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完璧なモノとコト。 – Silca / シリカ –

 
去年より本格的に取り扱いを始めているSILCA / シリカ。 もともとはイタリアに拠点を置き自転車用のポンプを作り続けてきた100年の歴史を持つメーカーですが、2013年に創始者の孫が、当時ZIPPのテクニカルディレクターを務めていたジョシュア・ポーターに売却したことからその長い歴史の新章が始まったのです。
 
 
イタリア時代から、耐久性に優れた金属パーツをできる限り使うことで、消耗してもその部分を取り替えることで繰り返し、そして末長く使い続けられる質の高いポンプを生み出してきた彼らは、新章を迎えたと同時にその製造やオフィス機能の拠点をアメリカ・インディアナポリスに移しました。 それは同時にポンプメーカーとしての誰もが知っているアイコンを、新しいものへと再構築していく再出発を意味したのです。
 
良質なものを手を入れながら長く使い続けるという創業当時から変わらない思想を元に、現在の拠点であるインディアナポリスから、できる限りの最良の素材を用い、それを倫理的かつ環境に配慮した方法でモノづくりを行うだけでなく、それ以外のツールの開発にも積極的に力を注ぎ、ライドという経験を通して多くのサイクリストが人生を楽しめるようにという思いを込めてモノづくりをしてます。 そう、新生シリカはポンプだけではないのです。 他にも彼らはライドを楽しむための様々なアイテムを生み出しています。
 

【SILCA】 Sear Roll Premio ¥6,800(税抜)

 

 
シートロールプレミオは、サドルバッグとして初めてBOAクロージャーシステムを採用したサドルバッグ。 ロール状のサドルバッグはサドルバッグに納めるものをシンプルに必要なものだけにすることでスマートな収納を可能としますが。 このバッグは700x45c用のチューブも収めることができます。
 
 
写真は実際に私がライドに持ち運んでいるもの。 太いチューブが収まるので、CXバイクで未舗装路を走る時にも使えます。 そしてBOAシステムのみで締め付けて固定するシステムは悪路でぶれたり、緩んでしまう心配も全くありません。 レールに取り付けるタイプのサドルバッグはシートポストの出しろが少ないバイクや、シートポストにライトをつけていてスペースがないというバイクに対してもストレージソリューションとしてとてもお勧めできます。
 

【SILCA】Phone Wallet(左) & Eolo Wallet(右) ¥5,800(税抜)

 

 
何を収めるかではなく、どこに収めるかを考えた時にシリカが着目したのは、ジャージのポケットでした。 Phone WalletとEolo Walletは一般的なジャージポケット最大限に活かし、ジャージのフィット感や素材に影響を与えずにライドで必要なものを持ち歩けるようにデザインしています。
 

 

Phone Walletはスマートフォンやクレジットカード、現金などの貴重品を、そしてEolo Walletはスペアチューブや携帯工具などのライドの必携品を持ち運ぶのに最適な作り。
 
 
そして、反射素材が縫いこまれたタブにはマグネットが仕込まれており、ジャージのポケットに収めた際に夜間の視認性を確保しながら、ポケットから飛び出ないようになっているというギミックも隠されています。
 
Seat Roll Premioと、このPhone Wallet / Eolo Walletはどれもシリカ自社製のワックスドキャンバスを用い、耐久性や防水性を備えながら、反射糸がキルティングされているところにも、妥協ないものづくりをしようという彼らの意思が表れています。
 
そして、これらのサドルバッグやポーチに収めるのにちょうど良い携帯工具(マルチツール)も、シリカはこんな形で彼らの考える完璧を形にしています。
 

【SILCA】Italian Army Knife
左:Tredici ¥4,800(税抜)
右:Nove ¥3,500(税抜)

 

 
 
マルチツールの天敵である腐食に対して、鍛造による素材と、メッキ処理されたステンレススチールのハードウェアにより、腐食とは無縁の長い寿命をもち、同一平面に収まるようにデザインされているので、サドルバッグの隙間やウォレットポーチの中にコンパクトに収められます。
 
 
極め付けはサイドに隠された、ミッシングリンクホルダー。 磁石が埋め込まれているのでミッシングリンクを紛失することなくもしもの時に備えておけます。 先のウォレットシリースもそうですが、現シリカのオーナー/ジョシュアはギミックが大好きで、随所にこういったマグネットのギミックを盛り込んでいるのは隠れたポイント。
 
ちなみに、この手のマルチツールにとっての一番の天敵は紛失だとシリカは言っていますが、この完璧なまでに完成されたマルチツールはその所有欲を満たすことが、同時に失くさないように大事にしっかりと使い続けられることに繋がっていると勝手に解釈しています。
 
今回は、敢えてポンプではなくそれ以外のアイテムを中心にご紹介していますが、長く使い続けることをモノゴトの最優先事項とし、それに対して真っ向から向き合って完璧を追求しているからこそ、彼らの製品は道具を使い切るということに繋がっていきます。
 
実際、シリカのポンプは決してお求めやすい価格ではありません。 でもそこにはその値段がするだけの、いやむしろそれ以上の意味があり、モノが単なるモノで終わらずに使っていた先にあるコトを想像しているからこそなのだと思います。
 
まずはこれらのツールから彼らの哲学を感じてみてはいかがでしょうか?
 

 

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Ikeyama Toyoshige
池山 豊繁

Circles / SimWorks / CWD 学生の頃のメッセンジャー・サークルズでのアルバイトを経て、今に至る。 サークルズスタッフ最年少を公言していたが、今ではニュージェネレーションも加わり古参の存在。 でも身長は最小です(#163cmですがなにか)。 CXレース経験もありますが、今はのんびり瀬戸のグラベルを走ったりするのが専らで、過去の面影はどこへやら。自転車で釣り場にアプローチするBikeToFishingのスタイル研究にも余念がない。
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