来店予約はこちら

RAL CAMP in GIFU

始まりはいつもコーヒーから

 
ライドの疲労と少々日本酒を飲み過ぎたこともあり、2人は深い眠りへと誘われた。
想像以上の寒さであったが、このキャンプに向けて寝袋を新調したこともあり、寒さに震える事もなくしっかり身体を休める事ができたのだった。
 
「 カチッ、カチッ 」
 
Kamoちゃんが湯を湧かす音に気づき目が覚める。 朝6:00ごろだった。
寝袋にくるまったままテントの入り口から顔を出すと、外はまだ薄暗く昨晩よりも寒さを感じた。
そう言えば、寿し幸のおばちゃんが 「 日の出前はどえりゃあ寒いでな。 」 と注告してくれていたのを思い出した。 既に日があたっていてもおかしくない時間だったが、キャンプ場のすぐ南側に大きな山があった為に他の場所よりも日が当たるのが遅いのだろう。
 
キャンプした清流白川添いにあるクオーレふれあいの里キャンプ場は、ハイキングや川遊びやBBQなどアウトドア三昧の休日を楽しむのにピッタリな場所。 夜中に潜り込む様にしてなんとか辿りついたので、まずは辺りを見回し何があるかを散策へ。

散策が終わると、2人とも湯を沸かしコーヒー豆を挽き自分好みにドリップし始めた。 やはり自然溢れる場所に身を置くと普段よりもさらににコーヒーが飲みたくなる。 なので、少々荷物が増えたとしても、コーヒーを淹れる道具はいつも欠かせず持っていく様にしている。 これがないと一日のライドが始まらないのだ。
 

ルートを選ぶ基準は楽しそうか否か

 
朝食を作ったり焚き火をして体を温めたりで出発したのは正午くらいだった。 キャンプツーリングを1度でもしたことがある人であれば、その時間に出発することがどういうことなのかはお分かり頂けると思う。 そんなこんなで、フロントバックに入れていたツーリングのバイブル紙 ツーリングマップル を広げ、目的地までのルートをどうするかを作戦会議をし始めた。
 
「 タカさんどの道から行きます? 」
「 やっぱり現地の人しか使わないような道が楽しそうだよな。 」
「 じゃあ山越えですね。 」
 
そう、何かと楽しそうな道を考えると、必然的に山越えの道や地元の人しか使わない生活道となるわけだ。
 

 
北側の斜面は日陰になる場所が多く、その路面のほとんどが凍結していた。 しかし、引き返さず前に進む冒険心しかないのが僕ら。 タイヤが完全にスリップして地面に足をついてしまうと再度ペダルを回し始めるのは至難の業。 押して進む事も出来ない場所はどちらかが手を差し伸ばし、お互いに引っぱり合いながらゆっくりと前に進んでいった。
 

白川町三川下平は、有名なゲンジホタルの生息地

 
白川町の駅から南東に位置する三川下平(ミカワシモダイラ)。 この場所には非常に透明度の高い赤川が流れており、ゲンジホタルの生息地として有名な場所である。 ゲンジホタルは幼虫のエサとなるカワニナが生息出来る条件が整った川でないと見る事が出来ないのだ。 そしてホタルの成虫の命は2週間たらず、セミの成虫と一緒ではかない命となる。 そんな事も興味を持たないと知ろうとしないが、こういうライドをしている時は妙に色んな事に興味を持ってしまう。 なので、ホタルが飛びかう頃にまた訪れようと思う。
 

西国三十三所を1つの山に凝縮した隠居山

 
昨日の 寿し幸 で仕入れた情報を元に目的地に選んだ やすらぎの里 隠居山観音(インキョサンカンノン) 。 この場所の岩陰や洞窟の中、岩の上には三十三体の観音様が祀られている。 その名の由来は、172年前に石木の大西家の隠居様で、山田亀助という人が、西国三十三カ所 の観音を深く信仰していたことで、なんとかしてこの土地でお参り出来るよう、西国三十三カ所の砂をもらいうけて石仏の観音様をまつりこんだのが始まりだった。 時間があればすべて回りたかったが、今回はおばちゃんがオススメしてくれた石のトンネルと岩の上に祀られている観音様1体を拝んで次の場所へ。
 

坂折棚田~八百津の山々

 
ダンプカーと戦いながら1つ峠を越え、その先にある 坂折棚田(サカオリタナダ) へと向った。 ちょうど小学生が下校している時間帯で、すれ違うたびに
 
「 あー、なにあれー、こんにちはー!! 」
 
ヒーロー気分を味わいつつ、田舎にはちゃんと挨拶出来る子がたくさんいるんだと、歳を重ねた性なのか感心していた。 昔の自分だったらと思うと少々胸が痛む。 そして棚田に着くと辺りは薄暗くなり始め、時計の針を見るともう17時をまわっていた。 棚田の風景を堪能している場合ではなくなったのだ。
 
「 タカさん、ちょっとやばくないですか? ここからゴールまでほとんど山の中を30kmほどありますよ。 」
「 ほんとだね、どうルートをひいても山深い道を通らないとあかん。。。 」
「 急いで行きましょう!! 」
 
これが冒頭でお伝えした、正午ごろに出発するとこうなってしまう典型的な例。 やはりツーリングの基本は 早寝早起きだと改めて感じさせられるのだった。
 

 
ここから600mほど登りが待っているが、とにかく進まなければならない。 凍結していないか路面の状況を確認しながらゆっくりとペダルを回していく。 すると、突然kamoちゃんのフロントライトの電池が切れた。 慌ててヘッドライトに変える。 そこからは明るいダイナモライトを使っている僕が先頭を走り、辺りを照らしつつゆっくりと進んでいくこととなった。 何はともあれ、走ったことがない薄暗い山の中を走るのはとてつもなく不気味である。 だが少しずつこの状況に馴れてくると、徐々に楽しさを感じる自分がいた。
 

終わりはいつも始まり

 
このキャンプライドの終着地は、RIDEALIVE などでもお世話になっている可児市の 創作居酒屋えんぎや さん。 ルートを間違えてしまったこともあり、予定していた時間よりもだいぶ遅くなってしまっていた。 空腹が絶頂を迎えていて、コンビニで何度も補給しようかと思ったけれど、なんとか我慢して辿り着いた。 無理のしすぎもよくないのは分かっていたが、おいしいご飯を食べれると思うとこの空腹感を満たそうと思わなかったのだ。


 
期待していた通りの新鮮な魚介をたらふく用意してくれていた。
そして言うまでもなく、ライドの珍道中を酒の肴に宴会は遅くまで続いたのであった。
次はどんな出会いが待っているのか楽しみでしょうがない。


TODAY’S RIDER

RAL CAMP in GIFU

FrameDoppoATB
HeadSetChrisKing1-1/8 NoThreadSet
RimVelocityCliffhanger
HandleSimWorksGetAround Bar
TireSimWorks by PanaracerThe Homage 650b
StemSimWorks by NittoTomboy
SeatPostSimWorks by NittoBeatnik
Main GroupShimanoLX
SadleWTBBlack Pure V Race
PedalMKSLambda
RackSimworks by NittoPotluck
ShifterPaul Componentmicro-Shift Thumbies Pair
Pannier BagRALDL Lorder
Camera BagPorcelain RocketMini Slinger
HelmetGiroAtmos
JacketRal By Deeper’s WearDefender Shirt
VestOMMRoter Vest
PantsDeeper’s WearFastPass Baker
BaseLayerPatagoniaCapilene Thermal Weight Crew
PouchesHunterCycles x Porcelain RocketFanny Packs
ShoesHOKA ONEONETOR Ultra Hi Wp

TEXT and PHOTO by taka