前回のゴリスパ通信は、なぜ手組みをお勧めするのかを書かせていただきましたが、今回からは車輪組のもう少し深い部分を追求して車輪を構成する部品に注目し、その違いなどをお伝えしていこうと思います。
まずその第一回は、「スポーク」についてお伝えしようと思います。
「スポーク(spoke)とは、輻(や)とも呼ばれる、車輪を構成する部材のひとつである。」
とgoogleにはあります。
車輪の形状はそれぞれであり、ディスクホイールやバトンホイールもありますので全てのホイールに使われているわけでもないのですが、ゴリラスパンで組まれるホイールには必ず使われている重要な部品になります。
スポークには、形状、材質が多種存在し、これに長さや太さ、色が入ってきますので、実は車輪を構成する部品の中で最も種類が多い部品になるのです。
では、それぞれについてもう少し詳しく見ていきましょう。
まずは、形状です。
これには本当に多くの種類があります。
なぜならば、完組ホイールに使われるスポークはほとんどの場合、そのホイールに合わせた専用設計がなされており、一切の融通がきかない代わりにそのホイールにマッチした性能を提供することができるようになっています。
ここが「手組み」と「完組み」の決定的な違いであることは前回お話しさせていただいた通りです。
では、手組のホイールに使われるスポークの形状は、どのようなものになるのでしょうか?
まずは、ハブとのつなぎ目に注目してみましょう。
これは、大きく分けて2種類あり「首曲がりスポーク」か「ストレートスポーク」になります。
それぞれの利点と欠点は、
首曲がりスポーク:
市販されているほとんどのハブは首曲がりスポークに対応している為、ハブの種類が多く選べる。首の部分が曲がっているため力の集中が起きやすくスポークが破断するときはほぼこの部分と言って良い。
ストレートスポーク:
曲がっている部分がないため力が1箇所に集中せず壊れにくくなる。
ネジを締める時に引っかかる部分が無い為スポークが回ってしまい、ネジをまわしにくい。対応するハブは専用品になる為種類が少ない。
といったところでしょうか。
では次にスポークの本体部分を見てみましょう。
これにも、いくつかの種類があります。
ラウンドスポーク、エアロスポーク、バテットスポークと言った形です。
ラウンドスポーク:
断面が丸くなっている一番使われているスポークです。全方向に対して安定した剛性を持っています。
エアロスポーク:
スポークの途中から、きしめんの様に平たくなり。回転方向への前衛投影面積が小さくなり空力に優れたスポークです。ただ反面で、横方向の面積は広くなり横風の影響を受けやすくなったり、横方向への剛性が下がっています。
平たい部分の太さは色々あり、ものによっては専用の穴が空いているハブでなければ使えないものもあります。
バテットスポーク:
ラウンドスポークの太さが途中から変わります。変化する太さはメーカーや種類によって色々ありますが、細くなることでの軽量化が主な目的です。ただ途中から細くなることでその部分に負荷がかかりやすく純粋なラウンドスポークに比べ弱くなります。
さらにバテットスポークには、バテットの仕方により細くなるのが1回のシングルバテット、一度細くなって再び太くなるダブルバテット、首付近-胴体部-ネジ付近で全て太さの違うトリプルバテットといったものあります。
また、先ほどから出てくるスポークの太さについては、JIS(日本工業規格)によって定められており、自転車用としては#12〜#15番が設定されています。スポーツ車では、おおよそ#14番、#15番がそのほとんどで#13番は下り用のマウンテンバイクで見かけることはあります。
しかし#12番は、僕は触ったことがありません。 一応自転車歴は25年になろうとしていますので、ほぼ無いと言って良いかと思います。
この太さの違いは、当然太ければ強度的に優れており、細くなれば弱くなります。 逆に太くなれば重くなり、細ければ軽くなるという側面も併せ持っていますので使用用途に合わせて程よいバランスを取ることが重要です。
強度を左右する部分では、材質も関わってきますが、今回は長くなってきてしまいましたので次回に回すとしましょう。
次回は、スポークについて – その2 – 材質 についてお話したいと思います。