カリフォルニアはサンタクルズ東部に位置するアプトスという小さな街にBlackCat Bicycles/ブラックキャットバイシクルズの工房があります。
10代の頃から自転車屋で働き出し、またサンタクルズ バイシクルにも長年勤め、そこで培った多くの自転車製造の基礎と最新のマテリアルまでの知識と知恵をフル活用しながらも、シンプルかつ丁寧にフレームビルディングを行い、更には自分自身でそのユニークで独特なペイントワークもしてしまうという稀有なビルダーである、トッド・インゲメンソン。
ハンターサイクルズでのヘルパーという期間を経て、フレームビルダーとして独立してから約14年となるのですが、彼が作るバイクは、モダンでハイセンスなカスタムバイクという枠だけでは捉えきれない、その繊細な溶接とマシニングを用いた自転車製造技術は多くのカリフォルニア・ビルダーの先人達が培って来た歴史をしっかりと新世代へと導いて行くビルダーの1人です。
彼の作り上げるバイクにはアートに近い感覚を覚えてしまうのですが、その実、使い切る事を前提としたユニークなバイクで、とにかく飾っておくなんてもったいないほどの性能、そして毎日跨がりたくなるそんなチカラを持ったバイクだと思います。 それ故にファンも多く、とにかくオーダーのリードタイムは長いのですが(現状、約2年お待ち頂くことになります)、現在ここ日本でも、彼にオーダーを入れそのフレームが出来上がるのを心待ちにしている方が多くいらっしゃることは、我々としてもとても嬉しいことであります。
彼のつくるフレームは自由なアイデアに満ちあふれていて、その特徴としてはやはり彼自身の手によるその独創的なペインティングワークが挙げられるのですが、実はもっと知って欲しいのは、そのペイントの下に隠された思想やフォルム、そして旋盤加工により生み出されるオリジナルのエンドパーツや、彼の手によって削り出されるラグなどの造形の美しさ、そして自転車とそれに跨がる人が1つになって完成されていく意味を理解した上でのパイプチョイスといったことなのです。
常に既成と自由を信じ、既成の中にも自由や自己表現をしていこうと行動を起こすような人にはやはり信頼が置けるのですが、トッドも多分にもれずそんな人間の一人であり、彼のフレームビルディングには、そんな自由な発想や、彼らしい表現を感じ取る事ができるのです。 だからこそ彼を信頼でき、今まさにお待ち頂いている方々もそうやって彼を信頼してくれているのだと思います。
そんな彼とサークルズ・シムワークスが共同企画として製作をお願いしたDisc Racer/ディスクレーサーや、Smooth Road/スムースロードは、シンプル・イズ・ザ・ベストをコンセプトとし、決してスチールバイク=ノスタルジックということではなく、そして過度なスペックというものを追い求めずに、とにかくファンツールとしてライドを末長く楽しむ事ができ、そしてそれを選んだ乗り手の人生がより豊かになることを想像したハンドメイドフレームです。
もちろん、より明確にあなたが望んでいるイメージを形にするのであれば、カスタムオーダーのご相談もお待ちしております。 ですが、上記2台のコンセプトがピッタリとあてはまり、そしてサイズが合うということがあれば、それは出会い以外の何ものでもないと思うのです。 用途に合わせたアッセンブルや、乗せ換えのご相談等、どうぞお気軽にサークルズ2F、テーラードまでご相談下さい。