マイクロシフトが誇るグループセット「ADVENT X / アドベント エックス」「ADVENT / アドベント」「ACOLIYTE / アコライト」の中のADVENTとACOLIYTEには、聞き馴染みのないスーパーショートケージなるリアディレーラーが存在します。
その名の通りケージがすごく短いリアディレーラーがその正体なのですが、なぜこんな物が必要なのか少し深掘りしてみようかと思います。
巨大化するスプロケと、それに対応する長いケージ
最近のバイクは、グラベルバイクに代表されるように土臭い物が増えております。
土臭い道にはアスファルト道にはないような激坂があったりもします。
そこで、どんな激坂も登れる様にリアのスプロケットは巨大化の一途をたどり、51Tや52Tなどのディスクローターよりも大きな怪物のような物も存在するようになりました。
それが悪いと言ってるいるのではありません。
僕の様な貧脚には、「あってよかった50T。」みたいな格言を作れるほど助かっております。
一方で、大きなスプロケットには長いケージのリアディレーラーが必要です。
巨大スプロケット&ロングケージの弱点
ただ、メカニック的な視点に立つとこの大きなスプロケット、使いにくい自転車が見えてくるのも事実です。
それは、どんな自転車か?
ズバリ、小径車と子供車です。
つまり小さいホイールを使用する車種です。これらに巨大なスプロケットを使うと何が問題になってくるのでしょう?
距離の重要性
それは、車輪径の小ささがもたらす、ケージとの距離不足です。
- 地面との距離
- タイヤとの距離
主にこの二つの距離がネックになってきます。
地面との距離
巨大なスプロケットは、当然のことながらその直径が大きく、20インチの自転車に取りつけると圧倒的な存在感を発揮します。その際のリアディレーラーと地面との間に許されて距離はわずか数cm、そんなこともしばしばです。
地面に当たっているわけではありませんし、コーナリング時にバイクを倒すにしてもRDをヒットさせるのは至難の業ですから、問題無いと言えば問題無いでしょう。ただやはり縁石や障害物に当たる確率は上がりますし、車体とのサイズバランスも良くありません。
タイヤとの距離
クリアランスの少なさは縦方向だけでなく、横方向にも存在します。
一番自転車側に来たディレーラーケージは、タイヤの真横に存在し、小径車のさほど太くないタイヤを持ってしてもその隙はギリギリ。
これも当たってないから問題無いと考えることもできますが、余裕の無さが気持ち悪いのです。
小径ホイールには専用の小さいディレーラーを使用する
そう、そんなアンバランスさや距離の短さを解消するのがスーパーショートケージと考えます。
使えるスプロケットの最大歯数は38tと下がってしまいますが、諸問題は改善され、サイズバランスの違和感からも解放されます。
こぎ出しの軽い小径車には巨大スプロケ不要!?
スプロケットが小さくなってしまうことで、一番軽いギヤが減ってしまいますが、これはフロントチェーンリングの大きさを変更してもらうことで解消するはずです。そもそも漕ぎ出しの軽い小径車、38tで十分です。
見た目のアンバランスさ以外にも、オフロードに積極的に入る小径車や子供用のマウンテンバイクにもベストマッチなシステムです。
オンロードに比べてチェーンの暴れやブレなどが大きいオフロード、リアディレーラーとタイヤの距離が少ないとチェーンを巻き込みなどで走行不能になったりする可能性があります。
ですがスーパーショートケージであれば、こういったトラブルの不安を減らしてくれます。
マイクロシフトならではのラインナップ
そう、このスーパーショートケージ、車種と効能がかなり限定されますが、痒いところに手が届くいかにもマイクロシフト的なアイテムになっています。
万人に必要な物ではないですが、まさにコレを欲していた方もおられるはず。
そんな方に届けばいいなぁ〜と思い書かせて頂いた記事でした。
スーパーショートケージへのアップデート、ぜひご相談ください。