【BRUCE GORDON Rock’n Road Tire】古くて新しい、グラベルタイヤの金字塔


寒い寒いと言いつつも、年始は2日連続、雪中ライド2本立てで過ごしました。寒いって反射的に言ってるだけでほんとは寒くないんじゃないか説あります。ケイスケです。
今日はそんな年始の雪中ライドの話しも挟みつつ、雪の中で大活躍だったこのタイヤについて書きます。

A long time ago in a galaxy far, far away…

遠い昔、はるかかなたの銀河系で…ではないけど、このタイヤに初めて出会った時のことを振り返るとそれくらい遠い昔のように思える。

僕とこのタイヤの出会いは遡ること10ウン年前、当時高校生の僕には正直それがなんなのか、その魅力がどこにあるのか、700x43cというサイズの意味するところを理解するのは難しかった。でもその厳ついトレッドパターンとホイールに装着した時のボリューム感にただただ衝撃を受け、心を鷲掴みにされたのは今でも鮮明に思い出される。

訳のわからなさで言ったら、小学生の頃、実家でたまたま見つけたVHSに映る黒マント黒マスクの大男が赤い剣を振り回しながら「私がお前の父親だ」と言っているくらい訳がわからなかった。だけどはるかかなたの銀河系は僕に大きな衝撃を与えその魅力は今も心を掴んで離さない。

心を掴まれたあの日から、伝説のタイヤの帰還

【BRUCE GORDON】
Rock’n Road Tire

COLOR : Blackwall / Gumwall
SIZE : 650B x 43mm / 650B x 48mm / 700C x 43mm / 700C x 48mm
チューブレスコンパーチブル(700C x 43mmのみ非対応)
PRICE:8,800円

衝撃の出会いから時は経ち現在。
グラベルツーリングがトレンドの中心になり、タイヤクリアランスはより大きく、遊びのフィールドは舗装路から外れ林道へ。

時代が追いついてきたと言うべきか、当時”ファット”と呼ばれていたサイズはもはやスタンダードとなり同様のサイズレンジのタイヤもかなり選びやすくなったと思う。

Rock’n Road Tireはそんなタイヤ激戦区に一石を投じるかのようにリサイズ、アップデートされ復活。

10数年前、その魅力になんとなく気づきつつも手が出せなかった(タイヤサイズの面でも使えるバイクを持っていなかった)タイヤの復活に僕が飛びついたのは言うまでもない。

ドライからスノーまでDo It Allなタイヤ

僕が今回選んだのは新しくラインナップされたサイズの650Bx48mm Gumwall。
48mmのエアボリュームを活かし、荒れたグラベルを走り抜くためにチューブレスでセットアップ。

タイヤを下ろして間もないこの日のライドは前半は舗装路、峠の頂上からグラベルに入り稜線沿いに緩やかに下りまた舗装路を走って帰路に就く50km強のルート。よく晴れていたが前日に雨が降ったためグラベルの路面はセミドライ。

石の多いガレた路面やグラベルの下りでの安定性を期待して走り出したが、グラベルの平地や上りでもしっかりと路面を掴み、トルクをかけても空転しない安定した走り。

しっかりと地面を掴んでいる感覚が踏み込んだペダルを通して身体に伝わる安心感もあり、ついついペースが上がってしまう。

砂敷き、セミドライの路面に対して気圧は2.1bar
雪のグラベルに凍結もあった為気圧は低めの1.8bar

※最小気圧の限界値はライダーの体重やバイクセッティング、路面状況によって異なります。(上記の空気圧は体重50kg, 車重約8kgの場合)

舗装路の走り出しの空気圧は2.8〜3.0bar(上限気圧3.5bar)で比較的高めの設定、グラベルの入り口でエアを抜き気圧を下げて未舗装区間を走る。製造を担うパナレーサータイヤ特有のサイドのしなりの良さも相まってエアボリューム以上のしなやかさとグリップ力をもたらしてくれる。

特徴的なトレッドパターンは雨上がりの湿った路面でも砂を詰まらせることなく、また溶けかかった雪の積もるグラベルでも雪で埋まり切ることなく走り抜くことができた。


本領発揮!雪を踏みしめ氷を砕く、スノータイヤのDNA!

フィンランド製のスパイクタイヤをデザインソースに持つRock’n Road Tire。スノータイヤのDNAは雪上、氷上で本領を発揮してくれた。

年始の雪中ライドのうちの1日はこのタイヤでホームコースの瀬戸へ。舗装路の峠を上り、グラベルを下って帰ってくる30キロ未満のルート。積雪は多くなかったものの、山の北側に敷かれた舗装路は日が当たらず所々凍結している状態。

凍結している箇所は上りだったのでスピードこそ出ていないが、スリップを気にしつつ慎重に進む。

路面に神経質になっている僕の足下でこのタイヤはパリパリと薄氷を砕き、雪を掻いて地面を踏みしめる音を立てながら通常運行を続ける。ここでも大きな安心感を得ることができた。バイク、ひいてはタイヤを信頼できることで得られる自信と安心感はライドの強い味方になる。

良い意味で僕の予想を裏切り期待以上の走りをしてくれた。どんな路面にも対応する自由度の高さ、ライダーの不安を払拭するかのような走破性と安定感。

あえてウィークポイントを挙げるとしたらコーナリングに難ありといったところ。見ての通りタテ、ヨコに直線的なトレッドパターンなので横方向に力が掛かると横滑りを起こしやすい。実際走っている中でもコーナリングで後輪が滑った感覚は多少あった。ただ、高速でのコーナリングは苦手という程度のもので走行性に不安を覚えるほどのものではないかと思う。

オールドスクールなトレッドパターンはそのままに時代に即したアップデートを施され蘇ったRock’n Road Tire。
バイクカテゴリーやライドスタイルが多様化する今、万人にフィットするとまでは言い切れないが、もしもあなたがこのタイヤを履いてまだ見ぬ道の入り口に立った時、その先に進まない理由はないでしょう。なぜならRock’n Road Tireと共にあるのだから。

keisuke
岩本 啓佑

千代田手芸部。サークルズ2F,Tailoredにて裾上げお直しなどミシン仕事をしています。 自転車も好きですが趣味は家事。好きな家事はアイロンがけ。
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