。この水循環システムは Chris King の社屋全体に流れており、ヒーティングやクーリングを必要とするすべての箇所に接続されています。
例えば、熱処理真空圧力窯や、レーザー、ショップフロアにあるほとんどの機械、カフェにあるクーラーや、サーバールームはすべてヒートポンプ経由でこのシステムに繋がっています。様々な過程において生まれた熱は大量の水の中へ移動し夜中までそこに蓄えられ、その後、外気温を利用し水を冷まし、そして同じようなことを毎日続けるのです。冬の場合は、この熱をビルの中にあるすべてのオフィスに振り分けることができます。このシステムによって 1 年のうちの 3 分の 2 は他からのエネルギーに頼ったヒーティングやクーリングを必要としなくなり、真冬や真夏における余分なエネルギーをも必要としなくなりました。
認定 B コーポレーションになることで、今まで以上の環境保全が期待され、私たちが約束することは、私たちのサプライチェーンや、雇用慣習、そして従業員の福利まで行き届くようになるのです。私たちが世界に探し求める変化となり、そして他の企業が後に続くように努めていきたいと思っています。認定 B コーポレーションになるための情報はここから探してください。