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春の訪れとともに新店舗チェルキのご紹介。

三寒四温という言葉通り、少しずつ春の近づきを感じ始めた2月の終盤、みなさまお元気にしていますでしょうか?
皆様こんにちは、田中でございます。 前回は長ったらしく、そして田中らしい話を書かせていただきましたが、今回はサークルズの新事業について少しお話させていただければと思っております。 ぜひ最後までお付き合いくださいませ。

わたしがサークルズを自転車店としての構想を考え始めたのは遡ること20年前、前前職の衣料品店に勤めていた時代になります。

アメリカから戻ってきた若かりしうぬぼれ小僧だったわたしは、毎日何かにつけてイライラしながら日々を過ごしていました。 日本を長く離れていたせいか、その勝手の違いや考え方などがどうしてもしっくりこず、自分のことを棚に上げて、誰かの、そして何かのせいにしたかったのだと、今の歳になるとすぐにわかることなのですが、やはりそれは若輩者、すんなり納得、とそういうわけには行かないわけです。 そんなわたしは夜な夜な飲んだくれ、好きなゲームばかりをして時間を無駄に使っていたわけだったのでが、そんな時でもわたしの気持ちを支えてくれたものがありました。 それは気のいい夫婦が切り盛りする小さなスパゲティハウスの存在でした。

数少ないわたしの友達の、そのまた数人しか知らない事実があります。
それは、サークルズという自転車屋を始める前にずっと温めていた私の未来構想のひとつ、小さなスパゲティハウスを開業したいという心に秘めた思いの話。 わたしは名古屋の下町、御器所と呼ばれる場所で育ちました。 両親は第一次ベビーブーム真っ只中に生まれた団塊の世代で当然のように共働きでしたので、まぁ好き勝手し放題。 優しい祖母には深い愛情をかけてもらっていましたが、やはり悪ガキが多く育つ街、時代。 わたしは親が与えてくれた若干のお金を握りしめ、近所のゲーセンで時間を潰したり、その隣りにあった小さなスパゲティハウス 炎の国や(ひのくにや)へと足を運んだものでした。 時は過ぎ、留学期間を終え青年期を迎えたわたし。スパゲティハウス 炎の国やのマスターはあの時と変わらず、アメリカ帰りの鬱々としたわたしの愚痴をカウンター越しに聞いてくれる存在として近くにいてくれました。 九州から出てきたマスターは、前職までホテルの厨房で働いていたこともあり、高度成長期に起こった昭和スパゲティブームに乗り、自分の店を持ちたいという夢を御器所で叶えたのでしたが、その味は単純なイタリアンパスタではなく、どこかしら懐かしい日本風のあっさりとした味付け。カウンター越しの会話も相まってわたしのソウルフードになっていったのです。

モノを買付け販売する、それを若い頃より当たり前のように繰り返してきた自分でしたが、少々飽きも来ていたことが先程の愚痴のようなものに変わっていったのでしょう。もしかすると、そろそろ人生の一区切りをつけるタイミングだったのかもしれません。そこで、中学生の時に自分の店を持つという目標を作ったわたしは、一体何をすれば良いのだろうかと考えたわけです。 ゲームと服と酒と、有り余る好奇心と鬱々とした愚痴でいっぱいの頭をぐるぐる回し出てきた2択が「自転車屋」か「スパゲティ屋」ということだったのです。 この選択肢は本当に悩みました。 どちらも大好きではあるものの、言ってみればただの客です。口をせっせと使いモノを売っていくセールスマンであったわたしとは対象的に、寡黙なマスターが店を切り盛りするその姿は、子供の頃からずっとわたしの憧れ。そして何よりも完成されたモノを買ってきてお客に売るということとは大きく異なり、材料を仕入れ、仕込み、そしてお客の前で完成品にして提供するという、とてもシンプルなD I Y的な飲食業の風景は当時のわたしにとって本当に魅力に満ちた仕事だったのです。

わたしの中では極めて近い日常の風景が自転車屋と飲食店には存在すると思っています。 そのような似た存在の2つの要素を足して、かつ衣・食・住を完成させるのは自身のアイデアながらとても理にかなっていると思っています。 サークルズにはアーリーバーズ、カルチャークラブにはパインフィールズマーケット、という2つの要素を足したお店を現在運営しておりますが、お客様からの反応をよりダイレクトに素早く感じることが出来るのはいつも飲食店であり、そこから学ぶべきことが多く、その要素をモノを主体とする自転車屋への新たなアイデアへと転換することもしばしばあります。

話を戻します。修行をお願いしようとしていたスパゲティハウス 炎の国やでしたが、ちょうどご子息が修業に入るタイミングと重なり、そこでのわたしの夢は一旦お休み。残念ながらその後ご子息も途中でやめられ、マスターも少し病を患ったためスパゲティ屋修行への扉は静かに閉じてしまいました… しかしながら、同じく並行して考え続けていた自転車屋への転換のために、幸運にも修行が出来るお店が見つかり、わたしの第2の人生が始まり、そこからサークルズへの展開へとつながって行きました。 サークルズも創業してから16年が経ち、少しずつ仕事をスタッフに分担をして行けるようにまで成長させていただきました。 そして炎の国やの閉店後に足繁く通っていた千種にあるパスタ屋の店長とさまざまな偶然が重なり(家が近い等)近しくなり、わたしの夢を引き継いでもらうことに成功。小さなスパゲティ屋 PASTA CERCHI / パスタ チェルキを2023年3月1日(水)にオープンする運びとなりました。こうして一度閉じたように見えたわたしの夢の扉はゆっくり開き出したわけです。

今回の出店はJRの高架下ということもあり、初めてとなる飲食店単独での展開になりますが、思いを込めて、仲間とともにデザイン、施工したアットホームな小さなお店です。出会いの場として活躍するコミュニティースペース、それが飲食店のもっとも美しい姿だと思っています。 なのでできるだけ多くの人たちと楽しく会話ができるようにとカウンターが中心となった店作りになっています。 ぜひお一人でも、お友達とでもふらっと立ち寄っていただけると幸いです。

シェフの永井は、わたしが出会ってきた仲間の中でもとびきりに明るく、超がつくポジティブ、ちょっと頑固な側面もありますが基本とても誠実な愛すべき存在です。 わたしがフライパンを振るわけではないですが、長年の夢をしっかりと引き継いで、みなさまを笑顔と満腹にしてくれると信じています。 ちなみにですがCERCHI(チェルキ)という名称は半分造語です。 英語の CIRCLE と同じ意味を持つイタリア語 CERCHIO の複数形として名付けさせていただきました。(探すという意味もあります。) 場所はサークルズからほど近い、JR中央線 金山高架下、簡易な駐輪ラックも設置していますので、ぜひライド帰りの疲れた体にとびきりのスパゲティを流し込んでいただけたら嬉しいです。

以下、PASTA CERCHIの詳細となります。

Pasta CERCHI / パスタ チェルキ

LUNCH / 11:30 ~ 14:30 (LO 14:00)
DINNER / 18:00 ~ 23:00 (LO 22:30)
TEL : 052-888-9989 (ご予約承ります)
SNS : Instagram (ランチ情報など定期的にアップしています)
名古屋市中区金山3丁目13-26 JR高架下 (Google Map)

このブログをお読みのみなさまには是非、お友達やご家族とのご来店をお待ちしております。 割と高い頻度でわたしもCERCHIに存在していると思いますので、もし見かけましたらぜひお声がけください。

多くのみなさまとコミュニケート出来ることを、シェフ永井と共に心よりお待ちしております。

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田中 慎也

空転する思いと考えを自転出来るところまで押し上げてみた2006年。自転し始めたその空間は更なる求心力を持ちより多く、より高くへと僕を運んでいくのだろうか。多くの仲間に支えられ、助けられて回り続ける回転はローリングストーンズの様に生き長らえることができるのならば素直にとても嬉しいのです。既成概念をぶっ飛ばしてあなただけの自転力に置き換えてくれるのなら僕は何時でも一緒に漕ぎ進めていきたいと思っているのだから。
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