僕自身、人生初の九州上陸となる今回の旅。つい最近もケンポロが旅をしていましたね。
今回僕が向かった先は、熊本県の最北端「小国」。阿蘇外輪山の外側に位置する小さな町は小国杉と名が付くほどの良木があることで知られています。今思い返せば、小国へと向かう道中で伐採した木を積んだトラックと何度もすれ違った事や、ライド中も多くの杉の木に囲まれていたことからも容易に見当がつきます。
4度目となるRapha Gentlemen’s Raceの今回のスタート・ゴールそして宿泊のベースとなるのは「木魂館」。地元の杉をふんだんに使ったボックス梁構法によって作られた建築の屋根は、小国の伝統的な「置屋根」からヒントを得て作られたのですが、まるで木魂館の屋根の形状は起伏に富んだこの地域を象徴するような形で、これから走ろうとするコースを暗示するかのようでした。
5人一組でゴールを目指すGentlemen’s Raceはレースであり、レースでない側面を持ちます。順位は結果としてついてくるもので、グラベルやハードながらとてもドラマチックなヒルクライムなど、多くの要素が詰まった135km,3000mUPという道のりを5人で力を合わせて乗り越えていく先にある何かを求めて走るのです。
今回、福岡のライダー丹野さん(自身もCieloに乗っていらっしゃる素敵なサイクリストです)を中心にディレクションされたコースは、前半に小国の杉並木の中を走り抜けるリズミカルな上り下りの繰り返しが続き、正直前半だけでも十分に楽しめたほどの充実感でついついペースも上がり、足を使ってしまったのですが、後半はその疲れも忘れるようなダイナミックな景色が続き、カルデラや大観峰の風景のスケールの大きさに感動しながら走っていました。
初回からずっと参加させて頂いていますが、本当にいつも素敵な発見や、素晴らしい出会いを得る事ができ、感謝以外の言葉が見つかりません。
RGRというのは、5人でゴールを目指して走る訳ですが、むしろゴールからがまた始まりで、その先には人との出会いや、見知らぬ地へと足を運ぶ事であったり、参加したサイクリストそれぞれに色んな物事が待ち受けているのです。このRGRを通して自転車に乗る行為は、サドルの上では1人だが決して1人ではないということが見えてきます。そしてそれはその人自身やその周りの人の人生をより豊かなものにしてくれるに違いないと、毎回参加する度に強く思います。
オーガナイザーやボランティアスタッフのみなさま、そしてサドルの上で同じ時間を過ごした全てのジェントルマンのみなさま、本当にありがとうございました!