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僕の好きなパーツの話 〜愛しのLittle Nick編〜

このハンドル、最初は変なハンドルだなーって思ってました。

だってそうじゃないですか?ステムで掴むクランプ部分からまっすぐ伸びて、真ん中あたりで一回だけバックスイープのかかったハンドル。そしてアップライズなしのシンプルな構成。いや、シンプルすぎる…

ライザーバー、プロムナードバー、マスタッシュバーetc..曲げたり戻したり、ゆみなりにカーブを描いたり、様々なハンドルが競うように趣向を凝らした”曲げ”でそのデザインを主張する中、このソリッドなプロファイルで構成されたリトルニック。正直、シンプルすぎて変なハンドルだと思ってました。

でもね、使ってみるとこれが病みつきになるほど使い心地の良いハンドルなんですよ。

シンプルなハンドルですから上向きのステムにつければ街乗りやオールドMTBでゆったり体を預けられます。逆に下向き+長めのステムでセットアップすれば攻めたポジショニングをとることだってできる、オールマイティなやつなんです。

乗り味の良さの理由の一つがこの絶妙と言える曲げ角度。サドルに座って腕を伸ばせばハンドルが手に吸い付くようにフィットします。

グリップ部分の長さは十分あるのでシフターを付けるのには問題なし。シングルスピードならBMX系の長いグリップをそのまま付けてもかっこいい。

そして形状の絶妙さも去ることながら、素材であるクロモリ鋼との相性も抜群です。

この直線的なプロファイルが固く力強いハンドルを形造り、素材のクロモリ鋼の柔らかさが地面からの突き上げを打ち消してくれる。

すなわち形状と素材の組み合わせにより、柔と剛を併せ持ったハンドルに仕上がっているのです。

クロモリ製以外にもアルミニウム製、オーバーサイズクランプのリトルニックもあるので、モダンなバイクに組み合わせるのならこちらもおすすめです。

クロモリ、アルミ、どちらにせよとてもシンプルな形状なので最近のハンドルトレンドとは少し違うのかもしれない。けれどシムワークス初期から変わらずラインナップされるこのシンプルなハンドルにはエイジレスな魅力が詰まっているのかもしれません。

僕の愛して止まないリトルニックのお話しでした。

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keisuke
岩本 啓佑

自転車は小学六年生まで乗れませんでしたが物心ついた時には既にヤク中(飲む方のヤクルト中毒)でした。今では自転車のペダルもミシンのペダルも踏みます。ヤクルトも毎朝飲みます。 料理は作るのも食べるのも大好き。素敵な食材見つければ東へペダルを踏み、美味しい料理の噂が立てば西へペダルを踏み...美味しいものしか摂取したくない派です。 千代田手芸部お針子。
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