CWDがChrisKing製品を取り扱いをはじめて約6年が経ちます。
以前はChrisKingという会社に対して憧れの眼差しを向けているに過ぎなかった私達も、その過程で多少の右往左往をしながらも、今ではひとつの流通部門として彼らにも認めてもらえるようになったと感じることができるということは、とにかくこの仕事を始めて本当によかったと思えることなのです。
しかしながら同時にあまりにも未成熟な物事がこのChrisKingを取り巻く様々な状況の中には多数あることが見て取ることができました。その中でも特に個々の詳しい製品説明や、その高価な製品群に対するアフターサービスに関しては決して正常とは言えない状況にあると理解するまでにはそれほど時間がかかりませんでした。
私達が今まで経験してきたことは、おそらく多くの皆様(現クリスキング使用者から購入希望者まで。)ときっと同じでしょう。
まずChrisKingの製品群が ”美しい” ということを「見る」ことによって「考える」ということから始まります。 そして次にその価格を見て ”たぶん高品質” なのであろうと推測し、その製品にさらなる興味を持ち、そして思い切って購入したヘッドパーツやハブが自分の物となり、そして使い倒す…。 そういった日々というものが私たちも過去にはあったのです。(そしてそれらは間違いなく高性能でありました。)
そして今まさに思い浮かぶことはその当時からあまりにも変わらない、その少ない情報量に四苦八苦しながらなんとか専用の工具を自前で揃え、バラし、再度組付けをしてどうにかその製品を使い続けようとしたあの頃の苦い経験です。
現在は幸運にもChrisKingと仕事が出来る環境が整いつつあります。 しかしながら前述のような過去の僕らと同じような状況をそのままにしておくということは誰にとっても決して有益な状況ではないということは明らかであり、その改善こそが僕らの今取り組むべき課題であると認識しています。
まずはとにかくポートランドに通いました。
幾度と無くChrisKingの工場を訪れ、その中枢に出来るだけ奥まで入り込み、その多くの知識と技術を出来る限り勉強してきました。 このアクションは、僕らをここまで育ててくれたサイクルコミュニティーの更なる成熟とそこで生活している人たちがより豊かになっていくためにも必要不可欠であると信じとにかく動き続けてみました。(製造過程から補修という産業において重要かつ中心的なポイントをなるべく正確に理解し、それをできるだけ多くの人に伝え、そして共有意識を持っておくということが非常に大事だと思っているからです。)
そしてこの流れの中でとても精巧でユニークなベアリングを用いるクリスキングの製品を理解した上で、これだけ大量のクリスキング製品が流通しているわが国において、今まさに必要としているアフターサービスの充実をいの一番に何とかすべきだという答えにたどり着きました。
前置きが長くなりましたが、この度は正式に【ChrisKing Hub Overhaul Service】の開始を皆様にこの場を借りてアナウンスさせていただきたいと思います。
ご提供させて頂く主なサービスは以下のとおりです。
①ハブのオーバーホール
(分解、清掃、再組み立て、O-リングやシールなど当社規定の消耗品の交換)
②必要時にベアリングの交換、打ち直し
③さらには重大な破損をみつけた時の部品の交換
現状では①のサービスがほとんどになるであろうと考えていますが、②③の案件に関してもユーザー様にはできるだけ長くChrisKingのハブをご愛用して頂くために重要不可欠なサービスであると考えています。
もちろん、①+②、①+③、①+②+③といったどのようなサービスの組み合わせも、まずはこちらに製品を送って頂いて、分解した後に状況の説明をさせて頂きますますので、その後に必要不必要の判断をしていただければ結構です。(料金は分解後その状況に応じて算出し、お知らせいたします。)
★より詳しい情報は専用のサポートページで御確認下さいませ。
>>> ChrisKing Hub OverHaul Service
ここで今一度【Overhaul Service】の流れを見て頂こうと思います。
Chriskingのハブは、同社製の専用工具により完全に分解する事が可能です。
この後、細部に渡るまで徹底的な洗浄を行います。
製造段階で精巧に造りこまれたクリスキングハブにとって
洗浄こそが最高のサービスとなります。
スナップリングとシールを外しシールドベアリングを分解すると
このようにベアリングリテーナーの割れなども簡単に発見することが出来ます。
上記はクリスキング製の専用オイルを使用した時の添付量として参考にしてください。 ベアリングの3分の1程度が目安となります。
クリスキングが自社にて独自開発、製造している自転車専用の角度付きのシールドベアリングは、使い込んでいくことによってそれぞれのパーツが馴染むほどに回転性能が向上するように独自設計している為、他社のハブのように調子が悪くなるたびに新しいベアリングを打ち替えるといった作業を求められるようなことは決して多くはありません。
ベアリングを含めたオーバーホール、特にクリーニングを定期的に行うことがなによりも有効ということです。
また新しいベアリングを打ち込み直すと、また一からベアリング自体の慣らしが必要となってしまうので、内部を確認し、破損がなければベアリングシールも使いまわしたほうが良策です。
清掃後、再度組み立てを丁寧に行い【Overhaul Service】の完了となります。
オーバーホール・メンテナンスサービスはお客様から直接Webフォームからお申込みされる方法と、CWD販売店様へご依頼して頂く2種類の方法があります。
お申込みの詳しい方法は「ChrisKing オーバーホールサービス」のページをご覧ください。
高品質なChrisKingのハブの性能を末永くお使いいただくためにも、メンテナンスは必須の作業となります。
みなさまのご意見に耳を傾け、一心にサービス向上をめざしてまいりますので、その他不明点の質問などどんな些細なことでも結構ですので、ぜひお気軽にCirclesまでご相談をいただければ幸いです。