何よりも速く、どこまでも遠くへ。
自転車という乗り物の中でそれを1番得意とするのがロードバイクです。
誰もが酔いしれるであろうその”速さ”は魅力の1つではありますが、たくさんの景色を眺め、様々な土地を訪れ、人や食と出会うというライドの醍醐味を、決められた時間の中でより多く体感できるというのもまたロードバイクの大きな魅力です。
私達サークルズスタッフもその魅力に取り憑かれており、もちろんそんなお客様もたくさんいらっしゃいます。
今回は、そんな誰をも魅了してしまうロードバイクをご紹介させて頂きたいと思います。
【SEVEN CYCLES】Axiom SL
BIKE SPEC
Frame | SEVEN CYCLES Axiom SL |
Fork | ENVE Rim Brake Fork |
Component | SHIMANO Ultegra 6700 |
Wheel Set | DT SWISS 240 x ENVE 1.25 tubular Rim |
Tire | CONTINENTAL Competition |
Head Parts | CHRIS KING Inset8 |
Bottom Bracket | CHRIS KING Threadfit 24 |
Handle Bar | SIMWORKS Misirlou Bar |
Stem | ENVE Road Stem |
Saddle | SELLE ITALIA Flite 1990 |
Seatpost | SEVEN CYCLES Max Power Seat Post |
BRAKE OUTER CABLE | SIMWORKS BY NISSEN Stainless Outer Cable |
SHIFT OUTER CABLE | SIMWORKS BY NISSEN Stainless Outer Cable |
INNER WIRE | SIMWORKS BY NISSEN SP31 Inner Wire |
マサチューセッツ州ウォータータウンに拠点を置くSEVEN CYCLESは、チタンチューブをメイン素材にフレーム製造を行うハンドメイドバイクメーカーです。 そこで製造されるフレームは、ライダーの身体と現在のポジションの測定値、抱えているストレス、新たなバイクへの希望などのあらゆる情報をベースに生み出さられる、オーダーをした唯一人のためだけの1台です。
今回ご紹介する1台は、そんなSEVEN CYCLESがラインナップするロードバイク、Axiom SLです。 使用されるアルジェンチューブセットは、15年にも及ぶ開発期間経て出来上がったセブンが用いるオリジナルチューブセットの中でも、最も調整範囲の広いチューブです。 最適な重量バランスを求めることを可能とし、耐久性やドライブトレインの硬さ、そして路面への追従性など、ライダーの好みや能力に合わせることを可能とします。
そして“SL”と名の付くAxiom SLは、オーナーのリクエストをさらに忠実に具現化するため、そのアルジェンチューブを1本1本適した箇所にバテッド加工を施したチューブで製造される1台なのです。 ハンドメイドバイクと呼ばれるものは数あれど、バテッド加工されたパイプを適正に長さにカットして用いるのではなく、その1台のためにだけのバテッド加工が施されたパイプを使用して作られるバイクはその他にみることは少ないでしょう。
このバイクのオーナーは、10年乗られていたクロモリのロードレーサーからこのAxiom SLへ乗り換えられました。 それまでバイクはハンドメイドのもので、それにもとても満足されていました。 しかし、既存のストックフレームだったこともあり、自分専用の設計で、尚且つ素材の軽さと高い耐久性を備えたチタン製のバイクに乗りたいということでオーダーを頂くこととなりました。
コンポーネントはそれまで使用されていたSHIMANO Ultegra 6700をそのまま移植。
このような場合、多くは最新のコンポーネントをアッセンブルする事が多いと思いますが、あくまでオーナーが求めたのは、乗り心地の軽快な走りと長時間乗っていても疲れを感じにくいしなやかさと、今後永く乗り続けていくための耐久性だったのです。 そのため最新のコンポーネントは必要としておらず、自転車のメインのパーツとも言えるフレームを交換するという選択に至ったのです。
もちろんこの答えは誰にでも当てはまるものではないのですが、ある人にとっては最適解となるはずなのです。
またシートポストはSEVEN CYCLESのMax Power Seat Postを選択。
30.9mmの大径シートポストは、一般的な27.2mm径のシートポストより安定したプラットフォームを提供し、ペダルストロークの効率を良くします。 またそのチューブは非常に薄いため軽く、同時により高い強度が得られます。 性能としても優れたものになるのは当然ですが、チタンチューブで統一されたそのルックスは純粋に美しくもあります。
ホイールはこの時のためにストックしておられたENVE 1.25 Tubular RimとDT SWISS 240を手組みで組ませて頂いたもの。 ホイールにも軽快さを求められており、これまで長くチューブラータイヤを愛用されてきたことと、今後もそうしていきたいという希望でこのようなかたちとなりました。
そして、ヘッドパーツとBBには、補修用のスモールパーツを取り揃え、メンテナンス性に優れたCHRIS KINGを選択。もちろん1つ1つのパーツが非常に高い精度で製造されているため優れた回転性能と耐久性も備えています。
納車から既に数ヶ月経っていますが、その走りは快調で、起伏の多いライドルートも軽快に走り続ける事ができ、また長時間のライドの後にも体に感じる疲労が軽減されたとおっしゃっています。
これからまだまだ長い年月を共に過ごして頂くわけですが、最初のフィーリングは抜群なようで嬉しいばかりです。
きっとこれからも様々な道を走り、景色を眺め、充実したサイクルライフを過ごしていかれることでしょう。