WHAT ABOUT BIKE FRIDAY?

1992年、オレゴン州のユージーンの小さなガレージでアラン・ショルツとハンズ・ショルツ兄弟によって、BIKE FRIDAY / バイクフライデーは生まれました。

バイクフライデーの名は「ロビンソンクルーソー漂流記」に登場するキャラクターで、愛すべき親友であり、有能な相棒である Man FRIDAY から着想を得て付けられた名前であり、「世界を自分の目で実際に見て回りたい、旅人たちにとって、なくてはならないベストパートナー」と言う意味が込められています。

さて、そんなバイクフライデーは今年で30周年を迎えたのですが、実は筆者がサークルズをオープンさせる前から、その機能美、アイデア、そして哲学に惚れ込み、過去に自身もバイクフライデーを所有し、愛用していたということもあって、ぜひサークルズのオープンでは取り扱いをしたいメーカーの一つでした。

当時、オープン準備時から本国へ取り扱い希望を積極的にアプローチをしていたのですが、そのタイミングでの望みは叶わず、長年の月日を経て、ようやく近年サークルズで取り扱いができるようになったという、ちょっとした裏話もあるメーカーなのです。

日本国内での取り扱い店舗が少ないということもあり、まだまだ認知度が低いバイクフライデー。

しかし、日本という国においてとても理にかなった優秀なスポーツバイクであるとサークルズ? いや私個人的に自負していますので、少しずつ皆様にも知ってもらえるように、バイクフライデーが製造する代表的なバイクを一車種ずつ紹介していきたいと思い、久しぶりに筆を執ってみました。 ぜひ最後までお付き合いくださいませ。

New World Tourist
ニュー ワールド ツーリスト

創設当初の1992年に発表されて以来、現在に至るまで世界中で愛されているベストセラーモデルである「NEW WORLD TOURIST / ニュー ワールド ツーリスト」
数あるラインナップの中で、ブランドの立ち上がった最初期からラインナップされている代表的な定番ツーリングバイクです。

その名の通り、世界中を旅する自転車として多くの愛好家が様々なシチュエーションで使用しています。

そして彼らの製品はクロモリ・チュービングを使用して製造されています。

サークルズも得意とするクロモリ素材をバイクフライデーが積極的に採用している理由とは、彼らの製造するバイクが世界中を旅するために最高の自転車であって欲しいという、創業者たちのフィロソフィー(哲学)に起因しています。

クロモリ・チュービングを使用して製造されるバイク・フレームとは、(多くのみなさまが御存知の通り)走行時において路面からの振動を適度に吸収してくれるので、長距離ライドにおいても疲れにくく、最後の最後までライドを楽しみ抜けるということでしょう。

加えてこのバイクフライデーはフォールディング・バイクという性質上、繰り返し折り畳んで使用するという事がとても重要となってきますので、できるだけ高い耐久性を持ち合わせる意味でもクロモリ素材が一番適しています。最悪、旅先で壊れてしまったとしても、クロモリなら現地で溶接をして直すことだってできるのです。

また殆どのモデルは、乗り手の体格を採寸した数字をもとに、オーダーを受けてから制作されます。そう、バイクフライデーはハンドメイド・カスタム・フォールディングフレームなのです。 そして万が一壊れた場合でも可能な限りの修理保証が受けられるというのも皆さんにお伝えすべき重要なポイントです。 

ずっと使えること」それは近年では当たり前になりすぎてしまった「ダメになったら常に買い換えていく」ようなライフ・スタイルからすると逆行しているのかもしれません。しかし僕らサークルズが信じている一番の価値、それはすなわちこのずっと使えること、この言葉に集約されるのだと思うのです。

フレームが備える折りたたみの機能は、基本的にクイックレバーでワンタッチ。

通常の輪行時、邪魔になるハンドルやサドルはモデルによって着脱式であったり折りたたみ式であったりと、それぞれの走行性能と使い方、収納効率を考え抜いた作りになっています。

多くの折りたたみ自転車が、最初に壊れるのは折りたたみの機能部。
バイクフライデーが自転車を愛し、長く使えるモノづくりを前提に考えていることが、この折りたたみシステムの作りからもよくわかります。

自転車の走行時にはどこに力がかかるのか?
どんな折りたたみの仕方が、誰にとっても使いやすいのか?
どんな素材を使うことが、より長持ちで、かつリーズナブルであるか?
その答えは、一朝一夕には出なかったでしょう。
ただ、それを追求してきた結果が世界で愛されるツーリング小径車になった理由なのだと思います。

唯一無二の「小径ツーリングバイク」

そもそも小径車のツーリングバイクといわれるジャンルを世界的に探しても、正直バイクフライデー以外にその存在を見つけることは難しいと思います。 走破性能を犠牲にせず、必要とあらば専用のトラベルケースや輪行袋に短時間で収納、世界中のどこにでも運ぶことができるように考えられデザインされています。

バイクフライデーには16インチと2種類の20インチタイヤのモデルが用意されていますが、このNEW WORLD TOURISTは一般的にBMXが多く採用する、太めのタイヤが入る規格である【406】サイズの20インチを採用しています。

406サイズの20インチタイヤは細めのスリックタイヤからダート走行に適したブロックタイヤまで、とにかく多種多様なバリエーションがあり、ツーリングバイクとは謳っていますが、様々なシチュエーション(通勤から冒険まで)での使用が可能、とにかく懐の深いモデルということで、バイクフライデーの定番的地位を得ているのでしょう。

*ちなみにもう一つの20インチはと言えば【451】ですが、【406】と【451】のその差とはなにかといいますと、リム径のサイズであり、簡単に言うとリム径が小さい方が【406】、大きい方が【451】です。 後日紹介しようと思っているバイクフライデーのもう一つの定番モデル POCKET ROCKET は、より走りに特化させるために、この451サイズにて展開されています。

多彩なオプション装備

バイクフライデーはオプションも多彩で、リアラックとフロントラックはバイクフライデーが製造する専用設計品が用意されています。 当然ですがパニアバッグやラックトップバックなどが装備でき、大量に荷物を積載しても、20インチ特有の低重心で安定した乗り心地を約束してくれます。

折りたたみ時に持ち運びがしやすい専用のソフトトラベルケースはもちろん、トレーラー付きトラベルトレーラーというハードケースシステムが存在し、バイクを収納するトラベルケースを牽引可能なトレーラーにするためのセットもオプションで選んで頂けます。

また多種多様なステムシステムも有り、モデルによってベースとなるステムは基本決まっていますが、お好みのスタイルへのアップグレードも可能です。

また小径車、特にフォールディングバイクは、独特なフレーム設計をしているものも多く、フェンダーの取付けが専用品であったり、そもそもが困難な場合も多々あるのですが、バイクフライデーといえば、シンプルが一番という思想をベースにしていますので、フレームの構造自体は至って普通、フェンダー用アイレットも一般的な自転車同様にフロントフォーク、シートステイ上に最初から備え付けられているので、その取付も容易です。 ちなみにですが、弊社のオリジナルメーカであるSimWorksが製造している Micro Turtle / マイクロタートルフェンダー は、このニュー ワールド ツーリストへの装着を前提に生まれたと言っても過言ではありません。

*下記の写真は別の参考車体になります、取り付けの際には追加の鳩金具 SimWorks By Honjo Dove Stay 50mm を別途使用しより美しく装着させるために一工夫しています。

カスタムオーダーだからこそ。

自転車を楽しく乗るには、そのフレームサイズが非常に重要であるにも関わらず、ほとんどの折り畳み自転車や小径車にはサイズを選択して購入できるものはほぼありません。

先にも上げましたように、このNEW WORLD TOURIST / ニュー ワールド ツーリストを初め、バイクフライデーは基本的にカスタムオーダーメイドとなっており、ユーザーの身長、体格に合わせて1本1本フレームが制作されます。
その適応身長は、約140cm~200cmと身長が低い人も、高い人もバイクフライデーにピッタリのサイズで乗る事が出来ます。

そしてフィッティングはもちろんのこと、ひとりひとりの好みに応じたパーツ構成、フレームカラーなど、カスタムオーダーだからこそできるこだわりで、スポーツバイク初心者の方から、数多くの自転車に乗り継いできたベテランの方まで、幅広い層のサイクリストにバイクフライデーを100%楽しんでいただけると思います。

今回ご紹介させていただいたバイクフライデー ニューワールドツーリストは “長期間のツーリングをする” と言う事を前提にパーツのアッセンブルをさせて頂きましたが、451サイズの20インチホイール(ディスクブレーキ仕様)を別に用意しておけば、より早く走る!というシチュエーション時にも、さっとホイールを変更するだけでその趣を変化させることもできてしまいます。

バイクフライデー ニュー ワールド ツーリストとは、そんな懐の深い、そして器が大きく、でも小さな車輪の相棒的自転車、ぜひこの機会にお見知り置きくださいませ。

次回はもう一つの定番モデル、POCKET ROCKET をご紹介いたします!

kyutai
田中 慎也

空転する思いと考えを自転出来るところまで押し上げてみた2006年。自転し始めたその空間は更なる求心力を持ちより多く、より高くへと僕を運んでいくのだろうか。多くの仲間に支えられ、助けられて回り続ける回転はローリングストーンズの様に生き長らえることができるのならば素直にとても嬉しいのです。既成概念をぶっ飛ばしてあなただけの自転力に置き換えてくれるのなら僕は何時でも一緒に漕ぎ進めていきたいと思っているのだから。
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