前回のOMM BIKE BLOGの続き。
「OMM BIKEは2日目こそ真の実力が試されるのだ!」と誰かが言ったとか言ってないとか。
結論から言おう。負けた。
完敗である。
昨日の有頂天状態を取り消したい。
初日、レース後に僕たちより点数が低かったジャッキーさんとジェリーさんに「たら、れば、言うのとかやめましょうよ〜」とか、カリスマ達にデカい事言った事をマジで心からお詫びしたい。
イノッチ:「俺たちも追われる立場になっちまったぜ〜」
ジャス:「そっすね〜」
とか、全部言わなかった事にしたい。
天国から地獄とはまさにこの事。
OMM BIKE レース2日目。曇り時々雨のち晴れ、THE・山の天候なレース2日目。
目が覚めた瞬間、「これだ、この感覚だ。去年と同じだ。」と真っ先に感じさせられた動かない体、冷めない火照り、痛い足。
「やべ。俺、絶不調」
この日は天気予報通りであれば、お昼頃から「雨」と言う事だったが、スタート時間の9:00頃にはポツポツ、ザー。ポツポツ、ザーを繰り返すような天候。昨日の酷暑とは真逆で火照った体にはちょうど良かった。
「あれ、俺今日意外にいけるかも。」
朝目覚めた時のあの嫌な感覚は、体が起き始めると同時に改善していき、時間と共に足の痛みも薄れていった。
さぁ、いよいよスタートだ。スタート前に配られる得点表は昨日とは違い、各コントロールのタイムリミットもプラスされていて、昨日とは全く違うレース展開を強いられるのである。
地図を片手に昨日と同様、コースプランを立てるイノッチ。
それを「そうですね」「そうですね」「そうしましょう」と言う僕のいつもの流れかと思いきや…
迷っている!!イノッチが迷っているぞ!!
どうしたイノッチ!?
早くいつものやりましょうよ!
もうプラン出来てるんでしょ!?
ほら、僕は「そうですね」「そうですね」「そうしましょう」って言う準備できてますよ〜!
「スタート30秒前〜」とアナウンス。
「ダメだわからん、ジャスどっちから行こう?」とイノッチ
昨日の経験値を生かし地図の上を攻める作戦か、昨日走っていないが高い得点の集まる地図の下を攻める戦か・・・
「今日は下から行った方が良い気がするんだけどな〜」「やべ〜ど〜しよ〜」とイノッチ。
イノッチが迷っている。
いつも僕を助けてくれるイノッチ。
仕事以外にも色々相談にのってくれるイノッチ。
みんなに愛されてるイノッチ。
キャップや鞄を作るのが上手なイノッチ。
Welldoneイノッチ
そんなイノッチが困っている!
僕の出番だ!
今ここでイノッチを助けなくていつ助ける!
ここでいつもみたいに「イノッチさんに任せるっすよ〜」なんて言ってみろ!
ジャスよ、お前、本当に何しにここまで来たのかわかんねーぞ!
昨日だって、「喉が渇いた〜」とか「足が痛い〜」とかガキみたいな事言って何もしてねーだろ!
それなのに勝ったような気になりやがって!
イノッチを助けろ!と、カミナリに打たれたように僕の心の叫びが全身を走ったのだ!!
「イノッチさん、地図の上を攻めましょう。」
2日目は1日目よりもレース時間も4時間と1時間短い。
昨日走ったルートを中心に、確実にコントロールを取っていけば必ず勝てる。
そう踏んだのだ。
「よし、そうしよっか。」とイノッチ。
これでコースは決まった。
「3・2・1 スタートー!!」
ルートが決まったのはスタート3秒前、あとはひたすらペダルを回し、登り、担ぎ、下るのみ!!
昨日の経験を生かし手前のコントロールは順調にゲット。
「行ける!!」2日目も行けるぞ!!
少しドキドキした!
「これ本当にいけるんちゃうか!」
そう思った。
レース中盤、いよいよ最高ランクの得点を持つコントロールがある白馬コルチナスキー場!
忘れもしない”B02″だ!吐き気がするぜ”B02″!
このコントロールを取らなければこの作戦は機能しない。
今日の作戦は全てはこのコントロールを取る為にあるのだ!!
いざ、クライムオン!!
レースの中盤、雨が降る斜度10%の登り坂、歩いた方が早いのでは?と思えるぐらいのスピードでしかバイクが進まない。体力も気力も限界の中、ただひたすらとペダルを踏む。暑い、いや寒い、体はどっちか分からない状況だったが、吐く息は少し白かった。
後少し、後少しと自分に言い聞かせる。
事件が起きたのはここからだ…
少し先頭を登るイノッチが降りてきた。「ごめん!!曲がる場所間違えてる!!」
「マジっすか!?」
結構登った。時間にして40分程だろうか。
しかし、あーだこーだ言っている暇はない。
イノッチを信じ、今来た40分の登りを一気に下る。時間にして5分だ。
40分かけて登った上り坂は5分で下れる。
あっけないものである。
下って少し走った所でどこかのスキー場のリフト付近へたどり着いた。
そしてイノッチが一言。
「なんか違〜う」「イメージしてた景色と全然違うんだよね〜。」
と、売れない写真家みたいな事を言っている。
気持ちを落ち着かせる為にタバコをふかし、地図と睨みあうイノッチ。
そしてしばらくして一言。
「マジか…さっきの道で合っとった…」
「あのカーブを曲がったすぐ先だった…」
おいおい、ちょっとまってくださいよ、と。
あの40分の登り坂をもう一回登れと言うのか、と。
しかも、40分の舗装路を登りきった所でそこはコルチナスキー場の入り口なだけで、そこからさらにリフト下から頂上まで自転車を担いで登るのかと思うと、吐き気と嫌気を通り越して「マックスボルテージサイクリストハイ」に陥ったのだ。
「ジャスどうする?ここはもう捨てて次回ろか?」とイノッチ。
「なに言ってんすか!登るっすよ!もう一発登ってやりましょうよ!あんな坂へっちゃらっすよ!」と僕。
撃沈。
何が「あれ、俺今日意外にいけるかも!」だ。全然ダメじゃないか。
途中、攣りまくる足、感覚のない手。もちろん最初に登った時よりも時間をロスしてしまった。
舗装路を登りきった先に見えるまだまだ遠いスキー場の頂。
タイムリミットだ。
ここからさらにスキー場を登っていたら制限時間に間にあわないどころか、減点で全ての点数を持っていかれる可能性がある。
それだけは避けたい。制限時間内には必ずゴールしたい。
「無理だな…」「やめよう…」「降りよっか…」とイノッチ
「そうですね」「そうですね」「そうしましょう」と僕。
ここに来てやっと、いつもの掛け合いが出たのである。
最悪だ。ポイントも取れず、無駄に2本の激坂ヒルクライムにタイムロス1時間半。
しかしまだレースは終わっていない。時間いっぱいまで残りのコントロールを狙って、少しでもポイントを稼ごう!!と思っても、体も心もズタボロな僕たち“FatBackHellRiders”のやる気は失せてしまったのである…
時間制限30分も残してゴールしてしまった僕たち“FatBackHellRiders”得点は200点台。過去最低得点を叩き出してしまった。
そもそも僕が上から攻めましょうなんて言ってなかったら…
僕が意地になって、もう一回登りましょう!なんて言ってなければ…
あー悔しいー!!
もちろん順位も大きく落とし、全てのライバルチームに負けてしまったのである。
この人達にも。
この人達にも。
この人達にも。
この人達なんて特に負けたくなかった。
お前ら全員顔覚えたからなー!!来年覚悟しとけよー!!なんて。
“FatBack Hell Riders”
そして、来年のOMM BIKEでリベンジを果たす為に我々“FatBackHellRiders” は、あのMTBレース、SDA王滝!!100kmに出場する事を決めたのである!!
その前にわたくしJUSは来週より、10日間キューバへ新婚旅行に行ってきます。
トレーニングはそれからということで。
待ってろ!!大滝!!
待ってろ!!OMM BIKE 2018!!
次回「”FatBackHellRiders” Road To 王滝」へ続く。