TEXT by 嶋﨑出(デイジーメッセンジャー)
令和6年能登半島地震においては地震や津波の犠牲となった多くの方々がおり、また現在でも多くの人が非常に苦しい状況に身を置いておられます。現地で活躍されているボランティアの方々とともに、私たちも被害にあわれた皆さんに思いを寄せるとともに、個人として、またコミュニティとしてできる限りの支援を続けていきたいと考えております。
その能登半島の入り口に位置する石川県内灘町のサイクルショップ、カツリーズサイクル塗装工場再建のクラウドファンディングのお知らせです。日本の自転車カルチャーの一部分を確実に担っている重要なショップです。ぜひご協力お願いします!
能登半島のユニークなバイクショップ
カツリーズサイクルは自転車店の枠に収まらない活動をされている稀有なサイクルショップです。元競輪選手であるオーナーの成田加津利さんはこれまでロードレースのメカニックとしてナショナルチームやいくつかの実業団チームを支えてきました。また子どもたちの自転車スクールを開催し、石川県の自転車チームの監督を務めるなど後進の育成、ツールド能登の開催など地域スポーツの振興に長く携わっておられます。自転車文化につくす姿は私自身の活動の指針となっています。
それだけではなく、カツリさんが小さいころから好きだったという画力を生かしてこれまた多くのプロチームのユニフォームのデザインやチームカーのラッピングデザイン、フレームのグラフィックを手がけています。そのデザインは多くの人に届くポップセンスがありながら、さらに自転車スポーツのダイナミズムも踏まえている、カツリさんのグラフィックセンスと自転車の実力が奇跡的に同居しており、私を含めファンが多いです。しかし、この度の地震でフレームなどの塗装を行う工場が稼働できなくなってしまいました。
私たちと内灘町のつながりはBANG-KINGというイベントでした
内灘町には日本国内でも珍しい競輪開催のないトラックレース場(市民バンク)があります。かつて私たちが名古屋の自転車コミュニティの力を借りて開催していたBANG-KING(バンキン)というトラックレースイベントのまさに後見人というべき人がカツリさんです。
このレースはそのころのメッセンジャーカルチャーやピストブームで乗り始めたピスト乗りたちのためのイベントでした。ぽっと現れたメッセンジャー風情の云うことを面白がってくれて、施設の全面的な使用、バイクでの先導、行政や連盟への対応などしていただいたおかげで、私たちはストリート上がりながら本格的なレースを走り、その魅力を体感することができたのです。
自らも被災しながら支援活動を続けてきたカツリさん
正月に地震が起こってからは、営業そっちのけで被災地に入り支援されていました。物資が不足していたときにカツリさんのメッセージをシェアさせていただき、多くの仲間から支援いただいて内灘まで多くの支援物資を送ることができました。この場を借りてお礼申し上げます。
内灘町は被害が大きかった地域です。カツリーズが一日も早く元の営業を再開できるようご支援、情報のシェアをよろしくお願いいたします。カツリさんからのメッセージを転記いたします。
震災直後より、支援活動に邁進して参りましたが、3月中半より自治体主体でのボランティア活動の体制が起動しだした事を実感し、道行半ばではありますが、一定の役割を終えたのではと感じております。 これまでの活動を精力的に行えたのも、皆様のご支援と励ましを頂けたからです。 本当にありがとうございました。
次は自分自身の生業再生に向けて進みだしております。 サイクルショップはガラスが割れた程度でしたが、事業の柱であります塗装工場が全壊してしまいました。 工場が有りました西荒屋は、最も隆起したと言われる地区で、専門家よりこの先3年間は工場の再開は無理だろうとの調査報告を頂きました。 そのため一度は塗装部門の再開を諦めたのですが、奥能登の皆さんが必死に事業再開に向けて立ち向かっていく姿に勇気を頂き、もう一度塗装工場の再開を目指すようになりました。
被災されたすべての皆様が、笑顔で穏やかな日常を取り戻すその日まで、共に頑張って行きます。 是非、拡散のご協力をお願い致します。
一口でもいいのでぜひクラウドファンディングにご参加下さい。よろしくお願い致します。