禁術などと大袈裟なタイトルから始まりましたが、最近ちょこちょこご相談いただいたりしますので少しフレームへ手を入れる改造について書かせて頂こうかと思います。
相談をお受けするとは言え、フレームの改造は簡単ではありません。
大した改造でなくても大掛かりになることをまずご理解ください。なぜなら膨大な作業が必要だからです。フレームからのパーツの取り外しに始まり、塗装、再組付けと多くの工程を経る必要があります。
さらにネックになるのは、その内容によらずフレームに手を入れた段階でメーカーの保証等が受けられなくなる事です(*色を塗り替えるだけでもメーカー保証から外れます)。ですから、禁術と書かせて頂きました。
ただ、それでも自分の使い方にフィットさせるべく改造したいと願う時、(なんでもできる訳ではありませんが)ご相談に乗れることもありますので諦めずに一度お話しさせて頂くのも一つの手段かと思います。
フレームの改造とは、どんなものがあるのでしょう?
単純なもので言えば、ボトルケージ穴の追加だったりアイレットの追加だったりといったものです。
他にもスタンドプレートの増設や大掛かりなもので言えばドロップアウトの変更なんてものもあります。
バイクパッキングやグラベルバイクの登場で、ここ最近のフレームにはアイレット類は充実していますが、それでもピンポイントにここに欲しいとか、このラックを使いたいからここにねじ山が欲しい、なんてご相談をよくいただきます。

どんな自転車なら改造できるのでしょう?
やろうと思えば全ての自転車でできるとは思いますが、カーボン素材や軽量アルミパイプなどでできたフレームは穴開けやアイレットの取り付けなど、耐久性を考えると大変難しくなってきますので現実的ではないかもしれません。
ただそんな中、僕らの愛するスチールフレームは、余程軽量なパイプを使用していない限りご相談いただけます。
この辺りがスチールフレームの懐の深さであり楽しめるところでもあるのではないでしょうか?
アイレットを追加で溶接してみましょう
さて今回は、アイレットの追加をお申し付けいただいたのでどのような作業になるか見てみましょう。
まずは、邪魔になるパーツを取り外し取り付け予定の場所にある塗装を剥がします。
左側が何もしてない方、右側が塗装を剥がした方です。

次に取り付け予定の場所にアイレットを用意し、フラックス(溶接箇所に塗る薬品です)を塗り、溶接して、、、
完了です。

無事に取り付けできました。
これで、ラックの取り付けもバッチリです。
フレームに火を入れるという事
一見簡単そうに見えるこれらの作業。
ただ、ちゃんと考えてください。
フレームに火を入れるという事を。
先にも書きましたが保証の面だけでなくフレームに火が入ればその特性はわずかですが変化します。
スチールフレームは、もともと火を入れて作りますし、大丈夫でしょ。という話ではなく、元々予定されない場所に火を入れて何かをつけるということは、耐久性や乗り味にそれなりの変化があることもお忘れなきようにお願いします。
色々なハードルがありますが、それを越えてでもという時は、一度ご相談いただければと思います。
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