バイクコンセプトを横断したり、ハイブリッドに異なるエッセンスを注入していくのが大好物な Circles の定番タイヤとも言えるBRUCE GORDON Rock’n Road Tire がリニューアル。
700 × 43c という Rock’n Road のオリジナル規格がついに「 Tubless Compatible / チューブレスコンパーチブル 」となりました。(他の品番はすでに全てチューブレスコンパチです)
今回のリニューアルで、全てのラインナップが「 Tubless Compatible / チューブレスコンパーチブル 」となって再入荷となりました。
早すぎた“ 29er ” コンセプト
それは、1982年頃、ゲイリー・ヘルフリッヒ(クリス・チャンスとともにFat City Cyclesを作り上げたパートナーであり、その後Merlin Metalworksを立ち上げたのファウンダーのひとり。)がフィンランドのタイヤブランド、NOKIA の HAKKAPELIITTA (ハッカペリッタ)というウインタータイヤ (700 × 47c)を米国内に輸入していた頃のこと。
この大径オフロードタイヤが履ける規格のフレームを、ロス・シェーファー(Salsa Cyclesの創業者)が制作していた時に、ブルース・ゴードンが彼の工房でこのタイヤを見たところからそのインスピレーションが始まり、最終的なデザインはジョー・マレー(ジョン・トマック、ネッド・オーヴェレンド以前の伝説的なMTBプロライダーであり、後にMarin、Kona、VooDoo Cycles のプロダクトデザイナーとして渡り歩き、シマノの公式製品テストライダーでもありました。)が監修しました。(こう書いていると、登場人物全員がレジェンドすぎて、やばすぎますね。。。そして彼らの先見の明には感服するところ・・・)
そして、Rock’n Road は 1988年に 700 × 40c という規格で産声を上げました。(当時は台湾製)
Rock ‘n Road タイヤが設計されたとき、それは 1 つの目的、そして 1 つの目的のみのために作られました。
その目的とは、あらゆる地形を容易に走行を可能にするということでした。
ユニークな「ステップピラミッド」トレッドパターンがこの能力の鍵となり、高速走行時には、センターのトレッドラインがほぼ連続したラインとなり、舗装路走行時においてタイヤの残りの部分が地面からわずかに浮くようになります。
Rock ‘n Road は、舗装路では細いロード タイヤの感触を模倣していますが、土、砂、泥、砂利の上で走行すると、タイヤの最高の品質が明らかになります。このタイヤが真価を発揮するのは、さまざまな路面と気象条件が続くトレイル上です。
しかし当時はそれを履ける一般的なフレームがほとんど存在せず、ブルースゴードンはタイヤと同名のフレームを専用設計して販売していたようです。
26インチMTBが一般化していた当時から700C、あるいは 29er のオフロードコンセプトを実践するという、なんともカリフォルニアン・アントレプレナー・スピリット溢れるエピソードに、勝手に胸が躍ってしまいます。
ロマンが溢れすぎてつゆだく。
このエピソードだけで飯食えますね。
その後、Rock’n Road は 2012年にPanaracer製に製造を移行し、今の 700 × 43c にアップデートされました。
そしてブルースの死後、残念ながら一度廃番になってしまいましたが、2019年に生前ブルースゴードンの元で働いていた愛弟子デイビッド氏が師の意思を引き継ぎ、再び生産されることとなりました。
この 2012年から使用されていたパナレーサー初期の金型が流石に劣化してきたので、今回新規の金型に移行するタイミングでのチューブレスコンパーチブルへのアップデートです。(逆にいうと、旧規格はオリジナル金型のラストロットとも言えます)
当時は早すぎたかもしれませんが、現在はど真ん中のプロファイルである Rock’n Road。
ロマンと共にあなたのバイクにインストールしてみてはどうでしょう?
せっかくだからチューブレスでね。
【SPEC】
・カラー:Blackwall, Gumwall
・サイズ:650b×43mm, 650b×48mm, 700c×43mm, 700c×48mm
・チューブレス対応:650b×43mm, 650b×48mm, 700c×48mm, 700c×43mm
・重量:650b×43mm – 530g , 650b×48mm – 650g , 700c×43mm – 560g, 700c×48mm – 700g
この動画も貴重な資料としてどうぞ。