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【PIT TIPS】クリスキングのベアリングは何が違うのか?その秘密をご紹介。

ベアリングとは?

自転車が動くためには、絶対必要な回転部分を支えるとても重要な部品がベアリングです。
中の構造は、至って簡単。
ベアリングが収められる場所に、硬い物質でできた玉が入っていてその玉が玉受けに沿ってクルクル回ることでその部品が回転できるようになり回転部分の摩擦を減らす構造になっています。

ベアリングには、どんな種類があるの?

その種類は、とてつもなく多くその使われる場所や目的に応じて全体の大きさや形、構造、中の球の大きさや数、形も変わるのです。
軽くピットを探すと玉だけでもコロコロ出てきます。

自転車で使われているベアリングの主な種類は、
・シールドベアリング
・リテーナーベアリング
・カップアンドコーンベアリング
などが代表的です。

最近の自転車で使われるベアリングは、シールドベアリングが多くなっており、その理由はシールドベアリングが文字通り玉をシールする構造になっており回転性能や保油性能、耐久性能が玉が剥き出しのベアリングより遥かに高くなっているベアリングだからです。
ただシールドベアリングは、その構造上、分解、清掃、メンテナンスができません。
つまり使い捨てです。
安い部品とはいえ修理が効かないのは、ちょっと悲しいですよね。
シールドベアリングについては、以前のTip「【PIT TIPS】回る回るベアリング」をご覧ください。

では、クリスキングのベアリングどうなのでしょう?

クリスキングのベアリングは、一言で言うならメンテナンスの効くシールドベアリングというところです。
一般的なシールドベアリングは分解できませんが、クリスキングのベアリングは分解することができます。
分解できるということは、清掃、メンテナンスを行うことができ壊れた部品があれば交換可能ということです。
それは、製品を長く大切に使ってもらいたいというクリスキングの思いを体現しています。

では実際のベアリングにおいて使い捨てではなく、清掃メンテをくりかえすことで得られるメリットと何でしょうか?
それは、長く使うことでその性能を向上させることができるところです。
日本語的にいうなら「あたりがでる」「馴染みがでる」というところでしょうか。
滑らかな金属の表面同士が擦れ合うことでその表面はより滑らかになっていきます。
その滑らかさは、よりスムーズな回転を生みますが、滑らかになる過程で出た金属の破片を掃除しなければ滑らかさを超えて本体を傷つけてしまうのです。
だから、シール性が高くなおかつ清掃メンテナンスのできるベアリングを作り上げたのです。
クリスキングのベアリングはその全てが社内で製造されており、他社のシールドベアリングをアッセンブルして回転部品を作るメーカーとは一線を画しているのです。

クリスキングのベアリングの展開図

それでは、クリスキングのベアリングは、どのような作りになっているのでしょう。
早速バラしてみましょう。

①まず刃を落としたデザインナイフなどでスナップリングを外します。

②外したスナップリングの下にあるシールを外します。

③ベアリング本体からリテーナーを押し出します。

たったこれだけで4つの部品に分解することができます。
スナップリング、シール、リテーナー、ベアリング本体の4つです。

この4つを丁寧に洗い、グリスアップして逆の手順で戻せばあっという間にメンテナンス完了です。
しかもこの全てをばらす作業は、フルオーバーホールの時だけ。
普段は、ハブにベアリングは圧入されたまま、スナップリングとシールを外して掃除すればOKという簡単具合。
優れた工業製品は、メンテナンスや分解時の利便性も考えて作られたものと言いますから、キングのベアリングがいかに高いレベルにあるか感じることができます。

この清掃、メンテナンスを繰り返すことでそのパーツは、長期間使用できます。
1例ですが、僕が20年前に買ったクリスキングのヘッドパーツは、そのベアリングが痛むこともなく今でも現役で使い続けています。
さあ皆さんお手持ちのクリスキング。早速メンテナンスしてみてはいかがでしょう?
さらに滑らかな回転が手に入りますよ。



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makoto
横山誠

ふと気がつくとスポーツバイクと触れ合い始めてもうすぐ30年。 ゆっくり長〜く乗り続けるためのあれやこれやを考察中。 乗るのも、触るのも、直すのも、作るのも、やってます。
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