サークルズに併設されている朝ごはん屋「EARLY BIRDS BREAKFAST」。店主の大平ケイタが毎朝7時からアメリカンブレックファーストを提供してるのはみなさまご存知の通り。そして彼のInstagram(@keita_earlybirds)をフォローしている人はこれもご存知かと思いますが、彼は休日にはとにかく自転車のライドに行くんですよね。
美味しい食事を作る彼の中で、ライドがどういう位置付けなのかというのはまだちゃんと聞いた事がないけれど、今回のライドイベント”WONDER HOPPER”への情熱は、その二つが不可分な事がうかがえます。
そして、それは自転車店ながら飲食部門が3つあるサークルズも同様です。自転車に乗ってどんな場所へ行き、どんなライドを楽しみ、誰とテーブルを囲み、どんな食を楽しむのか。それらは私たちが思い描く、自転車がある生活の根幹をなす部分です。まだまだ実験的ではあるけれど、そんな理想を追い求めるライドシリーズが始まりました。
VISON / ヴィソンと本草研究所 RINNE
会場となったのは三重県多気町に新しくできた商業リゾート施設ヴィソン。癒・食・知をテーマにした巨大な施設で、その規模とデザイン、ユニークな試みのラインドスケープに圧倒されます。
そして、奥ヴィソンと呼ばれる荒野に一軒佇む「本草研究所 RINNE」が今回のメイン会場。大きな開口のガラス壁から多気町の山々を望む気持ちの良いお店です。
まずはアリバのけいたが作る朝ごはんで腹ごしらえ。いつものアリバメニューではなく、この日のためのスペシャルセットです。
多気町と宮川
ヴィソンを出発して走り回るのは三重県中部の多気町一帯。伊勢神宮の上流にあたり、神秘的な雰囲気が漂うエリアです。ヴィソンの運営もこのあたりでよく採れる薬草を一つのキーワードとしています。ちょうどヤマザクラが満開で、緑とピンクのまだらな山並みが本当に美しかったです。
小さな峠と大きな峠がそれぞれひとつ。櫛田川を遡り宮川を下りますって約60kmのループルートをそれぞれのペースで走ります。
途中に立ち寄った瀧原宮は、礼厳あらたかな伊勢神宮ができる前の伊勢神宮。
昔から少し特別な文化を育んできたこの場所には、高い山もなければ派手な観光地もなくただ美しい川が流れ植生が良いというだけであり、それが日本の黎明期の景色を想像させて、個人的にもとても好きなエリアです。
みんなでテーブルを囲むディナーは料理人 / “ ひのめ ” 上谷朋大によるもの
待望のディナーは、三重の亀山で地元のものを中心に野菜を使った料理を出すレストラン“ ひのめ ” を営む上谷朋大さんのコース料理。
メインの「新玉ねぎ」をはじめ、メニューには素材となる野菜しか書かれていません。玉ねぎがメインってどんな?って最初は思いましたが、野菜ひとつひとつの存在感がとても強くて、野菜ってこんなに主役になるんだ!っていう強い驚きがありました。ライドと同じく刺激的な体験でした。
“ ひのめ ” のシェフ上谷さんは29歳。料理の話を少し伺っただけでも、その丁寧さとユニークさが人柄にも料理にも出ているのが凄くよく分かりました。その地域を走り、その地で育った食材を使った料理を、その地で料理をしている人に作っていただくという本当に豊かな時間を過ごすことができました。ありがとうございました。
美味しい時間と楽しい会話は長いこと続きます。
様々な参加者
そしてライドイベントが面白いのは様々な参加者が集まるところ。地元のライダーから、名古屋の友人、東京や大阪、京都からも集まり、一緒に走って一緒にテーブルを囲むことができました。普段から自転車に乗る人も、今回が初めてのロングライドの人もいて、みんながそれぞれに楽しむ姿がとても良かったし、自分自身も楽しめました。
ライド / 食 / 地域 / 人といった要素をどう織り交ぜて自転車を通したライフを楽しむか。一定の解が無い、だからこそ面白い、このWONDER HOPPER / ワンダーホッパーの試みは始まったばかり。今後の展開が楽しみです。
WONDER HOPPER
https://www.instagram.com/wonder.hopper/