RIDEALIVE特別編 #BikeToFishing を琵琶湖で楽しんでいた最中、そこで ウルトラロマンスことロニーと、パトリック という ULTRADYNAMICOの二人と合流。 パナレーサーとの打ち合わせ、そして日本中、いや世界中が待ちに待ったあのイベントがここ日本で開催されるということで来日した彼ら。 旅は道連れということで急遽一緒に長野へと行動を共にした。
台風接近の中開催した国内第1回目のグラインデューロ。
GRINDURO / グラインデューロ 、カリフォルニアにルーツをもつこのイベントは、グラベルライドをベースに、キャンプ、食事、音楽といった様々なカルチャーをミックスしたイベント。
そんなイベントがついに日本でも開催されるということで、エントリーは募集開始して間も無くSOLD OUT。多くの期待が長野県は斑尾高原へと集まった。
しかし開催を前に、無情にも台風19号が列島を直撃する予報が出て、開催が危ぶまれる事態に。 実際開催するかどうかの判断はオーガナイザーがギリギリまで悩みに悩んで決められた。 色んな意見があるが、やるとなれば僕らは走るのみ。 ましてやアメリカからの仲間もきているんだからなんとかみんなで走り切ろうと、そんな思いで僕らは一路長野へ向かった。
ゲストハウス LAMP で”ととのう”。
本来であればキャンプインの予定だったが、天候を考慮しテント泊は断念、シムワークスもんじゃリコメンドの野尻湖畔にあるゲストハウス LAMP / ランプ さんに急遽お世話になることに。
アウトドアスクールの宿泊施設だった建物を改装して作られたゲストハウスでは、地元の食材を使った美味しい料理が振舞われ、野尻湖をはじめとする周辺の大自然で様々なアウトドアアクティビティーを楽しむには最高の拠点。 しかも宿泊者のみが利用できるセルフビルドのサウナ小屋でバッチリ整うこともできるという。
弾丸スケジュールで疲れていたウルトラな二人も、LAMPさんのおかげでしっかりとリフレッシュすることができ、また思いがけないサウナにウルトラハイになったのだった。 斑尾方面に遊びに行かれる方は是非LAMPさんへいってみて欲しい。
そして当日。
台風接近を受け、ルートは当初の予定から大幅に変更になり、30kmという短い設定に加え、スタート時間を前倒すことでなんとか台風が本格的にやって来る前にイベントを完了させようという決断に。
会場へ向かうのはまだ夜が明ける前、予報通りの雨だったが、個人的にはこの春にカリフォルニアで体験したFISH ROCKを思い出させる。 初めましての人や、久しぶりの方々との再開で話に花が咲いたが、あっという間にスタートの時間に。
ルートは短縮されたけれど、カリフォルニアのダイナミックなダートとはまた違った日本らしいシングルトラックや次々に景色が変わっていく様はライダーを飽きさせない。 途中3つの計測区間があり、そのタイムの合計で順位を競うのだが、そんなことを忘れて夢中にシャッターを切りながら走っていた。
後ろからすごい勢いでやってきたロニーはベッドロックサンダルにポンチョという出で立ちで、スリッピーな下りのグラベルを彼らが作るタイヤの名の通りダイナミックに駆け抜けていた。 最後は手を取り合って仲良くゴール。 We made it!!
多くの方々の力があったからこそ楽しめたグラインデューロ。
正直、台風接近を受けて果たしてどれくらいの人がやって来るのだろうと思っていたが、箱を開けてみれば467人のエントリー中、267人の出走があったそうだ。 やはりそれだけみんなの期待が大きかったのだと思う。
そして、もはや伝説とも言える台風接近を前に開催したこの第1回グラインデューロは、運営スタッフの方々、ボランティアの方々、そして地元の方々の力があったからこうして無事に成功したわけである。 彼らのおかげで本当に楽しい時間を過ごすことができた。
オフローダーの心意気。
今回のルートを作ること、そしてイベントと台風が過ぎ去ったあとにこのルートを修復することを想像すると本当に多くの人の手がかかっていることがわかる。
普段自分が走っているグラベルも、台風や荒天のあとは木が倒れていたりするのはよくあること。 そんな時は自分のできる範囲でいいから少しでも次に使う人のことを思って行動をする。 ゴミが落ちていたら拾ったり、ハイカーさんとすれ違う時は道を譲ってもちろん挨拶は欠かさずに。 「この先道がこうなっているよ」とか、「この間イノシシが出たよ」とか、そこから話が膨らむこともしばしばだ。(なぜか僕はハイカーのおじちゃんにクリームパンの差し入れを貰うことが多い。)
誰かが作ってくれた道を走るのは簡単だけれど、自分たちで作ったり、選んだ道を進んでいくこと、そしてそれを仲間と共有すること。 それこそが、グラベルバイカー、マウンテンバイカーを問わずオフローダーの心意気なんだと思う。 グラインデューロはそれを僕に改めて教えてくれたイベントだ。
台風接近を受け、「開催しない」というのが一番簡単な選択だったと思うが、それでもなんとか開催しようと決断した彼らにはリスペクトしかない。 本当に難しい判断だったと思いますが、中止にしたいと思っていた人は主催者、参加者含め誰もいなかったはず。
国内初開催となるグラインデューロに関わった全てのみなさんに最大限の感謝を。 そして、台風19号で被災された方に、一刻も早く平穏な日々が訪れることを心から願います。