「バックパックは両手が使える。何にもとらわれない『自由を感じられる』バッグである」
たしか今から20年くらい前に読んだある70年代のファッション本に書いてあった言葉だったような気がするんだけど、なんだかずっとこの言葉が頭の中に残っていて、たまに思い出します。
現代に生きていると実感が湧きづらいですが、その当時の日本において「バッグ」と言えば手提げカバンが主流だったようで、どちらかの手を使い荷物を持っていたようです。バックパックが一般的に使われるようになったのは、70年代に入ってアウトドアスタイルが一般的になってからでした。
60年代後半に興ったフラワーチルドレンたちのヒッピームーブメント以降、自然回帰志向が高まったアメリカではバックパッキングやジョギング、サイクリング、ヨガなど、アウトドアアクティビティブームが訪れ、アウトドアウェアがファッションとしても成立していきます。(この流れがアメリカでMTBというジャンルを生み出し、彼らのDIY精神はMYOGの文化に繋がっていくのはもうご存じの通り。)
ざっくり言うと、それは東西冷戦下での長期化するベトナム戦争、公民権運動の象徴であるマーティン・ルーサー・キングの暗殺など、個人の自由が脅かされ、自分の体や思考のサイズ以上の不安定な出来事が頻繁に起こった時期で、そんな時に人々の指向が自然(nature)と対話し、自然を感じながら生きるという方向に流れていった時代です。
そんな時期を経て、コリン・フレッチャーの「遊歩大全」、芦沢一洋の「バックパッキング入門」やアメリカ西海岸の文化を紹介する「POPEYE」などが刊行され、そんなアメリカのアウトドア文化が本格的に日本に輸入されるようになりました。
そう、バックパックという「ギア」は、山道具という主な側面を持ちながら、(その出自は欧州ではありますが)アメリカのヒッピーカルチャーに多分に影響を受けたバッグであり、その象徴は「両手が自由」であるってこと。
だからこそ、形式に固執するのではなく、自由な発想で自らの表現を追求していくって姿勢もバックパックにはとても大切なの要素なのです。
前置きはこれくらいにして、名古屋のバッグデザイナーのWELLDONEイノッチから新作バッグの入荷がありましたのでお知らせです。
Chips Bag 13L
BIKEとHIKEの交差点
BIKEもHIKEも、欲張りな私たちの遊び方は貪欲です。色々な楽しみを味わいたいからこそ、意外と「専用品」よりも「多用途品」を慎重に選ぶことが多いかもしれません。(または特定ジャンルの専用品を別の用途で使ったりなど、物事を別の角度から見ることが好きなのですが、それはまた別の機会にお話ししたいと思います。)
WELLDONEはバイシクルカルチャーからハイキングカルチャーにアクセスしているブランドですから、そのハイキングのシチュエーションでの性能はもちろん、自転車に乗るときにもその真価を発揮します。
実際、Chips Bag13LはMTBライド用に使用しているサークルズクルーが多く、このChips Bagの原型となったバックパックも元は自転車向けに開発されたものであり、1DAYライドにちょうど良いサイズ感でHUNTER CYCLESのRick Hunterも愛用していました。
構造もシンプルかつ非常にユニークで、彼のアイディアが詰まっています。
【Feature】
- BIKEとHIKEの交差点
- ポテチの「パーティ開け」から発想された開閉機構
- 便利なショルダーポケットと背面メッシュポケット、ドローコード
- WELLDONE NAGOYAとは?
- 13Lと30Lのバリエーション
【SPEC】
- サイズ: 25cm×50cm×16cm
- 容量: 13L(ポケット含まず)
- 重量:390g
- 素材: X-PAC VX21、SPECTRA X-GRID 200D、polyester double raschel mesh、POLYESTER PORTHOLE MESH、高密度ナイロンテープ
- カラー: Black, Khaki, Red, Coyote
- プライス:22,000円(税込)
- Made in Japan
ポテチの「パーティ開け」から発想された開閉機構
このChips Bag 13Lは縦にロールさせる機構で、メインコンパートメントを開閉すると、パッキングされたものが一目瞭然です。
閉じ方はリップストップ側にロールしていって、バックルを一本留め、最後に底面のドローコードを引っ張ると固定されます。
パッキングしたものをガサゴソせずに見られる構造は必要に応じてスタッフサックで小分けしておけば、雑にパッキングを済ませることができ、中身も確認しやすいため非常に使い勝手が良いです。
便利なショルダーポケットとメッシュポケット、ドローコード
すぐ使うものは、外付けされているポケットに収納しましょう。
ショルダーハーネスの大きめポケット
ショルダーハーネスに大きなメッシュポケットが付いていますので、スマホやコンパクトカメラや行動食などをすぐに取り出すことができます。
背面のメッシュポケット
背面にはさまざまなサイズのボトルを収納するのに十分なメッシュポケットがついています。
便利なドローコード
背面のドローコードは脱いだアウターを簡易的に収納するのに役立ちます。
WELLDONE NAGOYAとは?
Circles のブログ を漁っていくと、WELLDONEについて書かれている最古の文献は2010年1月27日と、良い意味で腐れ縁というか、Circlesとある種の苦楽を共にしてきた仲であり、ご近所で pot equipment store というお店もやっているご近所さんです。
名古屋を拠点とするバイシクルグッズマニュファクチュアラー。
Welldone Nagoya HPより
サイクルキャップ、モバイルホルダー、バッグといった定番商品からフレームバッグ、財布などを製作、卸、販売しています。自転車+キャンプ、自転車+音楽、自転車+ハイク。
自転車ともう一つのFUNを繋げる、「bicycle+α」をテーマに製作活動しています。
名古屋ローカルでモノづくりしている仲間として長年付き合ってるのですが、、なんだかんだ飲みに行こうぜ!ってなったら誘いたくなっちゃうナイスなキャラクター。こういう人が我々のコミュニティにいてくれることが、素敵なことだと思います。
ぜひChips Bagを手にとってみてください。
13Lと30Lのバリエーション
CHIPS BAGには容量の大きい30Lもご用意していますので、用途に応じて使い分けてみてください。