一般社会ではあまり話題にならなかったけれど、個人的にベリーセンセーショーナルなニュースが先週駆け巡った。 SurlyのブランドマネージャーであるピーターがQBPならびにSurlyを解雇されたという少々淋しげなメールが彼からFBに届いてしまった。
QBPという全米一の巨大自転車問屋に配送係として働き出したのが16年前、10年ほど前にSurlyのマネージャーに抜擢され、本当にしっかりと日本マーケットをいや世界全体の自転車システムを考えていてくれた彼のメールに最後に書いてあったのは、”Surly will be fine.” 僕もそう思っている。なにしろいつも早過ぎるのだ。Surlyの本当の価値を見出すにはやっぱり時間というファクターがいつもつきまとってしまうのだから。
本当なら僕らが伝えるべき要素を(話がとてもとても長くなってしまうので。)少しだけふっ飛ばして、いわゆる見た目という “ウワベの塗替え” という荒業を使い、短縮化をして日本国に流行らしたつもりなのだけども、やはりそれには僕なりの真っ当な言い訳もあって、どんな車種にしろ色にしろちゃんとSurlyから自転車を始めてくれればきっと良い未来があるってことを知ってしまっていたから。
そんな僕が止む無く友人に売ってしまって(問屋の在庫切れで、どうしてもこれに乗って欲しかったから)今まさに後悔している所有していたSteamRollerというものがある。シンプルなトラックバイク。でも考えつくされているスーパーシンプルバイク。
10年ほど昔にトラックバイクブームというものが日本でも起こっていた。シュープリーム君たちがヘッドアングルのクソ立った、超乗りにくそうなバイクフレームを持ち込んできてはかっこよくしてくれって言われた。オフ・コース。やりますよ。だって仕事だ。自転車に日常的に乗ってくれればいいんだよ。でもね飽きたら次はこのバイクがいーよっていつも誘ってたのがSteamRoller。まさに平成の地ならし自転車。コミューターバイクってカッコつけて言ってやらないと、かっこいいって分からない人たちへの指標。それはまさに近代自転車業界を完璧に地ならししてくれているスーパーツールバイク。いまならフェンダーアイレット付きでフレーム販売のみってところもまたまた渋い。
本来ならは色なんて塗り替えずにSteamRollerの指名買いってのが一番クールなんだけど、一般市場ってやつはなかなか問屋が卸さない。
でもこの話を読んでいる自称サイクリストたちは覚えておくと良いかもよ、いっちゃんクールな街乗り自転車の注文の仕方ってやつを。『SteamRollerを日常でとても使いやすく、そして壊れにくく、でも安く組んでください!』ってお店で伝えてご覧、それを理解してくれるひとがきっと信頼の置ける自分のパートナーになりうる視野の広い本当のサイクリストだから。
ニュースポルティフコンセプト、ロングテールバイク、ファットバイク、29+、ビジネスユースバイクトレーラー、全部サーリーがいち早く作った。でも早すぎて、やがて問題も生まれる。そんなことろが今回の解雇劇のポイントだろう。でもそれも起こりうることだって知っていたんだろう。でもやりたいんだろ?そうねやりたいんだよ。誰よりも早く。誰よりも強く。誰よりも単純に。そして美しく。そんなSurlyが僕はとんでもなく好きなんだよ。
ピーターもデイブもアンディーもニックも面と向かって話したい気持ちでいっぱいなのだ。
Surlyがあって僕の人生が本当によかったってちゃんと伝えたい。