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【PIT TIPS】締め過ぎの代償はいかに?

 
自転車を組み立てる上で必ず行う作業「ネジ締め」。
その種類は色々あり、六角ネジから+ネジ、ーネジなど多々あります。
皆様もどこかで一度くらいは触ったことがあるのではないでしょうか?
 
ネジは締めたり緩めたりするだけですから、割と簡単に触れる部分でもあります。
ただ、「どんな力加減で締めましたか?」と言われると困ってしまう部分でもあります。
 
この締め加減を数字でちゃんと管理するために、専門用語で「締め付けトルク」という数字が存在します。
 
僕がメカニックになり始めた頃は数字ではなく、「親の仇ぐらい閉めろ」とか「もう閉まらないところからもうちょっと」などとても曖昧な表現の締め加減を多く教えられました。 「親の仇」って言われても、両親とも健在だしとか思った覚えがあります(笑)
 
そんな話は置いておきまして。
最近世の中には、軽量アルミパーツやカーボンパーツが溢れています。
この辺りのパーツを力一杯締め付けると、あっという間に壊れてしまいます。
つまり力一杯ネジを締めるなどという行為は、NGであるのです。
一例ではありますが、閉めすぎるとこうなります。
モノは、ThomsonのX2ステムキャップ部分ですね。
 

 
美しくヒビが入っております。
これはまさに締め過ぎの一例です。
このままですと、しっかりハンドルが閉められていませんので、走行中にハンドルがくるっとなって大事故に繋がることもあります。
お気をつけください。
 
さて、こんな話をさせていただくとますますどうしたら良いのかわからなくなる締め加減ですが、
パーツによっては、ちゃんと何処かに書いてあります。
 
例えばこんな感じです。
 
 
これは、5.1N/mでステムキャップを閉めてくださいねという表示です。
この数字を何で測るのかというと当然、手の感覚では無理ですので「トルクレンチ」を使用します。
こんな工具です。
 

 
このメモリを合わせておけば、5.1N/mで締めることができます。
 
これでパーツも、締め加減も安心です。
 
自転車の部品の中で最も触りやすいネジ部分ですが、どんなネジにもちゃんと締め付けトルクがありますので、しっかり管理して安全で快適なライドをお楽しみいただきたく思います。
 

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makoto
横山誠

ふと気がつくとスポーツバイクと触れ合い始めてもうすぐ30年。 ゆっくり長〜く乗り続けるためのあれやこれやを考察中。 乗るのも、触るのも、直すのも、作るのも、やってます。
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